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【特別企画】人気ヘッドホン6モデルと組み合わせ試聴

ローランドの超小型USB-DAC/ヘッドホンアンプ「Mobile UA」のヘッドホン駆動力を探る!

公開日 2015/01/23 11:33 土方久明
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ローランド独自テクノロジー「S1LKi」とは

最大の特徴となるのは、Mobile UAのハイライトとなる技術である“スーパー・1ビット・リニア・キネティック"「S1LKi」(シルキー)。これは、ローランドが独自開発したカスタムチップにより、44.1kHzのフォーマットを一旦176.4kHz(48kHzの場合は192kHz)へアップサンプリングしたうえで、1bit信号へと変換する高音質化技術だ。このS1LKiの搭載により、どんな音源でも簡単に1bitの音が味わえる。また、Windows/Macの両環境でDSDネイティブ再生に対応すべく、DSDフォーマットの伝送方式にはDoP version 1.0を採用。5.6MHzは一度2.8MHzへダウンコンバートして変換する仕組みを採っているが、これは信号の変換精度を優先して採用されたものとのことだ。

ローランドの独自開発による変換技術「S1LKi」(シルキー)の概念図。DSPの内部で、全ての信号を2.8MHz/1bitとした上でDA変換する仕組みだ

Mobile UAでは再生品質を上げるために念入りに設計されたデジタル/アナログ回路部や、独立した専用ICを積んだ2系統あるヘッドホンアンプを搭載している点も大きな特徴だ。特にヘッドホンアンプは独立した回路構成となるので、かなりの大出力にも対応する。

Mobile UAの内部基板。アナログ回路に最適化した補間フィルターを構成する意味でもメリットのあるS1LKiを搭載したカスタムチップや、バスパワーでも強力な電源供給を可能とした電源部など、高品質なパーツがところ狭しと並ぶ

内部基板の裏面。名刺ほどのサイズの基板には、実に合理的なレイアウトがなされている。この開発能力もローランドたるものだ

Mobile UAを眺めていると「それにしても小型なボディによくここまで音質向上のための機能を搭載できたな」と感心する。Mobile UAは、大規模な開発リソースとUSBインターフェイスに対するノウハウを持つローランドでなくては製品化できなかったに違いない。

それでは実際にMobile UAと6種類のヘッドホンを組み合わせて、音を確認してみよう。

昨今のハイレゾブームにより、スタジオマスターと言われる、いままで制作関係者やアーティスト自身が現場でしか聴けなかった高音質な音源が手に入るようになった。制作現場でしか聴けなかった音がダイレクトに聴けるようになったのである。

製作現場でのプレイバックや音決めは、モニタースピーカーと共にヘッドホンが多用されているのはご承知の通り。だからこそ、私はアーティストがレコーディングで求めた音、マスタリングエンジニアの感性をそのまま聴けるのが、ヘッドホン・リスニング最大の長所だと思っている。音色を最終的に決めるのは、ヘッドホン本体の個性であって欲しい。USB-DAC/ヘッドホンアンプは、PCから送られる楽曲を、極端な色付けをしないで情報量豊かなまま変換し、そして正確にヘッドホンを駆動するべきであると思うのだ。

Mobile UAの動作には、Mac/Windowsともにドライバのインストールが必要。専用ドライバはローランドのウェブサイトからダウンロードできる

Mobile UAはWindows/Macどちらでも使用可能だが、いずれの場合も同社のウェブサイトから専用ドライバのインストールが必要となる。今回はMacBookPro (13インチ、mid 2012、OS:Yosemite)と、音質に定評のあるAudirvana Plus 2.0を組み合わせて使用した。OS上におけるMobile UAの基本的な設定等は、写真とそのキャプションを参照して欲しい。

ヘッドホンアンプとして使用する場合、再生までの基本的な手順は至って普通。再生ソフトの出力を「UA-M10」に設定すればOKだ。写真はAudirvana Plus 2.0の場合。「Native DSD Capabillity」を「DSD over PCM standard 1.0」にするのを忘れずに!

Windows環境では、ドライバをインストールすると「UA-M10 Driver」というアプリケーションが一緒にインストールされる。このアプリケーションではMobile UAのモードなどが設定可能。「デバイスの設定」をクリックすると、出力モードや目玉機能である「1bit」のON/OFFが設定できる


Mac環境の場合、「UA-M10 Driver」のショートカットは「システム環境設定」内のアイコンで表示される

こちらがMacでの「UA-M10」の設定画面。画面が違うものの、設定項目や基本的な操作はWindows環境と同一。ヘッドフォンアンプとして使用する場合の出力モードは「2channel」でOK

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