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世界で評価されるターンテーブルブランド、そのこだわりに迫る

独Transrotor本社訪問レポート ― 自社設計、自社生産へのこだわりで生み出される「ハイエンド」

公開日 2018/08/24 10:00 レポート:三浦 裕(エイ・アンド・エム) 構成:季刊・アナログ編集部
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■あくまでターンテーブルにこだわるプライドと柔軟性

続けて自社工場内を歩いていると、驚くほど多いSMEのロゴの入ったトーンアームを見ることができた。

工場内にストックされた、SMEのOEMによるTransrotorのトーンアーム達

実は同社はドイツ国内におけるSMEの代理店。そのスタートは1995年とのことで、以来ドイツ中のアナログオーディオファン達へSMEのその高いポテンシャルを訴求してきた。その販売実績は世界でも有数なもので、共に良質なサウンドを提供し共に発展してきた関係にある。

実はここまで写真と共にトランスローターの自社工場を見てきて気づいている方もいるかも知れないが、ほとんどのものを自社で設計するトランスローターの中にあって、トーンアームの製造は行っていない。TransrotorはこのSMEとの良好な関係を生かして、自社ブランドを冠したトーンアーム「TR5009」「TR5012」をSMEのOEMによって発売している。

「SMEのトーンアームは優れた製造品質はもちろんのこと非常に正確なサウンドを持ち、なおかつ調整が容易です。 トーンアームを可能な限り正確に調整できることが最も重要な機能だと考えます」(Dirk氏)

このコメントは、SMEに対するリスペクトでもある。そう考えると、頑なに自社設計にこだわっているTransrotorでありながらも、同時に「優れたレコード再生に必要なものとはなにか?」ということに対して非常に柔軟にアプローチしているといえるだろう。その一方で、あくまで「ターンテーブルを作っている」という部分に関しては、世界を見てもトップクラスのこだわりやプライドを持っていることも明らかだ。

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