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満を持して登場

【レビュー】Google Home:ついに日本上陸、未来へ向かうスマートスピーカー

2017/10/10 編集部:風間雄介
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音質はそれなり。マルチルーム対応なのでコンバートも

音質にもかんたんに触れておこう。率直に言うと、大してよくない。音のクリアさが足りず、モヤっとしていてしゃっきりしない。音量を上げていっても、高域が伸びず、ポータブルラジオのようなチープさを感じる。

ただし無理をした妙なバランスではなく、その点には好感が持てる。また2つのパッシブラジエーターが効いているのか、低域はしっかり出してくる。

360度サウンドと言えるような無指向性スピーカーではないが、スピーカーに正対したときと、歩き回って違う場所で聴いたときの音質差は大きくない。セッティングにそれほど気を遣わなくてもよいのはメリットだろう。

ただし、たとえば同じ14,000円でBluetoothスピーカーを探せば、もっと音がクリアで、しかも防水で、ポータブルで…といった製品は数多い。筆者の自宅にはUE BOOM 2など2万円クラスのBluetoothスピーカーが複数台あるが、それとの音質差は大きい。音声操作やスマート機能にこだわらず、音だけで決めるなら、ほかの選択肢はたくさんある。

また冒頭でも触れたが、Google Homeは外部音声出力を備えていない。だから機器自体の音質がとても重要になる。他社製のGoogle アシスタント対応スピーカーでは、ハーマンがJBLブランドの「LINK10」「LINK20」を年内に日本で発売することを発表済み。またソニーも海外で「LF-S50G」を発表している。これらの音を聴いてから決めるというのもアリだろう。

JBLも年内に日本でGoogleアシスタント対応スピーカーを投入する。写真は「LINK20」

末恐ろしいほどの可能性、ライバルとの競り合いも見物

以上、かんたんにではあるが、Google Homeを自宅で数日間使ってみた。

結論としては、Google Play MusicもしくはSpotifyを使っている方なら、14,000円という手頃な価格設定もあいまって、大変お買い得感がある。

音質にはそれほど期待しない方が良いが、これからもっと音質のよいGoogleアシスタント対応スピーカーが他社から発売されたら、寝室や書斎など別の部屋に本機をコンバートさせ、マルチルームシステムを組めばよい。

一方でGoogle Play Music/Spotifyの利用予定がなければ、Googleアシスタントの使い道はまだそれほど多くないこともあり、他のスピーカーの方が高い満足度を得られる場合もある。冷静に判断したい。

とはいえ、Google Homeは今後も進化を続けるデバイスだ。今後はGoogleアシスタントがさらに強化され、音声認識精度がさらに高まり、サードパーティーのサービス連携も含めて「できること」が格段に増えていくだろう。

現段階でもかなりのレベルに達しており、スタート段階でこのクオリティというのはすごいと率直に思う。これがもっと賢くなったらどうなるのかと末恐ろしいほどだ。

最大の課題は、音声操作に対応するスマート家電を増やすことだろう。対応するのがPhilipsの「Hue」だけという状況は長く続かないだろうが、短期間に一気に増やしていかないと、ライバルがひしめく中で「スマート家電のハブとしてのGoogle Home」という立ち位置は危うくなる。

また、今後はAmazonのEchoなど、Alexa対応スピーカーが日本に投入されることが予想される。アップルのHomePodsも日本に投入されるかもしれない。こういったライバルたちとどのように競い合っていくか、覇権をどのプラットフォームが握るのか、という点も大変に興味深い。

今後1年くらいしたら、まったく別ものの機能と使い勝手に変身している可能性もある。順調に仕上がったGoogle Homeがどれほどのものになるのか、それとも今と大差ないレベルにとどまるのか。今後の動向を注視したい。

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