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【特別企画】Sound Reality Sereiesの新モデルを聴く

岩井 喬が聴くオーディオテクニカ「ATH-DSR9BT」。フルデジタル&aptX HD対応が実現する“次世代のワイヤレスサウンド”

公開日 2016/11/25 10:00 岩井 喬
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aptX HDでハイレゾを聴く。分解能が高く音像の密度が高い

試聴ではaptX HDに対応したAK70を用いたBluetooth環境でチェック。なおAK70のようにaptXとaptX HD両方に対応した製品を使う場合は、ATH-DSR9BTの左ハウジングにあるボリュームスライダーのプラス側を押さえたまま電源を入れペアリングするとaptX HD、マイナス側を押さえたまま電源を入れてペアリングするとaptXで接続される。

接続するBluetooth機器に応じて自動的にaptX HD/aptX/AAC/SBCいずれかで自動的にペアリングされるしくみだが、AK70のようにaptX HD/aptX両方に対応する製品は切換も可能。aptXで接続したい場合は、電源OFFの状態でボリュームをマイナス側にスライドしたまま電源をONにする


AK70の場合、ペアリング成立時に接続したコーデックが表示される
aptX、aptX HDともに、サポートするレゾリューションを超えたものは基本的にプレーヤー側で最適なレートまで変換して伝送を行っている。まずaptX HDにて、ハイレゾ音源がどのように聴こえるかチェックしてみよう。

まずはクラシックの飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013『プロコフィエフ:古典交響曲』〜第1楽章(96kHz/24bit)であるが、管弦楽器の質感を丁寧にトレースし、質感も滑らかで密度も高く、フォーカスも的確である。低域の押し出しも豊かであるが、制動感の高さも手伝い、音場のクリアさ、余韻の細やかさもしっかりと見えてくる。Bluetoothにありがちな中高域のざらつき感は皆無で、艶ハリを強調するようなこともなくナチュラルなサウンドだ。

雨宮天「月灯り」(96kHz/24bit)ではイントロのピアノの重み、階調の細やかさがしっかりと出ており、S/N良くヌケ鮮やかなボーカルの輪郭も丁寧で、密度も十分だ。低域は締まり良くスムーズで音離れ良い空間を描き出す。

キッス『ラヴ・ガン』〜ラヴ・ガン(192kHz/24bit)においても傾向は変わらず、中域の密度感の向上とシームレスな音場感によって、ギターサウンドのリッチさと余韻の細やかさ、ボーカル帯域の豊かさも実感できる。オジー・オズボーン『罪と罰』〜シークレット・ルーザー(96kHz/24bit)に対してはフラッシーなギターワークの切れ味、雑身がある種持ち味でもあり、aptX HDよりもaptXの荒々しさが好みという場合もあり得る雰囲気であった。音像の密度が高いaptX HDの方がボーカルの厚みも出ており、より実在感、リアルさが増している。低域の力強さ、ベースラインの滑らかさが際立つので、バンドのグルーヴに関しては優位に働くようだ。

最後にaptX HDコーデックの範疇に収まる、チープ・トリック『ドリーム・ポリス』〜ドリーム・ポリス(44.1kHz/24bit)を聴いてみたが、リズム隊の太さが全体の安定感を生みだし、ギターやボーカルの密度や質感の滑らかさをより良く味わえた。余韻の伸びも自然でアナログシンセの音もスムーズだ。アタック、リリースも正確で、音像のほぐれ良い分解能の高いサウンドを堪能できた。

次ページaptXとaptX HDのサウンドはどれくらい違う?実際に検証!

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