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ネットワーク再生に特化して音質を高めた野心作

“音質追求型”のエントリー・ネットワークプレーヤー。マランツ「NA6006」をレビュー

2018/10/04 土方久明
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マランツから、ネットワークプレーヤーのエントリーモデル「NA6006」が発売された(関連ニュース)。開発陣が目指したのは、実売価格が約2倍の上位モデル「ND8006」に迫る音質を得ることである。具体的には、ND8006が実装するCD再生機能やUSB-DAC機能を省略して、その分のリソースを音質対策に集中投入したという。音質追求型ともいえる野心溢れるモデルだ。

マランツ「NA6006」¥75,000(税抜)

実際、筆者は初めてNA6006の音を聴いた時に、「これは、この価格帯の製品の音ではないですね」と思わず口にしたほどだった。そこで今回は、自宅試聴環境に本機を組み込み、徹底的にその音質と使い勝手を確認した。

■HDD、ネットワーク再生、ストリーミングなど、幅広く対応するネットワークプレーヤー

マランツは2010年に、同社初のフルサイズネットワークプレーヤー「NA7004」(関連ニュース)を市場投入してから、進化の早いデジタルファイル再生の世界に呼応するように都度モデルを発表してきた。NA6006は、そんな同社のフルサイズネットワークプレーヤーの中でもっともエントリークラスに位置する製品だ。

NA6006は有線LAN/Wi-Fiによるネットワーク再生機能の他、USB-HDD/USBメモリーを接続しての再生、ストリーミングサービスやインターネットラジオの聴取に対応する。さらに、BluetoothやAirPlayの最新規格である「AirPlay 2」もサポートしている。

前面

背面

音楽フォーマットは、ネットワークおよびUSBメモリー経由で最大192kHz/24bit PCM、5.6MHz DSDに対応する。個人的には、11.2MHzのDSDファイルにも対応してくれたらなお嬉しいが、現在ダウンロード販売で入手できるほぼ99%のハイレゾ楽曲ファイルは上記で挙げた192kHz/24bit PCM、5.6MHz DSD以下だし、ほとんどのユーザーが不便をすることはないだろう。

また、ストリーミングサービスは、Amazon Prime Music、AWA、Spotify、SoundCloudと幅広く対応しているのもうれしいところだ。

■筆者の自宅に本機を設置。シャンパンゴールドのボディは違和感がなく収まる

自宅2Fの試聴環境に本機を設置する。上位モデル同様のダブルレイヤードシャーシを採用し、ND8006と同じ高密度インシュレーターを搭載するなど、シャーシ周りにも手抜きがない。また、シャンパンゴールドのボディは上品かつ適度な主張もして、筆者宅のシルバーコンポーネントの中に混ぜても違和感がなく収まってくれた。

土方氏の2Fオーディオルーム。スピーカーにはDYNAUDIOの「Special Forty」、アンプはSOULNOTE「D1」を用いた。

続いて、DAC周りを見ていこう。本機の特徴は、上位モデルND8006に肉薄するサウンドを得るべく、上位モデルの技術が数多く搭載されていることと、エントリーモデルとしては異例なほど音が追い込まれていることだ。

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