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<山本敦のAV進化論 第42回>人気ヘッドホンとの相性もチェック

ウォークマン新旧フラグシップガチンコ対決!「NW-ZX2」&「NW-ZX1」を聴く

2015/02/04 山本 敦
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ただしLDACもロッシーなコーデックなので、音質は元の音源から欠落してしまう。なぜなら、ロスレスで送るためには96kHz/24bitでは4.5Mbps相当のデータ量を伝送できなければならないが、これを1Mbps程度のビットレートに圧縮する際、非可逆の圧縮方式を採らざるを得ないからだ。それでもLDACでは限られた1Mbpsの中で最大限の高音質を引き出せるコーデック設計としている。

LDACの再生品質は「音質優先/990kbps」「標準/660kbps」「接続優先/330kbps」の3種を用意

同じLDACに対応するレシーバー機器の側でデコードすれば、ビット深度と周波数は維持したまま、従来よりも一段と高音質なワイヤレスサウンドを楽しめる。送り出し側のプレーヤーはZX2をはじめ、4月にアップデート対応が発表されたウォークマン「Aシリーズ」が加わる予定(関連ニュース)。受け側は3月中旬にワイヤレススピーカー「SRS-X55」「SRS-X33」が国内で発売されることが明らかになったが(関連ニュース)、CESで発表されていたプレミアムヘッドホン「MDR-1ABT」(関連ニュース)などが、近くこれに続くことを期待したい。LDACの試聴レポートについてはまた別の機会にお届けしたいと思う。


■オーディオまわりで進化した「4つのポイント」

筐体まわりで高音質化が図られたポイントについては、「シャーシ」「電源の強化」「オーディオ信号線の最適化」「クロックの最適化」がキーワードになる。

写真から、ボディが見た目にもZX1より大きくなっているのがお分かりいただけるだろうか。ディスプレイは同じ4.0インチだが、縦方向にストレッチされ、厚みもかなりボリュームアップしている。

ディスプレイは同じ大きさなのに本体は長手方向に大きくなっている

厚みもややアップ。背面の凹凸の段差は少し浅くなっている

シャーシのマテリアルは低インピーダンス化を実現するため、フレームに総削り出しのアルミ材を使い、金メッキ処理の銅板を組み合わせたハイブリッド設計とした。

電源まわりでは、アンプに電力を供給するためのラインに電気二重層キャパシターを追加。瞬発力を高めながら、急激な電圧降下が防げることから、信号の出力の正確性も上げられるメリットがある。先述の大容量化されたバッテリーパックは電池保護回路をZX1の約1/2程度に低抵抗化したことで、電源の供給力を増大させている。

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