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【特別企画】人気ヘッドホン6モデルと組み合わせ試聴

ローランドの超小型USB-DAC/ヘッドホンアンプ「Mobile UA」のヘッドホン駆動力を探る!

公開日 2015/01/23 11:33 土方久明
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人気のヘッドホンと組み合わせたMobile UAの音をチェック!

●ソニー「MDR-1A」×Mobile UA


ソニー「MDR-1A」×Mobile UA
まずは、最近人気のヘッドホン、ソニーMDR-1Aとの組み合わせ。マイケル・ジャクソン 「エスケイプ」はバスドラムに迫力があり、高域から低域まで密度感も併せ持つ。音像定位も比較的良好で、価格以上の表現力だ。Suaraも低域に弾力感があり、総じてウェルバランス。Mobile UAのコントロールパネルにて「1bit」をONにすると、音に艶が増してさらに音楽性が上がる。これは、楽しく音楽が聴ける組み合わせだ。MDR-1Aのインピーダンスは24Ω(1kHz)と低いこともあり、どのジャンルの楽曲を聴いても駆動力は問題がない。PCから直結をすると、バスドラムが膨らみやすい傾向があるMDR-1Aだが、Mobile UAはしっかりと低域をコントロールしている。ストレートな音調と活動感がある音と合わせて、コストパフォーマンスが高い組み合わせといえるだろう。


●ソニー「MDR-Z1000」×Mobile UA


ソニー「MDR-Z1000」×Mobile UA
次も同じくソニーの人気モデル「MDR-Z1000」。2010年に発売されたモニタリング・ヘッドホンだ。モニター志向のヘッドホンとMobile UAとの相性はやはり抜群で、液晶ポリマーフィルム振動板を搭載した50mm広帯域ユニットからは、ストレートかつ情報量が豊かな音が発せられる。モニター志向同士の機器の組み合わせでありがちな無味さはなく、音楽の活動感はしっかりと併せ持っているのもポイントだろう。

類家心平の「4 AM」では、トランペットやピアノなどが恐ろしいほどリアルに聴こえ、Suaraのヴォーカルも音像がクッキリと浮かんでくる。ゲルギエフ&ロンドン交響楽団の「マーラー:交響曲第9番」では各楽器に立体感があり、音場の密度感や情報量は相当なもの。DSDネイティブ再生の良さを十分に感じさせる仕上がりだ。Mobile UAは、MDR-Z1000の持つ情報量や再生能力の高さをさらに高めてくれる印象だ。


●GRADO「RS1i」×Mobile UA


GRADO「RS1i」×Mobile UA
独特の魅力でカルト的な人気を誇る、GRADOの「RS1i」。Mobile UAとの組み合わせは、荒々しくも生々しいグラドの個性をそのまま表現する音調だ。マイルス・デイヴィス「カインド・オブ・ブルー」や類家心平「4 AM」などのジャズでは、唯一無二の個性を楽しめることができる。Mobile UAがストレートな音調なので、GRADOの持ち味であるサックスやトランペットを始めとする金管楽器のリアリティは特筆ものだ。

印象に残るのが、「1bit」をONにした時のサウンドで、RS1iの音楽性の高さと独自のDSP「S1LKi」による活動感が向上した音調によって、聴き手に猛烈に訴えかけてくる音が楽しめる。ジャズ以外のどのジャンルの楽曲を再生しても、音楽を楽しく聴ける仕上がりとなる。


●HiFiMAN「HE-560」×Mobile UA


HiFiMAN「HE-560」×Mobile UA
平面駆動型のヘッドホンを多く発売しているHiFiMANの最新ヘッドホン。情報量が豊かでクセのないMobile UAの組み合わせでは、平面駆動型の特徴であるスムーズで伸びやかな音を持つ「HE-560」の個性が十分に発揮される。

UNAMASレーベルからリリースされた「ザ・カルテット・フォー・シーズンズ」では、多重録音された弦楽器の音像が明快。また、ヴォーカルのSuaraでは、声のまろやかさと自然さが際立ち、音像も前方方向に自然に定位する。「1bit」をONにすると温度感が向上。クリアで透明感も高いHE-560の音調と上手くマッチする。これまでのHiFiMANのヘッドホンのなかでも鳴らしやすいと言われるHE-560だが、平面駆動型ということもあり鳴らしづらいのは確か。低音のダンピングや音量についてはギリギリといったところだが、音量を上げても滲み少なく駆動できるのは、さすがMobile UAといえるポイントだろう。


●ゼンハイザー「HD 800」×Mobile UA


ゼンハイザー「HD 800」×Mobile UA
高インピーダンス/高性能ヘッドホンの代名詞であるゼンハイザー「HD 800」。金額的にもインピーダンス的にも、少々バランスが悪い組み合わせなのは百も承知だが、Mobile UAの駆動力が予想以上であったため、その限界を確認する意味であえて試してみた。

各ジャンルの楽曲を再生すると、HD 800の特徴をそのまま出すような素直な表現力を見せる。ただし、駆動力についてはもう少し欲張りたいところ。本来であればHD800に組み合わせるヘッドホンアンプはMobile UAの3倍以上のコストのものが普通だ。とはいえ、mobile UAでは空間再現の広さや、臨場感の高さ、ヴォーカルのステージイメージなどHD 800の特徴をそのまま出してくる印象で、Mobile UAにリファレンス的な要素があることを改めて感じさせてくれた。


●ソニー「MDR-Z7」×Mobile UA


ソニー「MDR-Z7」×Mobile UA
最後に特に相性が良かったソニーのヘッドホンからもう一台、最新モデルの「MDR-Z7」と組み合わせた。クリアでヌケの良いサウンドでありながら、しっかりとした厚みのある音となる。

マイケル・ジャクソン「エスケイプ」では、φ70mmの大口径ドライバーから放たれるダイナミックなドラムがリズム良く鳴り、余裕さえ感じさせる。ここまで質感が高く表現できると、ポピュラー系はもちろんのこと、クラシックやジャズなどのアコースティック音源も満足に再生可能だ。ラトル&ベルリン・フィルの「シューマン:交響曲全集」では情報量がきめ細かく、オーケストラの音場の表現も優秀。MDR-Z7の長所をさらに生かすような印象だ。駆動力、音量についても問題はない。「1bit」をONにすると低域の厚みが増えて温度感が上がる。MDR-Z7そのものの低域の伸びは相当なものなので、あえて「1bit」をOFFにしてヘッドホンの個性をそのまま聴いても良いかもしれない。


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