フルサイズ筺体のバランス駆動対応

【レビュー】あの銘機の開発者が設計。新星ブランドConclusionのヘッドホンアンプ「C-HA1」

岩井 喬

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2015年08月18日
Conclusionのブランド背景

Conclusion(コンクルージョン)というブランドをご存じだろうか。専門店を含め、実際の店舗での販売はされていないので、初めてその存在を知るという方も少なくないだろう。


英語で“結論”を意味するConclusionはCSデジタルラジオ放送「ミュージックバード」の受信チューナー「C-T1CS」やヴィンテージ品を含むオーディオ機器の修理を手掛ける、港北ネットワークサービスが擁するオリジナルオーディオ製品向けブランドネームである。

港北ネットワークサービスにはかつて大手オーディオメーカーや大手電機メーカーのオーディオ部門に勤務し、名だたる傑作機の数々を手掛けた経歴を持つ技術者が結集している。大手時代では作れなかったような逸品をエンジニアたちがそれぞれの“結論”として企画、設計し、リリースしていくという想いがその名に込められているという。

またブランドロゴは90度傾けると音符の形になっており、常に頭をひねり、音のことを考える姿勢を持ち続けるという意思表示の表れでもあるとのこと。そうした姿勢の中で大事なポイントとしているのが一般的なユーザーが購入できる価格帯に収めて設計するという点にあるそうだ。これは長年オーディオブランドに勤務する中で様々な製品を見てきた技術者たちの共通認識であるという。

ゆえに通常、製品を市場に流通させるために設定するマージンコストをも製品の物量に投資できるよう、Conclusion製品の多くは直販体制を敷いている。店舗での販売も重要ではあるが、それ以上に奏でようとするサウンドが製品コスト以外の部分が影響して実現できないことの方が問題であるという判断だ。だからこそ、製品をじっくり各ユーザーの環境で聞いてもらえるよう試聴機貸出サービスも実施しているのである。

ヘッドホンアンプ「C-HA1」

前述したC-T1CSに続く、Conclusionの新たな“結論”たるニュープロダクトはフルサイズ筺体のバランス駆動対応ヘッドホンアンプ「C-HA1」だ。Conclusion製品は企画から基本の回路設計までを一人の技術者が担当するそうで、基本的な開発には1年以上の歳月がかかっているという。

ヘッドホンアンプ「C-HA1」¥200,000(税込・送料無料)

このC-HA1では構想から3年、開発に着手してから1年をかけ、完成に至ったとのこと。担当した技術者は、伝説となっているNECのプリメインアンプの銘機「A-10」シリーズの開発に携わったベテラン技術者である。

開発に当たってのコンセプトとしては圧倒的なダイナミックレンジと、大音量でも揺るぎないピンポイントの音像定位を実現できることに主眼を置いた、ヘッドホンの実力を引き出す究極のバランス駆動対応ヘッドホンアンプを目指したとのこと。それゆえに技術革新のスピードが速いDAC部はあえて搭載しない、純然たる理想のアナログヘッドホンアンプとして仕上げられた。

内部構成

C-HA1の概要としては、ステレオBTL・4chパワーアンプを内蔵し、各々個別のアンプで駆動される2口のロック機構付き標準TRSジャック・アンバランス出力とXLR3ピン接続によるバランス出力を搭載。またヘッドホンアンプとしては強力な出力段を持っていることもあり、ヘッドホンでは確認しにくい位相チェックなどにも役立てられるBTLスピーカー出力も装備している。入力はRCAアンバランス、XLRバランス両方に対応しており、信号経路の切り替えには音質劣化の少ない小型リレー接点を用いたという。

ヘッドホン出力端子

背面端子部

そして独立したバランス/アンバランス変換のコンバートアンプを用意しているので、バランス入力を変換してアンバランス出力にする、もしくは逆にアンバランス入力をバランス駆動出力に変換できる。本機の場合、この変換プロセスが一目でわかる入力−出力の相関型セレクターを設けており、フルバランス伝送のXLR-XLR、変換を行うXLR-Jack1,2とRCA-XLR、終始アンバランス伝送となるRCA- Jack1,2の4段階から選択が可能だ(XLR-XLRとRCA- Jack1,2はコンバートアンプを通らないダイレクト伝送となる)。

セレクターが設けられている

出力インピーダンスセレクターも用意

さらにインピーダンスが多岐にわたるヘッドホンの世界に対応できるよう、出力インピーダンスセレクターも用意されており、出力段に設けられた保護リレーを通過した後に32Ωの抵抗を加えるか、または16Ω(32Ω×2の並列接続)の抵抗を加えるか、あるいは抵抗を介さずダイレクトに出力するかの3段階から選択できるようになっている。

加えて安定度の高い3点支持方式のインシュレーターを備えるほか、ACインレットにも金メッキ仕様の上級品を採用。音質へのこだわりはもちろん、使い勝手や発展性も考慮した万能型の据え置き型ヘッドホンアンプといえるだろう。

3点支持方式のインシュレーターを備える

「C-HA1」に搭載されている技術とは?

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