海上忍のラズパイ・オーディオ通信(47)

技適も通過、いよいよ国内販売開始した最新ラズパイ「3 Model B+」がいろんな意味で熱い!

海上 忍

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2018年07月04日
技適取得でいよいよ国内販売スタート

3月に発売されたRaspberry Piの最新モデル「Raspberry Pi 3 Model B+」。技適の取得も無事完了し(詳細PDF)、いよいよ日本向けの販売が開始された。ラズパイ・オーディオに着手したいが、最新・最速の「3B+」にすべきか、それとも導入実績豊富で価格もこなれている「3B」にすべきか、悩む向きも多いのではなかろうか。

Raspberry Pi 3 Model B+

しかし、「音」はハードウェアのスペックのみで語れない。CPUのクロックが最大1.2GHzから1.4GHzへ引き上げられたとしても、LANがGigabit Ethernet対応になったとしても、DACボードやUSB DACから音を出してみないことには始まらないのだ。

第42回で紹介したとおり、ラズパイ3B+のCPUはラズパイ3Bとリビジョン違いの64ビット4コア/ARM Cortex-A53ベースBCM2837B0、クロックは200MHzアップの1.4GHzだ。初期設定では、CPUの負荷や温度によりクロックが動的に変化する仕様だが、ラズパイ3B+ではより"軽く"なるものと予想される。

変化があるとすれば、ネットワーク再生だろう。有線LAN(Ethernet)はUSBとバスを共有する構造こそ同じだが、処理を担うICが最大100Mbpsの「LAN9514」から最大1Gbpsの「LAN7515」に変更され、大幅なスピードアップを果たしている。SoC内部の仕様により、最大スループットはGigabit Ethernetの名から遠い300Mbpsとなるが、当然メリットはある。

ノイズ低減も期待できる。ラズパイ3Bはメーカー不詳のスイッチングレギュレータICとインダクター、チップコンデンサーにより構成されていたが、ラズパイ3B+ではMaxLinearの電源管理IC「MxL7704」を中心とするデザインに変更されている。

I2Cによる制御には対応していないとのことだが(そもそも現在のLinuxカーネルには直接パワーマネジメントICを制御する機能がない)、SoCと連携しダイナミックに電圧を制御するという。ラズパイ・オーディオにおける悩みの種・スイッチングレギュレータが世代交代したのだから、音質面にもプラスに作用しそうだ。

これまでのモデルチェンジ同様、過去のRaspberry Piとのソフトウェア互換性は確保されているが、システム(OS)はラズパイ3B+に対応したものが必要だ。オーディオ用でいえば、Raspbian 2018-03-13以降をベースにしたLinuxディストリビューションということになり、それ以前のものでは起動しない。言い換えれば、ラズパイ3B+発売前に公開されていたディストリビューションは利用できないため、注意してほしい。

Raspberry Pi 3 Model B+のアイデンティティ(?) GPIO付近に突き出たPoE用ピンヘッダを処理する

第42回で触れていた、Power over Ethernet(PoE)用に増設されたピンヘッダが銅プレートに干渉する件は、ピンヘッダを約4mm切断することで問題解決を図った。作業は簡単、先端部分を爪切りでパチリとやるだけ。今後PoEは使えなくなるが、オーディオ目的であれば何ら支障はない。

爪切りで4mmほど切断、これでPoEは使えなくなるがオーディオ目的にはなんら支障ない

銅プレートとのコンフリクトを無事解消。これでCASE 01に格納できる

用途がオーディオ再生なだけに、演算性能的にはラズパイ3Bで十分だが、より高性能なラズパイ3B+で音がどう変わるのか。スペックだけでは推し量ることが難しいだけに、あとは実際に聴いてみるしかない。

ラズパイ3B+を実際に使用、3Bとの違いは?

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