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【特別企画】音楽専門防音会社・アコースティックラボによる試聴会をレポート

音がいいのは縦長/横長どっちの部屋? 比較試聴できる「アコースティックオーディオフォーラム」に記者が潜入!

公開日 2016/10/24 10:49 編集部:小野佳希
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■オーディオルームは縦長配置のほうがいい? 横長配置のほうがいい?


インシュレーターやオーディオボードなどのアクセサリーの存在に代表されるように、「オーディオ機器の置き方」は音質を左右する大きな要素。スピーカーの設置位置をミリ単位で調整しているような人もいることだろう。

だが、もっと大きな視点から見てみると「そもそも部屋を縦方向に利用するべきか、横方向で利用するべきか」という判断ポイントも存在する。それによってオーディオ機器と自分の距離が変わるだけでなく、オーディオ機器と壁などとの距離が変わり、反射音などの影響も変わってくるからだ。

では、この問いに“正解”はあるのだろうか? それを実際に体感できるイベントが過日に開催された。防音工事会社のアコースティックラボによる試聴会「第33回Acoustic Audio Forum」だ。

当日のデモに用いられたシステム

オーディオファン向けの物件だけでなく、プロのミュージシャンやエンジニアが利用する音楽スタジオの防音も数多く手がける“音楽専門防音会社”である同社のイベントに、編集部記者が潜入した。

■同一の部屋・同一機器・同一楽曲で比較試聴

会場となったのは同社のショールーム「蔵前ヴィレッジ」。同社が長年培ってきたノウハウをつぎ込んで数ヶ月前にオープンしたばかりの新しい試聴室だ。響きをやや長めにとった、いわゆるライブな響きの部屋で、実際に音出しデモを体験してみると、ピュアオーディオの再生には特に適していることを実感させられる。

蔵前の新試聴室は以前にメインで使用していた九段ショールームよりもやや正方形に近い長方形

当日は、まず縦長配置で音出しを行った後に、機器を移動して横長配置で再び音出しするという試みを実施。もちろん、同じ部屋、まったく同じ機器で同じ曲を再生しているため、部屋をどう使うかの差を純粋に比べることができるという寸法だ。

スピーカー等を動かして部屋を縦型配置/横型配置で使用した際の音を比較試聴

また、縦長の場合と横長の場合で、再生音の周波数特性がどう変わったかなどの測定データも紹介。体感という、たんなる感覚だけで終わらないのが本イベントの特徴でもある。

当たり前だが縦長配置と横長配置では周波数特性が異なってくる

イベントの司会を務めた同社の鈴木社長は、「横長配置がよいと最近言われているが、個人の方が自分の家ではなかなか試しにくいだろうということで今回のテーマを企画した」とコメント。

アコースティックラボ 鈴木氏

また、部屋を横長に使った場合の特徴として「リスニングポイントスピーカーとの距離が近くなり、ニアフィールドリスニング的になる」「間接音に比べて直接音の比率が大きくなる」「間接音による音の包まれ方のパターンが横長配置の場合と大きく異なる」という3点が挙げられると説明。一般的には縦長配置が多いかもしれないが、近年になって横長配置が良いと言われるようになってきている背景には、こうした理由があることを紹介する。

横長配置のほうがスピーカーに近くなるため直接音を聴く比率が高まる

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