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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第40回】PCOCC製造中止でこれからどうなる? ケーブルメーカー3社に突撃取材!

公開日 2013/03/29 10:19 高橋敦
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■アコースティック・リバイブの回答

まずはPCOCC-Aを(一般的な撚り線ではなく)単線で採用した製品が特徴的な、アコースティック・リバイブからの回答。ボリュームのある回答を頂いたのだが、要約という形で紹介させて頂きたい。



Q:現在の製品ラインナップにおけるPCOCC-Aの重要度は?
A:ラインナップする全てのケーブルの他、電源ボックス等の内部配線にも採用している。つまり導体を使用する製品の全てに採用しており、各製品のクオリティや音質を決める素材としての重要度は非常に高い。

PCOCC-Aを採用したIEEE1394ケーブル「FW-1.0TR-SF」

内部配線にPCOCC-Aを採用するLANターミネーター「RLT-1」


Q:それらの製品にPCOCC-Aを採用している理由は?
A:様々な導体を試してきた中で、素のPCOCCは音質的にハイ上がりで、アコースティック・リバイブの特徴である単線構造で利用すると、素材の鳴きによるピーク感の発生が避けられなかった。しかし古河電工からその後新たに提案されたPCOCC-Aではその問題がなく、むしろ非常に低重心で高密度で厚みのある低歪みで純度の高い音質であったため、採用を決めた。


Q:PCOCC-A採用製品の今後の生産の見通しは?
A:古河電工がPCOCC-Aの発注を受け付けている間に、今後1年半から2年後まで持つ程度の在庫を発注する予定。しかし他の業者からも大量の発注がかかっているとのことで、希望の発注分を確保できるかは現在のところ不明。その状況次第では近日に生産完了とせざるを得ない製品が多数出る可能性もある。


Q:今後の製品開発への影響は?
A:現在、海外も含め、PCOCC-Aと同等以上となる素材を探している段階。製法なども含めて、良質な導体の開発ができるかを検討中。しかしPCOCC-Aよりも良質な素材を発見、または開発できなかった場合は、ブランドのポリシーとしてグレードダウンをするわけにはいかないため、ケーブルや電源関係など導体を使用した製品の販売について、全て中止せざるを得なくなる。



アコースティック・リバイブはPCOCC-Aの可能性に早くから着目してそれを引き出してきたブランドだけに、その重要度は高く、製造販売停止の影響も大きそうだ。しかしすでに新たな導体を見つけるべく動き始めているとのことなので、首尾よく進むことを願いたい。

またまだ不確定ではあるが、今後1年半〜2年分程度の製品供給をまかなえるだけのPCOCC-Aをストックする予定とのことで、同社の現行製品が当面は維持されるというのは、せめてもの朗報だ。

次ページ続いてサエクの回答。今後への影響も見ながら、当面は着実に対応

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