リアルウッドシリーズ3機種を比較レビュー

「竹」のデノンヘッドホン最上位「AH-D9200」は下位機とどう違う? 木の種類で音はこんなに変わる

岩井 喬

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2019年02月07日
デノンの手がけるプレミアムヘッドホンは、“リアルウッドシリーズ”として、木材ハウジングを活かして音質を追求することを大きな特徴としてきた。そして昨年には、フラッグシップモデルとして、軽量性や耐久性、そして優れた振動吸収性を持つ孟宗竹をハウジングに使う「AH-D9200」が登場した。本記事では岩井喬氏がAH-D9200の音質を、同じリアルウッドシリーズの「AH-D7200」や「AH-D5200」と比較しながらレビューしていく。

「AH-D9200」(¥195,000/税抜)

デノンの“リアルウッドシリーズ”に新たなフラグシップモデル「AH-D9200」(関連ニュース)が加わった。これまでの最上位モデル「AH-D7200」や「AH-D5200」と同じフォルムやコアテクノロジーを引き継ぎつつ、これまで以上にクリアかつ開放的でダイナミックなサウンドを目指し、日本生産にこだわった体制で作り上げられている。

AH-D9200は、「AH-D7200」のさらに上位に位置づけられた新たなフラグシップモデルだ

リアルウッドシリーズならではのウッドハウジングには高知産の孟宗竹を採用。AH-D7200で用いたアメリカンウォールナットや、AH-D5200で用いたゼブラウッドよりも軽量であり、耐久性にも優れ、加工もしやすい素材である。また適度な剛性と非常に優れた振動吸収性を持つことも採用の決め手となったようだ。

熟練技術によって作り上げられる孟宗竹のハウジング

竹は和楽器やアコースティックギターなどにも用いられているほか、スピーカーキャビネットやコンデンサー、振動板素材など、音に関わる様々な分野で取り入られてきた。特に孟宗竹は工業製品への採用も多く、このAH-D9200でも精巧な加工技術による積層構造のハウジングとすることで、理想的かつ安定した音響特性を得ることができたという。

竹の伐採から加工、成形に至るまで、孟宗竹の産地である高知県で1か月以上の時間をかけ丁寧にハウジングが仕上げられる。そしてデノンのマザー工場である福島県の白河オーディオワークスへ他の部材とともに運び、熟練工による手作業での組み立てを行うそうだ。

孟宗竹製のハウジングは、1ヶ月以上の期間をかけて仕上げられる

最上位モデルだからこそのこだわりであるが、ヘッドホンを白河オーディオワークスで組み上げるのはこのAH-D9200が初めてであるとのこと。それだけプロダクトに対する自信と誇りの高さがうかがえるが、心臓部であるφ50mmフリーエッジ・ドライバーに関しても孟宗竹ハウジングへの最適化が図られているという。

EU圏での特許を取得したというフリーエッジ・ドライバーはスピーカーユニットをそのまま小型化したような作りであり、振動板外周部をロールエッジで保持するフリーエッジ構造を取り入れ、振動板全体で均一なピストンモーションを実現させている。これによって歪みも少なく、低域の量感も豊かなものとできるのだ。

「AH-D9200」を従来モデル「AH-D5200/D7200」と比較試聴

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