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<山本敦のAV進化論 第169回>

ソニー「第4の完全ワイヤレスイヤホン」は“水陸両用+プレーヤー内蔵”! キャラ立ちバツグン「WF-SP900」を試す

公開日 2018/11/08 06:00 山本 敦
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WF-SP900はソニー独自の試験によって海水対応も実現している。IP6X相当の防塵性能として、使用後に水洗いもできるので、海辺で音楽を聴きたい時に最適なイヤホンだ。ただし耐性温度の上限が35度までなので、夏場は直射日光に長時間さらさないよう注意が必要だ。また熱い湯を使う風呂場や温泉での利用は控えたい。シャンプーや洗剤の利用はもってのほかだ。

音楽再生、ハンズフリー通話のリモコン操作はイヤホン本体に搭載するボタンをクリックするか、または左右の本体を2回指でタップすると音量の増減コマンドになる。

左右のダブルタップで音量のアップダウンができる

その他の機能は本体のボタンクリックでコントロールする

それでは、WF-SP900の音質を確認してみよう。まずはスマートフォンにBluetoothでペアリングして「ヘッドホンモード」の音質からチェックする。なお内蔵音楽プレーヤーで聴くスタイルは「プレーヤーモード」と名付けられている。それぞれの切り替えは左側本体のボタンを素速くトリプルクリックする。

BluetoothのオーディオコーデックはAACとSBCをサポートしている。スマホに「Sony Headphones Connect」アプリを入れておくと、ペアリングのガイダンスから、イコライザーに外音コントロールなど音楽再生まわりのセットアップがスマホで簡単にできるようになる。音質モードの「音質優先」と「接続優先」もアプリから行う。

「Sony Headphones Connect」アプリで各種設定を行う

WF-SP900はシリコンイヤーピースをノズルのトップに装着する際、2段階のポジションが選べる。先端に近い方のポジションに装着するとイヤーピースが耳穴により密着して音漏れが少なくなる。イヤーピースを普段使っているサイズからワンステップ上げてLに変えたら、遮音性がさらに高くなった。

シリコン製のイヤーピースとスタビライザーを装着

イヤーピースは装着ポジションを2段階から選べる

反対にノズルの根元側にイヤーピースを押し込むと、外音もよく聞こえるようになる。こちらは屋外で歩きながら音楽を聴く時や、スポーツで体を動かしているときなど、周囲の音に注意を払いたいときに向く。

中高域にウエイトを置いた、抜けの良いクリアなサウンドだ。本機にはソニーの完全ワイヤレスイヤホンとして初めてフルレンジのBA型ドライバーが1基搭載されている。先ほどから比較対象にしてきたWF-SP700Nは中低域のパワフルな再生にフォーカスした「Extra Bassチューニング」をコンセプトに掲げるダイナミック型イヤホンなので、キャラクターは大きく異なっている。

WF-SP900はシングルBAらしいニュートラルなバランスの良さと、音楽のつながりを意識したチューニングであることが、静かな場所で聴くとさらによくわかる。女性ボーカルやアコースティックギター、クラシックピアノなどの楽曲にはイコライザーを使わない素のままのサウンドが良く合うと感じた。荒井由実の『コバルト・アワー』では、透き通る爽やかなメロディの残り香が絶品だった。

だが、特にスポーツをしながら音楽を聴く時には、よりハードなロックやポップス、ダンスミュージックなど勢いのある楽曲を聴く、筆者のようなタイプの人間は、アプリのイコライザーを使わないと、少し低音が物足りなく感じるかもしれない。

イコライザーやクイックサウンド設定は使いこなすと効果的だ

ユーザーの好みに合わせ、イコライザーと外音コントロールを設定した値を1件までメモリーに保存できる「クイックサウンド設定」を活用すれば、普段はイコライザーなしの設定で使い、スポーツシーンではカスタム設定へと即座に切り替えられる。スマホやアプリが手もとにないときは、左側イヤホンのボタンを素速くダブルクリックするとクイックサウンド設定が立ち上がる。

水泳用のシリコンイヤーピースも別途用意されている。こちらはノズルの先端に水滴が浸入しないように膜が張ってある。丘の上でイヤーピースを交換して聴き比べてみると、やはり膜のぶんだけミュートされたような音になってしまう。普段使い用のイヤーピースではなさそうだ。

左側が水中用イヤーピース。ノズルの所に薄い膜が張られている

筆者はスポーツ中に音楽を楽しむなら、プレーヤー付の完全ワイヤレスイヤホンが最強だと思っていた。スマホを持ち歩きたくない時もある。例えばジョギングや水泳のときなどがそうだ。WF-SP900は単体プレーヤーとして、MP3/WMA/FLAC/AAC/WAV/ATRAC形式の音楽ファイルを再生できる。最大48kHz/16bitまでサポートする。

ストレージのサイズは4GBなので、もう少し増やして欲しいと思う。またストレージに保存した楽曲のリスト表示が見られるアプリ「Music Center」をインストールしたスマホが手もとにないと、自由に選曲ができない。本体のボタンで曲送りはできるのだが、大量の楽曲をメモリーに保存してしまうと、聴きたい曲にすぐ飛べなくなってしまう。こういうこともあって4GBに抑えているのだろうか。

「Music Center」アプリを開くとイヤホンのメモリーに保存した楽曲の選曲・再生操作が可能になる

最近はApple Watchが使いやすくなっているので、Music CenterアプリのApple Watch対応をぜひ実現してもらい、ペアリングしたスマートウォッチの画面を見ながら、WF-SP900内の楽曲をスムーズに再生できるようにしてほしい。

今回のハンドリングでは、WF-SP900を屋外の様々な場所で使い倒した。音質モードを「音質優先」に設定していると、ラッシュアワーの駅のホームなどではごくたまに音が途切れてしまうものの、「接続優先」に切り替えれば、左右のイヤホン間、あるいはスマホとの間のBluetooth接続は比較的安定していた。接続性能は高いと言えそうだ。

同じソニーの兄弟機であるWF-SP700Nに比べると、よりアスリート向けに仕様を寄せた完全ワイヤレスイヤホンとして位置付けられると思う。

サウンドは、これまでソニーが発売してきた3つの完全ワイヤレスイヤホン(WF-SP700NとWF-1000X、Xperia Ear Duo/XEA20)と比べてみても、華やかできめ細かい中高域の再現性に本機の持ち味がある。サウンドが好みに合えば、スポーツシーンに限らず、ふだんの音楽リスニングにも活躍することだろう。

(山本 敦)

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