HOME > レビュー > <検証!PS3 “現在”の実力>第5回:PS3の音質はこの2年でどれだけ進化したか

音楽CD/BDビデオ再生クオリティを単体機と聴き比べる

<検証!PS3 “現在”の実力>第5回:PS3の音質はこの2年でどれだけ進化したか

公開日 2008/12/12 18:18 折原一也
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●BDのサラウンド再生クオリティをチェック

さて、音楽CDの再生クオリティは、PS3とSCD-XA1200ESの音質差は思ったよりも小さかったわけだが、PS3の音質を語る際には、BDのサラウンド再生ももちろん無視できない。今回は音楽CDプレーヤーと合わせた追加テストとして、BD-ROMの音質比較も行ってみた。

PS3のBDプレーヤー機能は、BD-ROMに収録しているHDオーディオ”ドルビーTrueHD”と”DTS-HD”をそのまま出力する「ビットストリーム出力」に対応していないのはご存じの通り。

このためPS3では、HDオーディオをデコードし、リニアPCMなどに変換して出力するという方法で、一部(ドルビーTrueHDのみ)対応としていたが、2008年4月のファームウェア2.30で”DTS-HD Master Audio”のデコードも可能になった。

今回、レファレンスとして用意したBDプレーヤー/レコーダーは、ソニーの最新BDプレーヤーである「BDP-S350」とBDプレーヤーの「BDZ-X100」。本来であれば、条件を揃えるために、すべてプレーヤー/レコーダー内でリニアPCMに変換した音声を比べたかったが、S350はHDオーディオをマルチチャンネルのままリニアPCMに変換できない。このため、不本意ながらBDP-S350とBDZ-X100についてはHDオーディオをビットストリーム出力し、TA-DA5300ESでデコードした。つまり、今回聴いたS350とX100の音質は、TA-DA5300ESの能力にかなり依存していることになる。このため、あくまで参考程度としてお読みいただきたい。

BDP-S350


BDZ-X100

再生に用いたソースはBD-ROMソフト『硫黄島からの手紙』(ドルビーTrueHD)だ。通常の映画のシーンで視聴を行い、明らかな差があるかどうかという観点で、PS3を中心に視聴を行ってみた。

PS3の音質は、まずはロスレスの音を出している。音の傾向はややセリフに硬さの残るようなイメージはあるものの、空間の広がりと良い微細な環境音も再現できているし、爆撃機の上から迫る重低音という音までもボリューム感を持って再生している。

プレーヤーのBDP-S350を用いてビットストリーム再生したサウンドと聞き比べてみると、細かなディティールの再現力でPS3よりも若干勝っている。BDレコーダーのハイエンド機、BDZ-X100の再生音質は、重低音のクオリティに一日の長が感じられた。

試聴を行う筆者

●2年前の製品、しかもハイCPモデルでこれだけの性能は驚嘆に値する

今回はBD作品については簡単に視聴した程度にとどめているが、テストした結果は、僅かな違いがあるかどうかという程度で、音楽CDの再生ほどの違いは現れなかった。特にコストパフォーマンスを考えると、PS3をすでにお持ちの方は、PS3をBD-ROMのサラウンド再生に用いても問題はないだろう。

今回の音質のクオリティテストは、単体のプレーヤーと拮抗する実力を見せつけた音楽CD再生、それほど大きな音質差がなかったBD-ROMの音質テストと、PS3が大健闘したと言って良いだろう。発売から2年経った製品で、しかも実売39,800円という製品だけに、現在でもこれだけの実力を持つことは驚きである。また、PS3の実力再検証シリーズの次回は、新しい対決軸の登場を待って行いたい。

【執筆者プロフィール】
折原一也
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。

【バックナンバー】
第1回:モンスターマシンの激変ぶりを振り返る
第2回:最新BDレコーダーとBD再生クオリティを比較する
第3回:最新の単体BDプレーヤーと画質対決!
第4回:PS3のDVDアプコン画質は最新BD機プレーヤーに勝てるか?

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