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フル対応の薄型AVアンプ

多彩なソースの“ハブ”。マランツ薄型AVアンプ「NR1607」のリビング対応度をチェック

公開日 2016/08/24 11:54 折原一也
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BD再生で改めて実感するサラウンドでしか味わえない臨場感

AVアンプで楽しめるソースが多岐にわたるとは言え、購入して真っ先に楽しみたいのは本流のホームシアターだろう。そこで、まずは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のBDソフトから体験してみた。試聴は音元出版の試聴室で行い、5.1chスピーカーシステムを組み合わせた。

映画ソースの再現を確認するべく今回じっくり視聴したのは、レイとフィンが初めて顔を合わせたところ。帝国からの襲撃を受け、ミレニアム・ファルコンに乗り込みTIEファイターによる追撃を打ち払うシークエンスだ。

音元出版の試聴室にモニターオーディオのSilverシリーズで5.1chを組み、サラウンドの再現力を確認

IMAX用のカメラで撮影したことでも知られていて、筆者自身も公開直後に劇場でその迫力を体験してきたのだが、NR1607で視聴するとまず劇場さながらのスケール感に驚かされる。上空からレーザー・キャノンで攻撃を受ける際の移動感や着弾点との距離感もしっかりと体験できる。ポーのスターシップが炎上するシーンでは、その炎のゆらめきも音で感じ取れるほどだ。サブウーファーによって厚みを増した音場に包まれることも気持ちよく、AVアンプと5.1chスピーカーの組み合わせだからこそ可能な、映画館を彷彿させる音響を体験させてくれた。

Netflixと組み合わせれば、高品位サラウンド映像が楽しみ放題!

こうした優れたサラウンド再生能力が活かせるのは、何もBDソフトだけではない。テレビでも、映画やスポーツ中継をはじめ5.1chサラウンド放送は盛んだ。さらに「Netflix」や「Amazonビデオ」などの映像ストリーミングサービスで提供されているサラウンドコンテンツを、AVアンプを使って楽しむことをぜひオススメしたい。

昨年から日本でのサービスを開始した、海外発の定額見放題ストリーミングサービスである「Netflix」と「Amazonビデオ」。各サービスで提供されている映画や海外ドラマには、5.1chサラウンドで配信されている作品が少なくない。

NRTFLIXのオリジナルドラマ「MARCO POLO」の配信画面。4K/5.1chで配信されていることが表示から確認できる

なかでも注目なのは「Netflix」「Amazonビデオ」がそれぞれオリジナルで制作しているドラマシリーズ。これらは巨額の予算が投じられていて、テレビ放送でもまずない全篇4K+サラウンドという作品も用意されているのだ。

これらのストリーミングをAVアンプで楽しむ方法はいくつかあるが、今回はNetflixやAmazonビデオに対応した視聴端末「Amazon Fire TV」を、HDMI端子経由でNR1607と接続する方法を用いた。映像と音声はHDMIケーブルで伝送され、サラウンド再生も楽しむことができる。

今回の取材で特にじっくり視聴したのが、Netflixオリジナル作品の『マルコ・ポーロ』だ。個人的に全話視聴済みなのだが、かの有名な紀行家であるマルコ・ポーロを主人公にモンゴル帝国の興隆を描く歴史大作ドラマで、全話が4K/5.1chサラウンドで配信されている。

4K出力にも対応するAmazon Fire TV

シーズン1のクライマックス、フビライ・ハンの率いるモンゴル軍がマルコ・ポーロの手による投石器により南宋に攻め入るシーンでは、騎馬兵の足音の重厚な響きと合戦の喧騒、刃物で渡り合う音のキレある響きが5.1chスピーカーによって部屋いっぱいに展開する。南宋軍が銃で発砲するシーンのリアルな移動感と音の抜けの良さにも驚かされた。音を精緻に鳴らし分けることができるNR1607で本作を見ると、Netflixのオリジナル作品が、映画作品と肩を並べるクオリティーで音響まで作り込まれていることを改めて実感できる。こうしたコンテンツをテレビのスピーカーで楽しむなんてもったいない限り。しかも、月額定額で見放題なのだから、これはAVアンプを導入する甲斐があるというものだ。

ゲーム×AVアンプで体感する、映画よりリアル?な360度空間

サラウンド収録のコンテンツを楽しむ上で忘れてならないのが、ゲームだ。据え置きゲーム機の作品における作り込まれたサウンドは、サラウンドでこそ、そのポテンシャルを発揮する。実際、ゲームのために本格的なサラウンド環境を導入するユーザーも多いと聞く。

筆者がサラウンド環境の音質確認にいつも用いているのが、PS4向けゲームの『The Last of Us Remastered』だ。謎の寄生菌によるパンデミックが発生して荒廃した世界が舞台のサバイバルアクションゲームなのだが、映画のように作り込まれたドラマチックなストーリーは、主人公のジョエルの声を務める山寺宏一氏の渋いボイスもあって、ゲーマーならずとも引き込まれる。発売からすでに時間がたった作品だが、サラウンド音声の作り込みは今聞いても素晴らしい。

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