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【特別企画】XR-1/SL-1/SP-10を試聴

アクセサリー銘機賞グランプリを受賞。サエクの旗艦ケーブル「STRATOSPHERE」を聴く

公開日 2017/12/28 09:28 山之内 正
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次にKLIMAX DSにSL-1をつなぎ、ハイレゾ音源を再生する。児玉麻里と児玉桃によるチャイコフスキーの連弾演奏(DSD 2.8MHz、PENTSTONE)は連弾版の楽譜をあえて2台のピアノで演奏し、澄んだ響きを狙った録音だ。

「SL-1」

DSで再生するとその効果をはっきり聴き取れるだけでなく、2人のピアニストの間で呼吸が見事に揃う様子までリアルに再現。さらに、音色のきめ細かい描き分けと弱音の繊細なニュアンスにも特筆すべきものがある。なかでも高音の柔らかい感触には倍音同士が共鳴して生まれた美しさがある。2台のピアノの響きが共鳴することでハーモニーの色合いが豊かに広がる様子を確実に聴き取れるのはDSD録音ならではの長所の一つで、SL-1はそうしたネイティブDSD再生のメリットをストレートに伝えている。

■楽器の位置関係を立体的に再現する「SP-10」

STRATOSPHEREシリーズには、PC-Triple C/EXを採用したラインケーブルに加えて、PC-Triple C導体と独自のスーパーストラタム構造を採用したスピーカーケーブル「SP-10」(関連ニュース)も用意されている。中心導体は単線ではなく撚り線を束ね、外周部には11本のPC-Triple C導体を配置している点がラインケーブルとは異なるが、外周導体にも独立して絶縁を施したスーパーストラタム構造を採用する点に変わりはない。

「SP-10」

パワーアンプからSophia 3への配線をSP-10に換えたときの音の変化は主に空間再現力に聴き取ることができた。楽器の位置関係を立体的に再現し、旋律と内声、リズムの関係を3次元で描写する。ステージ前後方向に奥行きが深まることで、舞台の深さと同時に旋律楽器が前に出る効果も著しい。特にワンポイントステレオマイクで録音した音源ではその効果が顕著で、演奏会場で聴いている雰囲気に近い伸びやかなステレオ音場が広がる。



再生システムの伝送系をSTRATOSPHEREシリーズで統一すると、空間と時間軸両方の分解能の高さや音色の忠実な再現性、さらに立体的な空間描写などの長所が相乗効果を生み、音楽的な表現力がいっそう高まることを実感できる。

PC-Triple C/EXとPC-Triple Cそれぞれの素材にそなわるポテンシャルの高さは個別の製品からも十分に伝わってくるが、ラインケーブルとスピーカーケーブルを組み合わせることで、好ましい方向に音調を追い込むことができそうだ。

(山之内 正)


特別企画 協力:サエクコマース

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