【特別企画】音楽専門防音会社・アコースティックラボによる試聴会をレポート

音がいいのは縦長/横長どっちの部屋? 比較試聴できる「アコースティックオーディオフォーラム」に記者が潜入!

編集部:小野佳希

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2016年10月24日

■話題は「定在波」と「部屋の寸法比率」へ

そして話題は「定在波」と「部屋の寸法比率」へ。「定在波の観点から考えると、大きい部屋のほうが音楽再生には有利だ。狭い部屋では定在波の分布が低音域に近づくにつれてまだらになりやすく、そのため音楽的においしい帯域である100〜200Hz前後においてディップやピークが生じやすい」と説明する。

なお、とかく定在波はオーディオの世界では悪者だとされ、いかに定在波をなくすかという考え方をしがちだが、定在波が音にとって悪いかというと一概にそうは言えない。例えば楽器の音が美しく大きく響くのは定在波による共振を利用しているからだし、また、定在波は対策したからといって完全に消し去ることができるものでもない。

定在波が音に対して悪影響を及ぼすのは、その分布の偏在しているとき。こうなるとブーミングなど不快な現象につながってしまう。逆に言えば、定在波の分布が均等になるよう部屋を改良すれば、そうした問題が起こらない高音質な部屋づくりができるということだ。

そのために重要なのが、部屋の寸法比率。縦/横/天井の高さの比率を調整し、定在波が偏在しないようにするのだ。

なお会場となった同社蔵前ショールームの寸法比は1:1.15:1.38。もちろん「よい比率」とされるものを計算して作ったものだ。逆に、例えば8畳間のような平面もしくは断面が正方形になる部屋は、オーディオ的にはなるべく避けたほうがよい。

写真右側の図中にある緑のエリアが「音がよい」とされる寸法比率

このように、特にオーディオにおいては部屋の存在はかなり重要だ。考えてみればそれも当然で、スピーカーからの音が鳴り響くのは部屋という空間なのだから、そこがしっかりしていなければ、高級なオーディオ機器であったとしてもそのポテンシャルを引き出しきれているとは言い難い。同社が提唱しているように、まさに「部屋はオーディオの一部」なのであり、単純に防音性能だけを追求すればよいものではないことを改めて感じさせられた。

そのほかスピーカーによる周波数特性の違いなども紹介

こうした点について鈴木氏は「オーディオ趣味では、音楽と機械と部屋という3つの要素のトータルで音楽を聴いている」とコメント。「ほとんどの場合は音楽の内容や機器の話になりがちで、部屋は話題にならないか、知っていてもあまり気にしていない人が多い。だが、部屋が存在して初めて音を聴けるのだ」と語る。

そして、縦長配置、横長配置の両方での試聴体験を通じて、「部屋の在り方によってオーディオの聴こえ方が変化することを実感してもらえたのではないか」とコメント。「オーディオにとって部屋の力も重要な部分の何割かを占めていると感じてもらえたらうれしい」とイベント締めくくった。


なお、次回は真空管オーディオをテーマにして10月28日(金)・29日(土)に開催することが決定している。さらに、翌週の11月4日(金)・5日(土)には、番外編的な新イベント「(仮称)オーディオライブin蔵前」も開催。詳細は下記の通り。それぞれ公式サイトで参加申し込みを受け付けている。

■10月28日(金)
「魅惑の真空管オーディオを愉しむ会(仮)」
・時間:19:00 〜21:00
・会場:同社蔵前ショールーム

■10月29日(土)
「音楽家が奏でるAudio再生とは?」
・時間:14:00 〜16:30
・会場:千葉県市川市 コンサートサロン「レゾナンス」

■11月4日(金)19:00〜21:00
■11月5日(土)13:00〜15:00
「オーディオにおけるチューニングの世界 そのI −オーディオケーブルとオーディオボード−」
・会場:同社蔵前ショールーム

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