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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第207回】安定性◎の完全ワイヤレスイヤホンからガチDACまで、「ヘッドフォン祭2018」高橋敦のベスト5

2018/05/11 高橋 敦
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もう一つは、NuForce「BE Free5」実売予想1万2000円程度。

本体は普通のイヤホンとしてはやや大柄だが、トゥルーワイヤレスとしては収まりの良い部類

ケースも十分にコンパクトで癖も角もない形なので扱いやすい

こちらはまだ都心部でしっかり確認したわけではないのだが、チェック時には十分に安定していそうな雰囲気だった。NT01よりもさらにお安い上に、あちらと同じく十分な防水性能も備える。

興味深いのは、どちらも左右の接続にBluetoothを用いていること。これまでは左右伝送の安定性の高いモデルといえば、左右の接続にNFMIを用いているモデルという印象もあったからだ。

しかしBluetooth接続で高い安定性を確保するモデルが相次いで登場してきた。完全ワイヤレスイヤホンにおけるBluetooth周りの設計ノウハウが確立されてきたのかもしれない。すると今後も続々と…という期待も持てる。引き続き注視していきたい。

【注目】新イヤホンといつもの自作ブース

ランキングとは別に「これも気になる…!」を心に残った展示もいくつか紹介しよう。

final「E4000」「E5000」は、「E2000」「E3000」の大好評を受けてのアッパーモデル。サウンドをさらに磨き上げた上に、自社開発のMMCX端子を装備してリケーブルにも対応する。

左ブラックがE4000で実売1万6000円程度。右シルバーがE5000で実売3万円程度

E5000のみ付属ケーブルが高純度OFCシルバーコートケーブルであり、価格差の理由ともなっている

音の傾向は基本としてはE4000はE2000、E5000はE3000の方向性。前者はすっきりとしたスピード感、後者はしっとりとしたしなやかさが際立つ。だがE4000は、上質さを増したからか、E3000系のような落ち着きも感じさせる仕上がりでもあり、どちらも良い!ただ、E2000/E3000とは違い高価でしかも価格差も大きいので、「両方買っちゃえよ!」とは言い難いのが悩ましい。

Campfire Audioも新イヤホン「ATLAS」「COMET」を出展していた。

こちらはダイナミック型ドライバー搭載のATLAS。実売想定15万円前後。同デザインでBA型のCOMETは実売想定2万5000円前後

開孔がメッシュではなくスリットなのにも音響的な意味合いがあるのだろうか…

またも全く新しい筐体だ!新しいモデルにはそのコンセプトに合致する新しい筐体を用意するのが理想だ。しかしその理想を実際のものとするには、設計にしても製造にしてもそれなりの労力がかかる。小規模なメーカーにとって容易ではないはずだ。しかもそれが常に成功するとも受け入れられるとも限らない。そこを挑戦し続ける姿勢には感心させられる。ご本人たちとしては「やりたいからやっている」だけなのかもしれないが。

そして毎度おなじみ「Music With 規格外」ブース。今回はメンバーのみなさんのお仕事の忙しさや製作トラブルなどで新作は控えめとのことだったがやはり、祭に欠かせない独特の存在感。

おなじみ完全自作平面駆動ヘッドホン。今回は外装をさらに仕上げたバージョンとのこと

ヘッドホンアンプ自力組み立て向け基板。半田付けに技術を要するチップ型抵抗のみあらかじめ付けてある親切仕様のバージョンが登場

次ページ続く第3位、第2位は気になる新小型DAPたち

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