【特別企画】DAC/HPAを独立搭載した音質追求型モデル

オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホン「ATH-CKR7TW」を聴く ー 独立DAC/アンプ搭載で音質追求

海上 忍

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2018年11月28日

宇多田ヒカル「俺の彼女」(FLAC 96kHz/24bit)は、オープニングのベースが印象的。輪郭は瞭然と描かれ滲みを感じさせず、確かな重さで沈み込む。ベースという楽器ならではの微妙なうねりまで丁寧に描写され、しなやかさと密度感にリアリティを覚える。中高域にかけての情報量も多く、音場の広がりも自然。完全ワイヤレスであることを忘れる、というよりBluetoothイヤホンであることの意識が飛ぶと表現したほうが近い。

ATH-CKR7TWを装着したところ

溌剌としつつも艶めかしさのある宇多田の声は、頭部中央のやや前方にくっきりと定位。完全ワイヤレスの場合、左右ユニット間の通信遅延により定位がふらつく(フェージング)こともあるが、本機は歩こうが寝転ぼうが特に変化しない。取材のとき訊いた「人間は数ミリ秒以上の遅延があるとそれに気付くが、ATH-CKR7TWではほぼ無いレベルに収めた」との話は、伊達ではない。

音切れの少なさも特筆できる

音途切れの少なさも特筆もの。屋内では、両耳を手で覆うなど極端なことをしないかぎり音が途切れず、スムーズに音楽を再生し続けることができた。電車乗車時は駅に到着したタイミングで音途切れを起こすことはあったものの、これは付近の空いている周波数を探し通信安定化を図るBluetooth/AFH(Adaptive Frequency Hopping)の仕様上やむを得ないこと。よほど2.4GHz帯が混雑した状況でないかぎり、ストレスを感じることはないだろう。

ATH-CKR7TWの充電ケース

4サイズのイヤーピースに加えて、3Dループサポートが付属する

装着感も上々。ユニットを指でつまんだ瞬間やや大柄な印象を受けるが、耳に装着すれば意外なほど軽快。耳介とのクッション役を果たす「3Dループサポート」がアクセサリとして付属するため、より高い安定性を得ることもできる。なお、普段ユニットを格納しておく充電ケースも、前面のボタンを1回押すとケースのバッテリー残量を青色LEDで、2回押すとイヤホンのバッテリー残量を白色LEDで知らせるという凝りようだ。

LEDの色で本体/ケースそれぞれの電池残量を確認できる




破竹の勢いの完全ワイヤレスイヤホンは、スマートフォンとの組み合わせで利用されることが圧倒的なだけに、耐水能力やノイズキャンセリング機能などユーティリティ面が注目されがちだが、より深い満足を与えてくれるのはやはり「音」。Sound Realityシリーズの最新モデルにしてオーディオテクニカ初の完全ワイヤレスイヤホンとなる「ATH-CKR7TW」は、設計の斬新さと通信設計の確かさから、今後の完全ワイヤレスイヤホンのあり方を示すひとつの手本となりそうだ。

(海上忍)


特別企画 協力:オーディオテクニカ

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