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iTunes要らずで様々な動画をストリーミング

Apple TVを使いこなす − WMV/AVIもワイヤレス配信できる話題のフリーウェア「AirFlick」レビュー

2010/12/28 海上 忍
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■WMVもAVIもOK、ただしCPUに高い負荷が

早速、どのビデオファイルをAirPlay経由でストリーミング再生できるか、コンテナ方式とビデオ/オーディオコーデック別に用意した15種でテストを実施した。

結果は表1のとおりで、MPEG-1/2は再生できなかったものの、WMVやAVI(DivX/Xvid)といったiTunesでは再生できないビデオファイルの再生を確認できたことは大きな収穫といえる。

表1:AirFlick 0.15で配信したビデオフォーマット(トランスコーダにはffmpegを使用)
コンテナ ストリーム構成 再生可否
ASF WMV9x+WMA
×
WMV WMV8+WMA
WMX WMV8+WMA
×
MP1 MPEG-1+MP2
×
MP2 MPEG-2+AC3
×
MP2 MPEG-2+PCM
×
MP4 H.264+AAC
MP4 MPEG4+AAC
AVI H.264+MP3
AVI XviD+MP3
AVI DivX+MP3
QuickTime SVQ3+QDM2
×
WebM VP8+Vorbis
×
FLASH H.263+MP3
MKV H.264+Vorbis


ただし、どのファイル種でも先頭の数秒程度が再生されない問題が発生した。映像と音声の同期がズレる問題はなかったものの、再生途中でバッファが始まったり、終了してしまうこともあった。位置を指定して再生を始める機能が未実装であるため、映画など再生時間の長いビデオを見る用途には(少なくとも現時点では)難ありと言わざるをえない。

動画ファイルを空欄へドラッグ&ドロップして再生ボタンをクリックすると、数十秒ほど経ってからApple TVで再生が始まる

システムにも高い負荷がかかる。WMVやAVIなどApple TVが対応しないフォーマットについては、AirFlickがffmpegを呼び出してトランスコーディングを実施するため、Core 2 Duo 2.4GHzを搭載するMacBook ProでもCPU使用率は両コアとも80%を超える(解像度が640×800のWMVファイルで測定)。

WMVなどApple TVが対応しないフォーマットの場合、ffmpegのプロセスでトランスコード処理が行われる。高いCPU使用率に注目してほしい

「AirPlayer」を起動したMacへビデオを配信することも可能

フルHD品質のビデオの場合、さらにCPU使用率は上昇するため、相当パワーのあるマシンでなければバッファが頻発するはずだ。なお、Apple TVがサポートするMP4の場合、AirFlickはトランスコーディングなしに配信するため、CPU使用率は平時と大差ない。

Apple TVが対応するフォーマットは高いCPUパワーを必要としないうえ、ビデオの再生位置を調整するためのボタンやスライダーが現れる

このように、いまだ荒削りのAirFlickだが、WMVやAVIといったiTunesが対応しないフォーマットをAirPlay経由で配信できることのメリットは大きい。

iTunes Storeでレンタルした映画を楽しむのもいいが、「自炊」したWMVやAVIを鑑賞できれば、Apple TVの活用の幅も広がるというものだろう。

(海上 忍)

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