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【特別企画】複数ケーブルの違いをチェック

電源ケーブルで “画質” も大きく変わる! 「オカルトじゃない変化ぶり」をサエクのケーブルで検証

公開日 2018/12/28 07:00 鴻池 賢三
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ディスプレイは画素型と呼ばれ、規則正しく並んだ画素は典型的なデジタルである。しかし明暗は、デジタルデータ上、8bitなら256段階、10bitなら1024段階で表されるが、最終的にパネルを駆動するのはドライバーで生成したアナログ波形。有機ELパネルの場合は発光量調整、液晶パネルの場合は開口率調整を行うなど、パネル方式や駆動方式は多様だが、アナログ的な揺らぎを内包することになる。

もう少しデジタルドメインに近い部分、例えば信号伝送では、時間的な揺らぎ「ジッター」が課題になる。デジタルデータは「0」と「1」のように白黒がはっきりしているが、時間軸上正確であることが前提だ。

デジタルシステムではこの時間の精度を高め、また、揺らぎが生じた際は補正やエラー訂正を行うことで、データレベルで「劣化無し」を実現している。しかし、補正やエラー訂正が生じると、プロセッサーの負荷変動やそれに伴うノイズ量の変動および消費電力の変動などが生じ、最終的にアナログ部分に影響して変質を招くと考えられる。

AV信号の通らない電源ケーブルで、画質が変わる可能性とは

では、今回のテーマである、AV信号を直接扱わない電源ケーブルがデジタルAV機器に与える影響とは何だろうか?

オカルトと批判する方々の主張として、「電気は長い送電線を伝ってやって来るので、機器直前のわずか数メートルしかない電源ケーブルを交換しても無意味」というものがある。

確かに、導体の電気抵抗が映像/音声品質に関わるとすれば、いくら抵抗の少ない高級な電源ケーブルを用いていようと、壁コンセントまで来ているVA線(屋内配線)をそのまま機器に接続していたり、あるいは発電所に近い方が有利なことになる。さらに、導体の抵抗値は温度でも変化するので、筆者は「抵抗」を切り口にした議論には無理があると思っている。

そうした中、筆者が最も賛同している仮説が、「縦振動」である。

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