初代モデルからの変更点もチェック

定番ヘッドホンがさらなる理想形に進化。オーディオテクニカ「ATH-MSR7b」レビュー

岩井 喬

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2018年12月05日

また見た目としても大きな違いを生んでいるのが、両出し式に変更されたA2DCコネクターによる着脱式ケーブル構造だ。

ATH-MSR7は左側ハウジングから3.5mmプラグでの着脱方式となっていたが、本機では接触性と耐久性の両面の特性を追求し、オーディオ用途に最適な端子として同社が開発したA2DCコネクターの両出し形式とした。“渡り線”による左右ドライバーへの経路不均衡を解消するとともに、渡り線を保持するためのヘッドバンドの補強構造を簡略化し、軽量化へ結びつけている。

MSR7のステレオミニジャック片出し(写真左)から、独自のA2DC端子による両出し(写真右)にケーブル接続方式を変更した

A2DC端子により、深くしっかりと嵌合する

そして付属ケーブルについても見直しを実施。ATH-MSR7は室内環境用3mケーブル、ポータブル用1.2mケーブル、スマートフォン用リモコン付き1.2mケーブルの3本構成であったのに対し、ATH-MSR7bはポータブル仕様をより意識し、3.5mmステレオミニケーブルと、4.4mmバランスケーブルの2本(どちらも長さは1.2m)が同梱されるようになった。

同梱ケーブルは4.4mmプラグ/3.5mmプラグの2種類に改めている。長さは同じ1.2m

こうした変更により、約290gあったATH-MSR7と比べて、53gほど軽い約237gという質量を実現した。さらに側圧やデザインなどの調整を行ったことで、装着性についても大幅に向上している。

スライダーも骨組みのような構造に。こうした変更の積み重ねにより、約50gの軽量化を実現している

ATH-MSR7も300g弱という重量のわりに重さを感じさせない装着性を実現していたが、本機ではヘッドバンドやイヤーパッド構造を見直した効果も加わり、より軽快なフィッティング感に改善されたことで、ストレスなくサウンドへ集中できるようになった。

ヘッドバンド/イヤーパッドも改善、装着感をより快適にした

新旧の差は歴然。S/Nの高さや余韻の階調、豊かな音場感が際立つ

試聴にはバランス駆動での音についても確認すべく、ソニー「NW-WM1Z」を用意。3.5mmステレオミニ接続時におけるATH-MSR7との音質差についても比較した。

まずATH-MSR7はスッキリとしたヌケの良いバランス指向のサウンドで、リズム隊の低域も密度良く弾力を持った描写となる。

ボーカルはハリ感を滑らかにまとめ、ボトムもスマートに表現。音場はやや小さめに展開するが、見通しは深く素直な空間性を感じることができる。ホーンセクションなど、高域の輝き感は多少華やかに推移するが、余韻の清々しさ、しなやかな音運び、重厚感も感じられるピアノの安定した響きなど、モニターとはベクトルの異なるリアルさ、音像の存在感を艶良く描き出す。

これに対し3.5mmステレオミニで接続したATH-MSR7bは、軽々と音像が浮き立つようなストレスフリーなサウンドで、ホーンセクションやオーケストラの管弦楽器は抜け良く爽快に旋律が浮き上がる。また、その立ち上がりも素早く、余韻の階調性も細やかで、非常にクリアだ。

バランス駆動でさらに端正なサウンドが得られる

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