【特別企画】part.1:新4K対応BRAVIA 誕生の意義と製品特長

「VGP 2013 SUMMER 批評家大賞」受賞 ソニーの4K対応液晶TV「BRAVIA X9200Aシリーズ」実力徹底チェック

山之内 正
2013年05月30日

「VGP 2013 SUMMER 批評家大賞」を受賞したソニーの4K対応液晶テレビ「BRAVIA X9200Aシリーズ」。同製品の映像再生能力と音質を、VGP審査員でもある山之内正氏が、そして一般ユーザーが最も手軽に入手できる4Kネイティブコンテンツであるデジカメ写真の再生能力を、プロカメラマンの川村容一氏がチェックした。

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【Part.1】新4K対応ブラビア誕生の意義と技術的特長

【Part.2】レビュー:画質/音質を徹底チェック

【Part.3】レビュー:高精細写真を4Kで楽しむ

【Part.1】新4Kブラビア誕生の意義と技術的特長

ソニーから登場した4K対応液晶テレビ「BRAVIA X9200Aシリーズ」。精細度向上と同時に色再現力や音質など広範囲に品質を高め、テレビのステイタスを上げることがX9200Aシリーズに課せられた使命だ。55型と65型の4KパネルはフルHD比4倍の画素を有し、微細情報の再現力が格段に向上。1.5H程度の至近距離から見ても画素の存在が気にならず、なめらかで緻密なテクスチャーを再現する。


X9200Aシリーズ。「VGP 2013 SUMMER」において「批評家大賞」を受賞。65型と55型の2サイズをラインナップしている

上から見たところ
高精細パネルのメリットを生かす技術の要となるのが、アップスケーリングと超解像処理を担う「4K X-Reality PRO」だ。X9200Aシリーズでは既発売の4Kテレビ「KD-84X9000」よりも超解像処理の精度を上げ、データベース型複数枚処理の長所である復元性の高さがさらに上がっているという。アップスケーリングの対象は低解像度の映像信号からフルHDにおよび、超解像処理は4K信号にも適用される。BDや放送、ネット動画はもちろんのこと、コンテンツが登場したときには4Kネイティブ信号についてもさらなる品位向上が期待できるわけだ。


「KD-55/65X9200A」は「KD-84X9000」よりも超解像処理精度を向上





様々な種類のノイズ低減処理を行うことで高画質化する
色再現の改善は色域の拡大という本質的なアプローチによって実現する。X9200Aシリーズ、そしてフルHDモデルの最上位機W900Aシリーズという今回の新モデルから採用された最新の技術についてまず詳しく紹介することにしよう。

TRILUMINOS DISPLAY(トリルミナス(R)ディスプレイ)と名付けられた同技術の核心はバックライトシステムの光学的工夫に見出すことができる。米国QD Vision社が量子ドット技術を駆使して開発した「Color IQTM」技術を採用し、白色LEDを用いながらも従来の単色LEDバックライトでは実現できなかった広い色域を実現するというのが同技術の特長だ。

量子ドット技術とは特定の波長の光を別の波長に変換し、純度の高いRGBを再現する手法のことで、物理的な構造としては、微細な半導体粒子を含む樹脂をガラスのなかに封入し、LEDと組み合わせることによって成り立っている。

今回はバックライト自体はエッジ型を採用しているが、その光学特性は従来に比べて大きく進化していることに注目しておきたい。色域の拡大は一目でわかるほど効果が大きく、緑の鮮やかさ、赤の深み、エメラルドグリーンや青の純度の高い再現など、広い範囲で色域の広さを実感することができる。


トリルミナス(R)ディスプレイにより通常よりも色域を拡大。その効果は「一目でわかるほど大きい」(山之内氏)
トリルミナス(R)ディスプレイとX-Reality PROを組み合わせることで、微妙な色の違いを再現する能力を高めていることも重要なポイントだ。また、ソニーピクチャーズが海外で発売している「Mastered in 4K」ブルーレイソフトシリーズのように色域の広い色情報を記録した作品をX9200Aシリーズで表示すると、原画に忠実な深みのある色再現ができるようになる。

もちろん既存のコンテンツを見る場合にも広色域の長所を生かした鮮やかな色再現を楽しめるが、シーンセレクトで「シネマ」を選べば、ハイビジョン信号の色空間(BT.709)に切り替え、従来の見慣れた色調に戻すこともできる。作品の特徴や好みに応じて自由に使い分けられるだけでなく、おなじみの作品から新鮮な感動を引き出す楽しみもある。


画質調整メニュー。モードを選ぶだけでなく各項目をそれぞれ好みに調整可能。黒補正やガンマ補正などの詳細設定も可能
磁性流体スピーカーでクリアな音質を実現


音質改善技術の核心部分はスピーカーユニットの構造にある。ウーファーに磁性流体を採用することで振動板を保持するダンパーをなくし、振動板のリニアな動きを実現して、歪みを大幅に減らし、クリアな音色を実現できることが同技術のメリットだ。


磁性流体の採用により一般的なスピーカー(右)では必要なダンパーをなくすことに成功
すでにソニーのオーディオ製品に導入済みの技術だが、ユニットを露出させたグリルレス構造で正面中央部に配置することにより、従来のテレビ内蔵スピーカーとは一線を画す明瞭かつハイスピードな再生音を獲得。外見上もX9200Aシリーズに強い個性を与えることに成功している。


スピーカーはデザイン面でも大きなインパクトを与えている
そのほかにもテレビ用に最適化したS-Master方式のデジタルアンプや位相特性を帯域間で揃える「CLEAR PHASE」など、ソニーのオーディオ技術を数多く投入して音質改善に取り組んでいることは高く評価すべきだろう。


再生するコンテンツに合わせて音質モードも選択可能

イコライジングも可能
本シリーズは4K解像度を実現した次世代テレビに位置付けられる製品だが、BRAVIAのフラグシップとしてネットワークコンテンツの表示機能やスマホ/タブレットとの連携機能など、現代のテレビに要求される最先端の機能をフルに搭載しており、その点でも安心して導入することができる。


スマートフォン/タブレットをBRAVIAのリモコンとして利用可能などにするアプリ「TV SideView」などに対応。タブレット連携はAndroidはもちろんiOSにも対応
4Kに特化した特別な製品ではなく、地上波の受信やネット動画の再生など、日常的に接するコンテンツでも従来以上に画質の良さを実感できる製品として画質と機能を追い込んでいるため、フルHDテレビから無理なくステップアップして使いこなすことも難しくない。テレビの画面サイズアップと高画質化を一気に狙っているこだわり派にとって、有力な候補になり得る製品である。

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