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先行体験版より機能強化

LINEのスマートスピーカー「Clova WAVE」が本日発売。LINE MUSICとの割安セットも

2017/10/05 ファイルウェブ編集部
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LINEは、音声AI“Clova”を内蔵するスマートスピーカー「Clova WAVE」を、本日10月5日15:00より発売する。価格は14,000円(税込)。また、2018年1月末まで、「LINE MUSIC」を12ヶ月聴き放題とする「Clova WAVE + LINE MUSIC セット」を12,800円(税込)で提供するキャンペーンを実施する。

「Clova WAVE」

WAVEは、Clovaによる音声での音楽再生やニュース、天気、家電の操作のほか、「LINE」メッセージの読み上げや送信などを行えるスマートスピーカー。本年6月に開催されたLINE CONFERENCEにて今秋発売とされていたが、その正式な発表が行われたかっこう(関連ニュース)。なお、製品版で実装される機能は、先行体験版もアップデートにより利用できる。

発売開始となった本日10月5日に発表会を開催

製品版より“Clova”を製品名の頭に追加。今後開発する“Clova”AIを搭載する製品についても“Clova〜”と呼称するとのこと。本日からClova公式サイト/Amazon/楽天のオンラインショップにて販売を開始し、11月頭頃からは家電量販店での展開も予定している。

Clovaは、LINEが開発したAIアシスタント。アジアでトップシェアを持つコミュニケーションアプリであるLINEと、韓国のNAVERが持つ開発技術や豊富なコンテンツやサービスを活用することにより、よりスマートなAIアシスタントを実現しているという。

AIアシスタント“Clova”を通じて、音楽再生などのほか、メッセージのやりとりや情報の読み上げなどが可能

スタンプは「スタンプ」と読み上げられていた

本日の正式発表を受けて、Clova WAVE専用のLINEアカウント(LINE家族アカウント)を作成し、そのアカウントを通じて「LINE」メッセージの読み上げや送信を行う機能が実装された。参加ユーザーの呼称(「パパ」「ママ」など複数用意するとのこと)を設定でき、Clova WAVEに話しかけることで対象者にメッセージを送信できる。

Clova WAVE専用のLINE家族アカウントを実装

家族アカウントでは利用ユーザーの呼称を設定できる

また、これまで一問一答であったClovaとの会話が、「Clova、こんにちは。→はい、こんにちは。→調子はどう?→とてもいい調子です。」といった連続会話が可能となった。会話の終了は「Clova、さよなら」というワードで停止する。

Clovaとの連続会話が可能に

ニュースや天気、占い機能も装備。LINEニュースと連携して同サービスのダイジェストから毎日5本の最新ニュースを読み上げる他、スポーツや経済といったカテゴリー指定をすることでそれぞれの最新ニュースも提供される。なお、その他ニュースサイトやサービス利用については「連携の可能性はあるが、読み上げサービスとは別の形での提供を考えている」とした。

日々の情報を読み上げる各種サービスも装備

時計やカレンダー管理など、その日の情報をまとめるブリーフィング機能も今後実装される

また天気や占いでは、位置情報や生年月日を設定することでユーザーに合わせた情報を読み上げる。カレンダー管理やメモ帳機能、時計・タイマーなどの機能も装備。これらの中からその日の情報をまとめて読み上げる「ブリーフィング機能」も実装されるとのこと。

先行体験版でも利用できた音楽機能では、LINE MUSICと連携した楽曲のレコメンド機能、その場の雰囲気にあった音楽再生、アーティスト/アルバム名の検索・再生、新曲ヒットチャート再生などのほか、新たにClova WAVE設定用アプリ「LINE Clova」上で再生した音楽のプレイリスト確認も可能となった。なお本機はBluetooth ver.4.1を搭載しており、ワイヤレススピーカーとしても使用可能。

LINE MUSICと連携した楽曲提供

アプリ上で再生したプレイリストの確認ができるようになた

9月20日から機能追加した、赤外線通信対応の「音声リモコン機能」については、テレビのほかに照明器具やエアコンにも対応する。人物および百科事典データベースから検索などもできる。本データベースは拡張していく予定。

日本の家庭環境に合わせて、赤外線リモコンに対応

音声に反応したスピーカー下部が光る仕様

また、radikoが提供するラジオ再生機能も搭載し、こちらは「数週間後にはサービス開始する予定」としている。それぞれの声を認識して反応する話者認識と、音声翻訳機能も今後1〜2ヶ月の間に実装予定。翻訳機能の対応言語はまず日本語、英語、韓国語、中国語の4ヶ国語を予定しており、その他言語も順次追加されるとのこと。

日本語、英語、韓国語、中国語をまずは用意。その他言語も追加予定

それぞれの声を認識する話者認識

他にもショッピングやデリバリー、タクシー配車といったサービス機能の拡大、ヴァル研究所が提供する経路検索、レスキューナウが提供の鉄道運行情報、アイフリーク モバイル提供による童話朗読といった、サービスパートナーも積極的に拡大するという。

各種パートナー企業との連携も推進。サービスを追加していくとのこと

スピーカーユニットは2.5インチ・20Wウーファー1基と、1.5インチ・5Wトゥイーター2基搭載。クアルコムのクアッドコア1.3GHzプロセッサーと、音声認識にはコネクサント社のマイクロフォンを4基採用。高いノイズキャンセリング技術により、5m離れた距離からも音声認識が可能だという。

背面部に電源ボタンなど配置

スピーカー上部

また、本日開催された発表会では、サードパーティー向けソフトウェア開発キットの開放もプラットフォームの提供を含めて準備中で、来年初頭が予定されていることも明らかにされた。

LINE(株)取締役CSMO・舛田 淳氏が登壇

製品説明にはLINE(株)取締役CSMO・舛田 淳氏が登壇。各社からAI搭載プロダクトが発表される中、現状について舛田氏は「次のフェーズになろうとしている、ポストスマートフォンの時代である」とし、「今後は全てのものがインターネットに繋がり、すべてのことがAIで最適化される世界だと考えている。その際に重要となるのがインターフェースであり、これまでのGUI(タッチ操作)の時代から、VUI(音声操作)の時代に変化しようとしている」とコメント。

Clovaは生活を支え豊かにするAIアシスタントをコンセプトに開発

インターフェースがタッチ操作から音声へと変化しつつある

「この変化に対して当社が提供するのが、『生活を支え豊かにするAIアシスタント』をコンセプトに開発した“Clova”であり、本機能を実装した最初のプロダクトとしてユーザーに提供するのが『Clova WAVE』である」と紹介した。今後も同社キャラクターデザインを採用したカジュアルモデル「CHAMP」やディスプレイ搭載モデル「FACE」など、ラインナップ拡充も進めるとのこと。

今後も製品ラインナップ拡充を進めていくとのこと

大画面モデルや、持ち運びしやすいミニサイズなど各種展開予定

舛田氏はClova WAVEを「成長するスピーカーである」とし、「先行体験版ユーザーからの声や利用動向などから得た情報も反映しながら、子供の声の学習や呼び出し精度、ノイズキャンセル機能の向上などアップデートを積み重ねている」と説明。「購入してからより使いやすく最適化していく」とアピールした。

随時アップデートにより、より使いやすく成長するとアピール

先行体験版ユーザーの声も反映しているとのこと

連続会話機能も「先行版の利用動向において、検索や操作指示だけでなく会話をしたいというニーズが多くあり、音声認識・理解のレベル向上を図って対応した」とのこと。ニュースや天気などの読み上げ機能についても、「毎日使ってもらうことが重要である」とし、コーポレートミッション“CLOSING THE DISTANCE”の実現に向け、『人と人、人と情報・サービスを適切な距離に縮める』製品、機能であると説明した。

LINEのコーポレートミッション“CLOSING THE DISTANCE”

IRリモコン機能については、「日本ではまだWi-Fi/Bluetoothを使った家電操作の環境が整っていない。普及するよう施策は進めていくが、まずは現状の家庭状況に合わせて赤外線リモコンへ対応した」とのこと。この点については、市場を先行するAmazonやGoogleとの違いについて質問された際にも、舛田氏は「LINEはチャレンジャーであると考えている。日本の住環境やユーザー状況を最適に捉えることを主軸に開発をしており、そうした点からIRリモコンやLINEとの連携など、“毎日使っていきやすいような製品”としたことが同社の強みである」と説明した。

毎日使ってもらえる製品を目指し開発されたという

日本の住環境やユーザー状況に合わせた使い勝手がLINEの強みと語る

また「パートナー企業との協業したサービスや機能も、今後増やしていきたい。準備は順次進めており、年末から年始にかけて機能・サービス強化を発表していく」とした。なお、Clova WAVEでの対応は未定だが、無料通話機能「LINEオーディオ」を用いた通話機能はClovaのAI機能としては実装していく予定とのこと。

スマートスピーカーの市場については、「スマホの普及台数を将来的には超えると考えている。IoTの時代になりにつれ、当たり前の環境、プラットフォームになっていくだろう。2〜3年のスパンをかけて準備対応していく」と語った。

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