[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第212回】噂の静電型トゥイーター搭載イヤホン! 「FitEar EST Universal」発売直前レビュー

高橋敦

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2018年07月06日
明日7月7日といえば、イヤホンズ3周年記念ライブツアーの最後を飾る豊洲PIT公演だが、同時刻での山崎エリイさん「星の宮殿」復活公開生放送開催も告知され、実に悩ましい夜だ。

さらに日中には、ポータブルオーディオのダークサ……ディープサイドイベント「ポタ研」も開催。そして、遂にあのイヤホンが発売日を迎える。「FitEar EST Universal」だ(関連ニュース)。

外観的にはFitEar Universalとだいたい同じ=完成されたシェルデザイン。価格はオープンで、専門店での予約価格は税込14万400円となっている

ESTは当初「春のヘッドフォン祭」での公開が予告されていた新製品。搭載するドライバーが画期的なものであったこと、そしてサンプルを聴く機会のあったテスターがその音を絶賛したことで、最大級の注目を集めていた。

…のだが。イベント直前、その鍵となるパーツの量産品に試作品との間の看過できない差異があることが判明し、急遽出展中止。「年内の発表を目指す」という状況に差し戻されていた、というのが先日までのあらすじだ。

それが遂に!意外と早く!まずはユニバーサルタイプが無事発売されることになる。これはぜひとも紹介したい!というわけで発売前日レビューをお届けする!!!

特徴は画期的な「静電型トゥイーター」を用いたBA型とのハイブリッド構成

EST最大の特徴は「バランスドアーマチュア型ドライバーと静電型トゥイーターユニットによるハイブリッド構成」。前述の画期的というのは特に「静電型トゥイーター」の部分だ。

既存の本格的な静電型ドライバーは、繊細で正確な振動を生み出すという大きな優位の反面、使い勝手の面では大きな不利を抱えている。その駆動のために専用の高電圧アンプが必要で、ポータブルプレーヤー単体での駆動も他方式のドライバーと共存させてのハイブリッド構成も不可能なのだ。

対して、ESTが搭載する静電型トゥイーターユニットは一般的なイヤホンアンプ回路で動作する。駆動に高電圧が必要なこと自体は同様なのだが、コイルを用いた電磁誘導で電圧をパッシブに引き上げる昇圧トランスとユニット化することでそれを実現。ポータブルプレーヤー等のイヤホン端子に普通に挿して利用できる。

その静電型ユニット。当初はドライバーメーカーが、直近の製品化ではなく、技術的な挑戦を目的として試作したものだったという。なのでその時点では、トランスのサイズがイヤホンの筐体に収まるものではない等、製品化できる代物ではなかったようだ。

しかしそのドライバーのテストに参加したFitEarは、その音、特に中高域にこれまでにない魅力を感じた。そこで両社はさらなる協力態勢での数々の試作に突入。そして完成されたのがESTに搭載されている「静電型トゥイーターユニット」なのだ。トランスを含めた小型化の他、中高域再生用トゥイーターとしての最適化といったところがポイントだろうと推測する。

その静電型トゥイーターをフルレンジのバランスドアーマチュアと組み合わせる、というのがESTのハイブリッド構成。バランスドアーマチュア側を、ネットワークによる電気的なハイカットは行わずフルレンジとして動作させているところもポイントだ。アコースティックフィルターのみによる調整で、バランスドアーマチュアのフルレンジ再生に静電型トゥイーターの中高域をなじませ、その魅力を上乗せしてある。

なお公開されている仕様表記は、以下のとおり。
ハイブリッドタイプ/構成非公開
(バランスドアーマチュア型ドライバー/静電型トゥイーターユニット)

ドライバーの基数については非公開。

技術面ではもう一つ、FitEar Universalにて初採用された「オーバルホーンステム」をベースにしたステムにも注目だ。

独自の楕円形状をしたステムは、ハイブリッド構成に合わせて最適化

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