1万円前後で探している方におすすめ

心地よくリッチなサウンド。 ShureのBluetoothイヤホン入門機「SE112 Wireless」レビュー

折原一也

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2017年10月31日

心地よくナチュラルにチューンされた「SE112」の新境地

早速「SE112 Wireless」のサウンドをチェックしていこう。

まずはRADWIMPSの『前前前世 (movie ver.) 』を聴いてみると、予想以上にリッチなサウンドを鳴らす。「SE112 Wireless」の検証直前には「SE215 Wireless Special Edition」の音を聴いていたのだが、ベースモデルが異なるだけに、サウンド面も一味違ったチューンにまとめられているのを感じた。

アンプ部含めたShureのチューニングにより、予想以上にリッチなサウンドを実現

エレキギターの鳴りは聴き疲れしないナチュラル志向で、音空間を積極的に広げバンド演奏に包み込まれるようなライブ感に繋げるタイプだ。個々の楽器の音情報と音像の正確さはさすがにShure流、シンバルの金属音もバランス良く主張する。

低音の量感はパンチを効かせる上位機種よりワンランク抑えられるが、リズムの弾ける感覚も伝えるし、音の見通しも良くトータルで心地良いサウンドを確保する。ボーカルもクリアにセパレーションし、音楽的な表現力としては十分過ぎる実力機だ。

有線モデルよりもさらにまとまり良く感じられた

映画「ラ・ラ・ランド」サントラからジャズ音源『アナザー・デイ・オブ・サン』を聴いてみても、やはり「SE215 Wireless Special Edition」と異なる傾向である。冒頭のピアノの音はナチュラルに音の質感も感じ取れるチューンながら、楽器が加わっていくとライブ感ある広大空間にサウンドを展開する。

特にポイントとなるのは、良い意味でナチュラルに中域に響きが付加されている点。ボーカルだけでなく、ピアノの音やパーカッション、金管楽器まで空間を音で満たしつつ見通しよく共存する。コーラスの距離感も自然だ。ナチュラルな空気感と弾力を感じ取れるウッドベースの刻みは、同価格帯のワイヤレスイヤホンとしては相当高水準である。

「SE112 Wireless」を試聴した率直な感想としてもう一つ挙げると、有線のベースモデル「SE112」のサウンドを以前チェックした際より、「SE112 Wireless」のサウンドの方が数段まとまりが良いと感じた。有線イヤホンは組み合わせるプレーヤーの影響を受けるが、必ずしも相性の良いプレーヤーばかりとは限らない。「SE112 Wireless」は、ワイヤレス化に伴って組み込まれたアンプ部も含めShureがチューンした事で、まさしくShureの意図通り「SE112」のサウンドを引き出せているという訳だ。



「SE112 Wireless」のShureとしての位置づけはワイヤレスイヤホンのエントリー機だが、低価格の進むワイヤレスイヤホンとしては既にミドルクラスの位置づけ。そんなクラスにあって「SE112 Wireless」のサウンドは予想以上にまとまりが良く、Shureの持つサウンドチューンのノウハウを感じ取れる逸品だ。

ワイヤレス化を担うケーブル部まで一体化されているため、同時に登場した「SE215 Wireless」のようにMMCX端子の交換目当てに購入するわけにはいかないが、1万円台前半の価格帯で“高音質なワイヤレスイヤホン”を探している人におすすめできるモデルだ。

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