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各入力、そしてラインナップとの音質差を比較

マランツ「NA8005」を山之内正が全方位レビュー

公開日 2014/07/04 11:00 山之内 正
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■専用アプリを用いての使い勝手を検証

本体のレスポンスと操作アプリ「Marantz Remote App」の使い勝手は初代のNA7004から格段の進歩を遂げている。曲の一覧表示を高速でスクロールさせてもストレスはなく、曲を選んでから実際に音が出るまでの時間差も大幅に短縮された。

専用アプリ「Marantz Remote App」の使い勝手を確かめた

プレイリストを作れるようになった点や再生時にファイル形式やサンプリング周波数を表示できるようになったことなど、細かい点で着実な進化を遂げている点も歓迎したい。また、ギャップレス再生についてはPCM音源だけでなくDSD音源でも不安なく動作し、非対応機に比べるとストレスが圧倒的に少ない。

さらなる使い勝手の向上を期待して、あえて注文も挙げておこう。まず、操作アプリを使った後に本体やリモコン側からの操作を受け付けてくれない点は不便に感じることがある。これは、どちらからも自由に操作できるように改善して欲しい点だ。また、プレイリストは毎回名前をつける操作が面倒に感じる場合もあるので、アルバム一覧や曲一覧の画面から常時登録できる方法も追加して欲しいと思う。それだけで日々の使い勝手が大きく向上するはずだ。

■最先端フォーマットをフルカバーした頼もしい存在

ディスクプレーヤーは10万円台半ばの価格帯に実力機がひしめき、マランツもSA-15S2やSA8005など人気モデルを揃えているが、なぜか同価格帯のネットワークプレーヤーは不在で、本格モデルの登場が待ち望まれていた。そこに登場した本機はまさに待望の製品であり、しかもDSD信号のネットワーク再生など、従来機種にはない機能も追加した強力な内容を身に付けている。

最新フォーマットをネットワーク再生、USB-DAC再生、USBメモリー再生のそれぞれから再生できるNA8005は、非常に頼もしい存在だ

この分野は進化のスピードが速く、音質は優れていても対応ファイルが限定されるなど、発売時期によって微妙な一長一短がある例が少なくない。一方、本機はUSB-DACも含めて最先端の仕様を満たしており、PCMとDSDどちらのフォーマットでも既存のハイレゾ音源をほぼ100%カバーしている。一台でネットオーディオとPCオーディオの両方をしっかり押さえておきたいリスナーにとって、本機ほど頼もしい存在はほかに見当たらないだろう。

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