[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第5回】USBヘッドホンアンプの最小形? HRT「Head Streamer」の実力をチェック

高橋敦

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2012年06月14日
■極度にシンプルで十分にハイクオリティ。USBヘッドホンアンプの最小形!

ライターの自分にとって、ヘッドホンの取材・執筆における必須アイテムといえばヘッドホンアンプだ。ヘッドホンの「真の実力」をちゃんと引き出した上で評価しないことには、仕事としてお話にならないからだ。そのようなわけで僕は仕事柄(半分は趣味だが)、ヘッドホンアンプには常に注目している。個人的に特に注目しているのは「安い・小さい・USB」なヘッドホンアンプだ。

「安い」「小さい」に注目する理由については、僕個人の懐事情とデスク上の空きスペースという個人的な問題が大きいが、賛同してくれる方も多いのではないか。安くて小さいにこしたことはないだろう。「USB」については、いまやそれが主流と言える。PCを再生ソースとしてPCとUSB接続して使うタイプの、USB-DAC機能一体型ヘッドホンアンプのことだ。

さてそんな「安い・小さい・USB」なヘッドホンアンプに注目する僕が最近「いいかも」と思わされた新製品、それがHRTの「Head Streamer」だ。

Head Streamer

■早速「安い」「小さい」を実現

値段は定価で2万7300円。いきなり「いやそれ俺の使ってるヘッドホン本体より高いじゃねーか」とのツッコミも出そうな気がする。しかしこれ、詳細な仕様については後述するが、ハイレゾに対応するハイクオリティなヘッドホンアンプとしては、かなり買い得感のある値段なのだ。

また逆に「俺の使ってるヘッドホンと同じくらいの値段だな」という方には、それこそおすすめしたい。もしその価格帯のヘッドホンを使っていてヘッドホンアンプを使っていないのであれば、もったいない。ヘッドホンの真の実力を発揮できていない可能性が高い。

「俺の使ってるヘッドホンよりは安いな」というレベルの方は。すでにヘッドホンアンプもしっかりと選び込んでお持ちであろう(釈迦に説法、すみませんでした)。

続けて、筐体の小ささを紹介したい。数値で言うと74W×26H×61Dmm。トランプケース程度の大きさしかないコンパクトなサイズを実現している。デスク上で邪魔になることはないだろう。

MacBook Air 11インチのトラックパッドの上に載せてみた。余裕で収まる

iTunes Cardとの比較。面積的にはだいたい同じ

■96/24、88.2kHzにも対応 −「USB」も優秀

USB-DAC部分の性能も文句なしだ。

サンプリング周波数96kHz、量子化ビット数24bitに対応。ハイレゾ配信の主流である96kHz/24bitファイルを、そのスペックを損なうことなく再生できる。

さらに細かいところだが、88.2kHzにもしっかり対応している。実はUSB-DACの中には「96kHz対応だけれど88.2kHzの再生には対応しない」という製品もある。しかしハイレゾ配信作品の中には88.2kHzのものもある。それを問題なく再生できることは、地味に優秀なポイントである。

mini-BタイプのUSB端子の下に「asynchronus USB」の文字。再生中のサンプリング周波数を明快に示すLEDには「88k2」の表示もある。ヘッドホン端子はステレオミニ

USBによる音声データの伝送方式はアシンクロナス方式を採用。伝送処理の動作基準をPC側のクロックとせず、本機側の、より精度の高いクロックを動作基準とする。それによって、デジタルオーディオ伝送において音質損失の要因となるクロックの揺らぎ=ジッターを低減している。

■「USB入力」+「ヘッドホン出力」だけのシンプル仕様!

そして大きな特徴は、その極度のシンプルさだ。入力はUSBのみで、出力はヘッドホンのみ。「ヘッドホンアンプとしても単体USB-DACとしても使えます」的な幅広さはない。

またボリュームノブが用意されておらず、ボリュームは再生に使っているソフトからコントロールする形式。正直、ささっと操作するには不便ではある。しかしこのように極端にシンプル化することで、低コスト化とハイクオリティを両立したものと思われる。

Macの再生ソフト「Decibel」の場合、左下のボリュームアイコンをクリックして「Device Volume」でボリューム調整

では、音を出して実力をチェックしてみよう。組み合わせるヘッドホンは、アンプの駆動力を要求するSHURE「SRH1840」だ。

待望の音質チェック! シンプルでコンパクトな筐体が持つ実力とは?

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