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初代モデルからの変更点もチェック

定番ヘッドホンがさらなる理想形に進化。オーディオテクニカ「ATH-MSR7b」レビュー

2018/12/05 岩井 喬
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2014年、ハイレゾ時代に即した密閉型ヘッドホンとして誕生したオーディオテクニカの「ATH-MSR7」。“原音再生” “高解像度” “高レスポンス”の追求を掲げ、ポータブルヘッドホンの新たなスタンダード機として存在感を高めてきた。これまでに限定モデル「ATH-MSR7LTD」や「ATH-MSR7SE」が発売されてきたことも、定番モデルとしての人気の現れだ。

そしてこの秋、その進化モデルとしてバランス駆動にも対応できるようになった「ATH-MSR7b」が誕生した。サウンド面でもどれほど進化したのか、初代機であるATH-MSR7との差についても含め、レポートをお届けしたい。

「ATH-MSR7b」(予想実売価格30,000円前後)

人気ヘッドホン直系のグレードアップ・モデル、「ATH-MSR7b」

ATH-MSR7は、それまでのオーディオテクニカヘッドホンの系譜とは一味違う独自の表現力を持った人気モデルである。リアルなサウンド性の追求という点ではモニター的な側面も併せ持つが、そこまでドライでストイックな表現ではなく、程よい艶感や音場の自然な広がり感など、リスニングにより特化させた傾向も併せ持っていた。

今回登場したATH-MSR7bも基本的にそのスタンスで、サウンドキャラクターに変更はなく、純粋にATH-MSR7をグレードアップしたものといえる。

MSR7の方向性をそのままにグレードアップを図ったのが「ATH-MSR7b」だ

ATH-MSR7SEで採用された振動板へのDLC(Diamond Like Carbon)コーティングを施し、高域特性を改善させた45mm“トゥルー・モーション”ハイレゾドライバーを搭載。振動板や磁気回路を収めているフランジの仕様を見直し、部材の厚みや周辺構造の設計を変更したことで軽量化と音質改善を実現させている。

マグネシウム配合アルミ素材の2重構造としたレイヤードメタル構造のハウジング、トリプル・ベントシステムを組み合わせたデュアルレイヤー・エアコントロールテクノロジーも引き続き採用する。

ハウジングに設けられたベントなど外見を比較すれば、従来から引き継ぐ技術にも、さらに調整を重ねていることが伺い知れる(写真左:MSR7b、写真右:MSR7)

次ページ外見上でも大きな変更点、両出しケーブルの採用

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