フルサイズ筺体のバランス駆動対応

【レビュー】あの銘機の開発者が設計。新星ブランドConclusionのヘッドホンアンプ「C-HA1」

岩井 喬

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2015年08月18日
アンバランス駆動とバランス駆動、それぞれのサウンドを確認

今回、試聴機を貸し出して頂き、自宅環境にてチェックを行わせて頂いた。入力ソースにはラックスマンのUSB-DAC「DA-06」を用い、ヘッドホンにはシュア「SRH1840」とゼンハイザー「HD800」を用意した。両機のヘッドホン接続ケーブルはアンバランス、バランス駆動とも、アコースティックリヴァイブ製リケーブルを使用している。なおBTLスピーカーモニター機能については日程の都合もあり、推奨スペックのスピーカーが準備できなかったため、今回の試聴では割愛させていただいた。

SRH1840

HD800

出力インピーダンスセレクターは両ヘッドホンとも部類としてはハイインピーダンスなモデルとなるので、Directを選択。アンバランス駆動とバランス駆動、それぞれのサウンドを確認するべくDA-06との接続はXLRバランスとRCAアンバランスの両方を繋ぎ、バランス駆動時はXLR-XLR、アンバランス駆動時はRCA-Jack1,2の入力モードを使い、ダイレクト伝送状態での試聴を実施した。

DA-06

まずSRH1840でのアンバランス駆動についてであるが、ストレートな音色で解像度が高く、素直で自然なサウンドを聴かせてくれる。音場の表現もシームレスでS/Nも高い。付帯感なくナチュラルで、音像の密度感も十分だ。SRH1840の持ち味であるニュートラルなバランスをそのまま反映させているようで、音離れ良くリアルなサウンドとなっている。

クラシックでは管弦楽器の旋律がほぐれ良く展開。ローエンドは引き締まり、ホールトーンの余韻も非常に細やか。アタック&リリースの反応も速く、鮮度の良い音像が滑らかに浮かび上がる。ハイレゾ音源ではより密度の高いウェットで艶やかな質感として描き出す。

ジャズにおいてはローエンドまで響き良く存在感のあるピアノの澄んだアタックと、弾力良くリアルな弦のディティールを丁寧に拾い上げるウッドベースがとても生々しい。ドラムの胴鳴りも程よい厚みを持ち、アタックもキレ良い。弦楽器のハーモニクスも深く響き、安定感の高さがうかがえる。ボーカル表現については密度高くナチュラルなタッチで描かれ、口元の動きは潤い良く落ち着いた雰囲気が漂う。

オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』(CDリッピング:44.1kHz/16bit)

DSD音源では躍動感ある演奏とクリアで瑞々しい楽器のディティール、ボーカルの有機的な存在感とウェットな口元の艶のリアルさが際立つ。ロックはキレ良くタイトなリズム隊を中心にハードタッチな傾向だ。

ここでケーブルを交換し、バランス駆動でのサウンドも確認してみる。こちらは全体的に音像の厚みが出て重心が低くまとまり、安定度が高まる印象だ。ドラムやベース帯域の密度が上がり、楽器の質感もよりスムーズに描かれる。音場の広がりやセパレーションも向上し、オーケストラの余韻の階調も一層きめ細やかさが増す。管弦楽器の音キレの良い浮き立ちはスピード感に溢れ、ハーモニーの分解能も高い。音の立ち上がり、立下りもスムーズで、アンバランス駆動時と比較し、サウンドステージを一歩引いた位置から伺うような広がり感を優先した音場傾向となるようだ。

ハイレゾ音源では一際S/N良く滑らかで、ウェットな艶を持つホールトーンを存分に堪能できる。余韻の収束も早く、澄んだ空間表現に加え、ナチュラルかつ素直なディティール描写力により付帯感のないリアルな音世界が展開。ジャズ音源でも音数が増したような印象で楽器の立体感も高く、ウッドベースの胴鳴りの太さやピアノのローエンドの豊かな響きも重心が下がっている。曖昧さのない切れ味よいタッチと優しい描写が同居する、バランス良い有機的な音色を聴かせてくれた。

『飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート 2013』(96kHz/24bit)

DSD音源ではよりボーカルの肉付き感が高まり、清涼な口元の艶がクールである。分離良く質感描写も極めてスムーズで落ち着きのある豊潤なサウンドだ。両駆動方式とも非常にSRH1840とマッチしており、30万円クラスのハイエンドヘッドホンアンプと比較しても全く見劣りしないサウンドクオリティを持っている。

続いて「HD800」で試聴

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