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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第10回】DSD、当面どうする? − LPCM/FLAC変換で楽しむ“コツ”を伝授

2012/07/20 高橋敦
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■DSD音源ファイル − 対応機器に手が出せない僕は、当面こう楽しむ

いま、DSDが熱い! リニアPCMに対し音質面で優位とされながら、SACDに採用されているほかには活躍の場がなかった、不遇の方式。それが高音質音楽配信の時代になって息を吹き返してきた。e-onkyo musicやOTOTOYなどの高音質音楽配信サイトで、DSDファイルでの配信が実施され、好評を博しているのだ。

さらに、PCで再生するDSDデータを生のまま受け取って処理するDSDネイティブ対応DACの伝送規格の標準化が進み(DSD Over PCM、略記DoPが主流になりそう?)、市場に対応製品が登場しつつある。それらを使えばDSDの実力を完全に発揮した「真・DSDの音」を聴くことができるのだ!

ヘッドホン祭りでファームウェアアップデートによるDoP対応をデモしていたFOSTEX HP-A8

…いや、それはつまり逆に言えば、DSDネイティブ対応DACを新たに用意しないと、DSDの真価は味わえないということなのだが。

しかも現状ではDSD対応DACの選択肢は極めて少なく、さらにその多くは高価だ。DSDの弱点は、現段階ではまさにこの点にある。

でもちょっと待った! ネイティブ再生じゃなくても、DSDファイルを“とりあえず”再生することはできる。なので僕は、DSDでも配信されている作品については、せっかくだからDSD版を購入する(あとでDSD版を買い直すのはもったいないし…貧乏性です)。そうやって、いずれDSDネイティブ再生対応機器が手頃になるのをのんびり待ちつつ、当面は次善の再生方法で楽しもうではないか。

というわけで今回はその次善策として、DSDファイルをリニアPCMに変換して楽しむ方法を紹介していく。僕の経験則では、特にDSDでレコーディングされている音源は、リニアPCMに変換しても「これがDSDの音か…」というような独特の感触を残す。それを十分に味わえるはずだ。

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