マランツ「NA8005」モニターレポート:ヤンネM8さん「情報量が多くて低域までしっかり再現」

構成:ファイル・ウェブ編集部
2014年07月11日
マランツから登場したネットワークプレーヤー/USB-DAC「NA8005」を6月の発売日当日にファイル・ウェブの読者の方々にお届けして、実際に使ってみていただいた。オーディオファンの目には、NA8005はどのように映ったのだろうか?

トランスポートとして使ってみても
情報量が多く低音域もしっかり再現してくれました

ヤンネM8さん(20代・男性)

私の今のオーディオ環境は、ネットワークプレーヤーをトランスポートとして使って、デジタル出力をDAC兼プリアンプに接続するというシステムで、現状でも特に大きな不満があったわけではありませんでした。しかし、システムの中でネットワークプレーヤーだけがエントリーモデルということで「もう少し上のランクのモデルも検討したい、でもトランスポート用途でデジタル出力しか使わないし、買い換える必要は本当にあるのだろうか?」などと考えていました。そんなところに丁度、タイミング良くこのNA8005のモニター募集企画が目にとまり応募した次第です。まさか当たるとは!

ヤンネM8さんのオーディオシステム

スピーカーはクリプトン「KX-5」を使用

まずは操作性について。こちら基本的な動作は問題ありませんが、今後のアップデートに期待したいものもあります。元々、自分はマランツの公式操作アプリ「Marantz Remote App」の操作性が気に入っていて、現在使っている他社製ネットワークプレーヤーもマランツのアプリで操作していました。ネットワークプレーヤーの利点の一つは、CDをいちいち探す必要がないことだと思います。しかし、海外アーティストのアルファベット表記ならば順に並んでいるだけで簡単に探せるのですが、国内アーティストの漢字表記となると、あいうえお順で全てが完璧に並ばないことが多く、また並んでいたとしてもどうしても探しにくいものです。

Marantz Remote Appの使い勝手も気に入っているとのこと。写真はiPad版の画面

ですが、マランツのアプリはちゃんと検索機能があり、アーティスト名が当て字の場合でも、例えば「喜多村英梨」なら漢字の「英」の字を打ち込むだけで、「英」が含まれるアーティストの一覧がすぐに表示できるので、とても便利です(検索の速度はNASのスペックによります)。

ただひとつつ惜しい点は、公式アプリでは早送りに対応していないことです。他のアプリで操作をした場合は早送りが可能なので、この点だけは今後改善されることを望みます。

現状、確認した中で使いやすかったアプリは、AndroidならBubbleUPnP、iOSならplugplayer、kinsky等です。ただ、インターネットラジオ等の機能を使用したり、電源を切ったりすることは公式アプリからしかできないため、やはり公式アプリでの早送り対応を強く望みます。

同軸デジタル出力の音質については、正直トランスポートの違いでそこまで音変わるかなぁと懐疑的に思っていたのですが、音は結構明確に変わります。まず聴き慣れた手持ちのネットワークプレーヤーから聴いてみると、まあ悪くない音です。明瞭で押し出しの強い元気な音、全体的に音の歯切れが良く難点を上げるなら少し過剰に元気に鳴らし過ぎる印象です。

N8005もスピーカー再生については同軸デジタル出力でDACに送り込んで音質を確認したと

次にNA8005ですが、こちらは落ち着いた音ですね。全体的に手持ちのものよりも情報量が多く、少し音が奥から聴こえてくる印象です。かつ、いつも聴いてるデスメタル等ではわかり難かったのですが、ジャズ音源に切り替えてみると低音域の沈みこみがこちらのほうが良く、より艶っぽい音でサックスが鳴ってくれます。

どちらが良いかと言われると「絶対こっち!」と言えるほどの優劣まではないのですが、情報量が多く低音域の沈み込みがしっかりと出るNA8005のほうが好ましく感じます。手持ちのプレーヤーの元気で押し出しの強い音も好きなのですが、比べてしまうとどうも「あ、ここらへんの重低音が物足りない」「少し音が軽い」と思う場面があり、低音域のかなり低いところまでは再現しきれていないような印象がありました。

アナログRCAの音質については、スピーカー環境がDAC-9のプリ機能を使っているためreference18に直接繋ぐわけにもいかなかったので、Headroomのヘッドホンアンプ「cosmic」にGradoのヘッドホン「GS1000i」を繋いで確認しました。音の傾向としては中、低音に厚みがあり全体的に滑らかな音質です。ボーカル帯域に味のある音で、Mr.bigの「To be with you」等のバラードの音源をかけてみるとベースの音の厚み、そしてボーカル帯域の艶やかさについ聴き入ってしまいます。

アナログ出力の音質をヘッドホン&ヘッドホンアンプで試聴

こういった音質傾向においては、代わりに高音域等の帯域が曇ったりすることが多いと感じますが、NA8005は中、低音域に厚みがあると言っても無理に誇張した音ではなく、あくまで余裕のある音であり他の音域を邪魔することはありません。Nileの「sacrifice unto sebek」のような、かなり高速のテクニカルデスメタル等でも破綻することなく、しっかりとドラムの音数を追うことができます。

USB-DACの音質はfoobar2000からのWASAPI出力で確認しました。ネットワークでのでの再生よりも少し音が荒めに感じます。ただここはUSBケーブルはaudioquestの「forest」、ネットワークではLANハブとNA8005の間にAIM「NA3-R」を使用していたりと公平とは言い難く、単純比較ではありません。

ただ、少なくともおまけ機能のような音質ではなく、少し音が荒めに感じる以外はネットワーク再生との大差はありません。充分実用に耐えうる音質であると思います。ネットワーク再生メインで使うのならUSB-DAC機能なんているのか?と思われる方もいると思いますが、私のようにデスクトップオーディオの人には、パソコンで再生したテレビの音をUSB-DACから出してスピーカーから再生したりと、あると結構便利な機能だったりします。

最後に本体ヘッドホン出力の音質ですが、これが結構しっかりとした音質です。RCA出力からHeadroom「cosmic」を繋げた時よりも音に勢いがあり、一音一音がかなり主張してくる印象。少し音に荒っぽさを感じるところもありますが、駆動力も充分ありますし、なかなか優秀だと思います。さすがに別売りのヘッドホンアンプなんていらない、とまでは言いませんが、下手な低価格ヘッドホンアンプならば買う必要はないと思いました。

内蔵するヘッドホンアンプのクオリティーも十分と感じたという

NA8005、なかなか良い出来に感じました。アナログ出力はもちろん、なデジタル出力でも、音のちがいを実感できました。デジタル・アイソレーション・システムなど興味の惹かれる要素はありますし、価格は11万円とちょっとくらいの実売ですので、私のようにエントリー価格帯のモデルからのグレードアップを考えている方には最適な製品だと思います。これはお金貯めないといけないかもなぁ。。。



■使用システム
ネットワークプレーヤー:エントリークラス機
D/Aコンバーター兼プリアンプ:NUFORCE「DAC-9」
パワーアンプ:NUFORCE「reference 18」
スピーカーシステム:KRIPTON「KX-5」
NAS:I-O DATA「Rock Disk Next」

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