ヘッドホン・イヤホン特集 Part1

【レビュー】「驚異的なコストパフォーマンスを誇るサウンド」 − ソニーの開放型ヘッドホン「MDR-MA900」を聴く

岩井喬

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2012年04月17日

■オープンエア型ヘッドホンの最新進化形、登場!

ソニーのヘッドホンといえば「MDR-CD900ST」や最新のトップモデル「MDR-Z1000」などの密閉型モニターシリーズを思い浮かべる方も多いだろうが、オープンエア型ヘッドホンにおいてもエポックメイキングな製品をこれまでにいくつも世に送り出してきた。その頂点ともいえるモデルがSACD再生に対応するべく120kHzまでの広帯域再生を実現させたクオリアシリーズの「Q010-MDR1」であり、その技術を継承した「MDR-SA5000」をトップに据えるSAシリーズもまたソニーのオープンエア型に対する姿勢を強くアピールする名機であった。

MDR-SA5000

そして2012年春、これらHi-Fi系モデルの流れを汲みながらもPCを核としたマルチメディア再生への新たなニーズに応える新ラインアップ、「MAシリーズ」が誕生し、発表早々大きな話題となっている。

MAシリーズの最上位となる「MDR-MA900」

このMAシリーズはこれまでのどのシリーズにも属さない新しいスタイルを持つオープンエア型ヘッドホンのラインナップとなっている。

MAシリーズは「Multimedia Audio」の頭文字から命名されている通り、密閉型を中心としたアウトドアユースに対し、インドアでTVやBD、ゲームなどの映像コンテンツに加え、PCを核とした動画、音楽再生を楽しむなど家の中で様々な再生機器に接続して楽しむユーザーに向けて開発された経緯を持つ。

スピーカー再生のように大きな音を出すことが難しい環境においてヘッドホンの果たす役割は大きいと感じているが、そうしたとき、高音質でありながらいかにストレスなく気軽に、そして快適にコンテンツを楽しめるようにするかが大きな課題となる。

従来のモデルの中でこうしたインドアユース向けに開発されたものとしてTVやDVD再生環境に向けた「XDシリーズ」のほか、Hi-Fi系では1997年に発売されロングセラーとなったフルオープンエア型の「MDR-F1」が挙げられる。いわばMAシリーズはこれらインドア向けモデルの「いいとこ取り」ともいえる、ありとあらゆる再生メディアに対応するホーム用リラクゼーション・ヘッドホンとして位置付けられているのだ。

MDR-F1

今回登場したMAシリーズのラインナップとしては、「MDR-XB1000」で初採用となった業界最大径となる70mmドライバーユニットを搭載したフルオープンエア型のトップエンド機「MDR-MA900」をはじめ、快適な装着感を生むソニー独自のフレキシブルイヤーフィットメカニズムを採用したミドルレンジ機「MDR-MA500」と「MDR-MA300」。そしてこれらMAシリーズの良さを手軽に味わえるエントリークラス機として「MDR-MA100」が用意された。なお、このエントリー機MA100にはTV視聴に最適な5mロングコードとボリュームコントローラーを装備した「MDR-MA102TV」というバリエーションもラインアップに加わっている。

MDR-MA500

MDR-MA300


MDR-MA100

「MDR-MA102TV」のボリュームコントローラー
シリーズ共通の特長としては広がりのあるサウンドと快適な装着感が得られるオープンエア型を採用していること、そして大型ドライバーユニットを搭載したことで量感豊かな低域再生を実現していることが挙げられる。

MDR-MA100からMDR-MA500までのモデルには40mmドライバーが搭載されており、いずれも一般的なオープンエア型スタイルだ。このうちMDR-MA300とMDR-MA500は人によって異なる外耳の形に合わせてドライバーユニット部が水平方向に動いて追随する、フレキシブルイヤーフィットメカニズムを採用し、装着感の向上と十分な低域の量感を確保している。なおMDR-MA500は磁気回路に用いるマグネットを360kJ/m3の高い磁力を持つネオジウム仕様とし、解像度を向上させている。


MDR-MA500のイヤーパッド部

ドライバーユニットがフレキシブルに動く「フレキシブルイヤーフィットメカニズム」を採用

MDR-MA900の音質をチェック

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