HOME > レビュー > 鈴木桂水が「ウォークマンX1000」を全方位テスト − 超一流の画音質と充実の機能

“全部入り”の最上位機

鈴木桂水が「ウォークマンX1000」を全方位テスト − 超一流の画音質と充実の機能

公開日 2009/04/17 19:00 鈴木桂水
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■無線LAN機能を活用した「おまかせリンク」の高い完成度

さて本機にはワイヤレスLAN機能があり、アクセスポイントなどに接続することで、ポッドキャストや動画サイトのYouTubeを利用できる。

ワイヤレスLANの設定はマニュアル設定のみになっており、バッファローのAOSSやアイ・オー・データ機器の簡単接続などには対応していない。必ずしも通信機器の設定に強い人ばかりが使うわけではないので、できればこういった自動接続機能に対応して欲しかった。

ネット接続を利用する便利なのが「おまかせリンク」機能だ。この機能は再生中のミュージシャンに関する情報をインターネットの検索サイトMicrosoft LiveSearchやYouTubeで探しだし、表示できる。とくにYouTubeにアクセスすれば、関連ミュージッククリップなどが楽しめる。ネット機能を備えた音楽プレーヤーらしい、素晴らしい機能だ。

赤い線で囲んだおまかせリンクボタンを押すと、アーティストに関連するYouTubeの動画を表示できる

このほかに写真表示やFMチューナーなど、小さな本体にこれでもかと機能が詰め込まれている。本体のデザインも素晴らしく、いわゆる大人が持っていても様になるマルチメディアプレーヤーに仕上がっている。

FMチューナーも内蔵している。残念ながら録音はできなかった。次期モデルでは「FMで録音した番組の曲名を自動判別して、おまかせリンクで関連情報を取得」というような、サプライズ機能を搭載して欲しい

ポッドキャストやWebページの表示にも対応する

タッチパネルを採用したことでiPod touchなどの対抗機と見る向きも出そうだが、この2者は全くの別物と考えるべきだ。iPod touchはエンタメ重視ユーザー向けの製品だ。音質よりも音楽、ゲームなど小さなパソコンとしても使える汎用性が魅力だ。

XシリーズはモバイルAV機器の頂点を目指すべく、超一流のパーツを組み込んでいる。iPod touchでは追求できない、ハード面での進化を優先させている。余談だが、もしiPod touchの対抗機種が出るとしたら、それはタッチパネルと加速度センサーを内蔵した次期PSPのようなゲーム機かもしれない。

話を本題に戻そう。Xシリーズは、タッチパネルを使ったUIがいま一つこなれていないなど、気になる部分は多々ある。しかし、操作面が荒削りだとしても、このハードが持つポテンシャルの高さは賞賛に値する。ぜひ店頭などで、画面の美しさと音の良さを実感していただきたい。

(鈴木桂水)

前へ 1 2 3 4 5

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE