音質から機能まで集中検証

Lotooの新旗艦DAP「PAW Gold TOUCH」をレビュー。トップレベルの透明度と鮮明な音

佐々木喜洋

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2019年01月08日

■PCM 768kHz、DSD 512ネイティブ対応、高性能ICを使い分けた驚異のデジタル部

PAW Gold TOUCHではPCM 768kHz、DSDはネイティブでDSD 512(24.6MHz)までも対応可能で、音質の要であるDAC ICにはハイエンドクラスのAK4497を採用している。さらにいくつもの高機能ICを多彩に使い分けている贅沢な設計もPAW Gold TOUCHの特徴だ。

PAW Gold TOUCHのPCB基板。高機能なICを使い分けるなど贅沢な設計を採用する

例えばXRC機能ではSRC(サンプルレート変換)専用ICのAK4137を用いて、PCM 44.1〜705.6kHzを768kHzに、DSD 64/128をDSD 256にアップサンプリングすることが可能だ。将来的にはファームウェア更新によって変換先のフォーマット(PCMかDSD)選択まで可能になるという。XRC機能は再生設定画面から設定を行う。

再生中の画面に用意された引き出しメニュー。サンプルレートコンバートを行うXRC機能もここから設定することができる

またSRCであるAK4137とDACであるAK4497の間にはFPGAを介在させることで、内部で適切にデジタルフィルタリングが行われる。その際に普通はひとつのクロックでDACとSRCの双方がまかなわれるが、PAW Gold TOUCHではクロックジェネレーターICであるAK8142をふたつ搭載して、DACとFPGAの同期用、SRCとFPGAの同期用にそれぞれ最適なクロック周波数を供給している。これをデュアルクロックシステムと呼んでいる。この基準となるオリジナルクロックについてはジッター1ps以下の高精度のものを採用しているそうだ。

また初代PAW Goldから引き継いだ良さもある。PAW Goldでは独自OSを生かしてATEという機能とPMEQをハードであるDSP ICを使用して実現した。これにはアナログデバイセスのBlackfin DSPが使用されている。

前身のPAW Goldでも人気の高かったATE機能はアナログデバイセズのBlackfin DSPに実装される

PMEQはいわゆるパラメトリック・イコライザーで特定帯域を上下させるものだ。ATEは音場を変更したり、ヴォーカルの声質を変えたり、楽器の音をスムーズにしたりという音に色つけを行う処理のことである。ATEの例としては「Bright」とすると高域が輝きを増し、「Sweet」ではやや甘めの表現となる。「Dental」は子音のきつさを抑えるもので、歯を抜ける音をあらわしているので「Dental」と称しているそうだ。また「701」はAKGのヘッドホン「K701」、「990」はbeyerdynamicの「DT990」に合わせた設定とのこと。「Diffuse」はいわゆるクロスフィードのことである。Blackfin DSPと DACの間にもFPGAが介在していて高音質を保証している。

再生画面の右下をタップすると現れるATEとPMEQの設定画面。こうしたよく使う機能には簡単にアクセスできるデザインとなっている

こうした機能は組み合わせるイヤホンやヘッドホンの特性に応じて使い分けると良いだろう。ATEのオンオフは再生画面の右下のグライコ風のボタンをタップし、EFX中でPMEQとATEを排他的に選択ができる。設定の中のATE項目はこの表示に現れる項目を編集できるもので、必要なものだけ見えるようにしておけば便利だ。

設定画面では多彩なデジタルフィルターをPCMとDSDの個別に選択することができる。PCMではスローロールオフやシャープロールオフのように6種類から選べる。DSDではローパスフィルターを「Normal」と「Extended」から選ぶことができる。DSDの設定はローパスフィルターのカットオフ周波数の設定のことで、「Normal」と比べると「Extended」の方がより高い周波数でカットオフする設定となる。

PCMのフィルターは全部で6種類を用意

DSDフィルターはノーマルとより高い周波数でカットオフするExtendedが用意される

受信機能にも対応したBluetooth、USB DACとしても高性能

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