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<山本敦のAV進化論 第60回>

レコード再生をTEAC「TN-350」で手軽に始める - セッティング方法からPC録音まで実践

2015/06/26 山本 敦
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単品の製品もあれば、中上位クラスの単体オーディオアンプやAVアンプには内蔵されていることもある。ティアックのTN-350はプレーヤーの側にフォノイコライザーアンプが内蔵されているので、比較的入門クラスのアンプ製品との組み合わせの自由度が高いという所にも注目したい。

トーンアームの水平バランスや針圧を調整する。やり方は全部同梱されているマニュアルに載っているので、セッティング時にそれほど苦労することはないと思う

もう一つの特徴は本体で再生したアナログレコードの音を、USB経由で出力してパソコンを使ってデジタルファイルに変換できる機能も付いている。例えば中古レコードのレアな音源をデジタル化して、家ではレコード、外出先ではポータブルオーディオプレーヤーを使って聴くといった楽しみ方ができる。

プレーヤーの背面にUSB端子が設けられている

キャビネットは天然木突き板に多層塗りをかけた美しい光沢仕上げ。コア材には高密度MDFを使っているので、しっかりと剛性も高く振動にも強い。カラバリは深いチェリーと明るいナチュラルの2色で、部屋の模様をさりげなく彩ってくれる。直販サイトで52,000円(税抜)と、アナログレコード再生の入門向けとしては高すぎないが、安くもない価格。でも、本格的な再生品質と多機能を追求したレコードプレーヤーなのだから、ここは思い切って自分のために投資する価値はありそうだ。


■コンポなどの一体型セットシステムにつないで聴く

アンプとスピーカーをバラで揃えるよりは、いわゆるミニコンポなどのような一体型のセットシステムと組み合わせればより経済的ではないだろうか。もし既にお持ちのシステムがあれば、TN-350のアナログオーディオ出力から赤白のケーブルを引き出して、セットシステムの外部入力端子につないでやればアナログレコード再生の環境はスタンバイOKだ。先述の通り、TN-350は本体にフォノイコライザーアンプが内蔵されているので、大抵のシステムにそのままつないで十分な音量が得られるのがポイントだ。

ティアックのHR-S101を組み合わせて聴いてみた

今回は同じティアックから発売されてる一体型セットシステムの「HR-S101」にTN-350をつないでみた。HR-S101はCDなどディスクプレーヤーの機能は別途になるが、192kHz/24bitのUSB-DACやBluetoothワイヤレス再生機能も内蔵するマルチソース対応のシステムだ。スピーカーは手のひらに乗せられるほどコンパクトながら、20mmソフトドームトゥイーターと70mmウーファーによる2ウェイ構成できめ細かく迫力あるサウンドを再現。上質な光沢塗装のウッドキャビネットがアナログプレーヤーにもマッチする。

アナログプレーヤーの背面にはアナログRCA出力を搭載

HR-S101のセンターユニットに設けられているアナログオーディオ入力は3.5mmのステレオミニジャック1基なので、TN-350からのRCAステレオ出力は変換アダプター、または変換ケーブルを別途用意しなければならないが、接続自体は非常に簡単だ。

トーンアームのバランス調整を済ませた後、ターンテーブルの上にレコードを置いて回転数を選び、回転ツマミを「START」の位置に回す。再生はマニュアル式なので、トーンアームをレコードの再生位置にまで持っていって、リフターレバーでアームを下げ、盤の上に針を落としてゆっくりと音楽を聴きはじめる。曲は中島美嘉と葉加瀬太郎がコラボした「朧月夜〜祈り」。ボーカルは伸び伸びとした声の艶が自然に現れ、バイオリンも生演奏に近い質感が伝わってくる。

■PC経由でUSBスピーカーにつないで聴く

もうひとつの方法として、TN-350からのUSBデジタル出力をPCに送り込んでUSBスピーカーで音を鳴らしてみた。TN-350にはテキサス・インスツルメンツ製のADコンバーターが内蔵されており、本体でアナログレコードの音をリアルタイムに48kHz/16bitのPCMデジタル信号に変換してUSB経由で出力することもできる。今回はWindows 8の環境で実践した接続・再生の軌跡を記録しておこう。

HR-S101のセンターユニット。USBや光デジタル入力、Bluetoothなど多彩な入力ソースに対応する

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