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見えてきたモバイルエンターテインメントの進化

【MWC2014】「単体から連携」の価値訴求でスマホは次の魅力を打ち出せるか? − MWC2014の4日間を振り返る

公開日 2014/02/28 19:18 山本 敦
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モバイルビューワーの出展は意外に多く見られなかったが、大阪に拠点を置くブリリアントサービスが開発したジェスチャー入力に対応するメガネ型ウェアラブルデバイスが注目を集めていた。試作機はシースルービューワー本体の外側正面にカメラユニットを搭載。両手でのジェスチャー操作をカメラでキャプチャーしながら、写真撮影や文字入力などが行えるのが本機のユニークなところ。カメラ操作は両手を「L字」に構えて被写体にフォーカス、片手の人差し指を折り曲げると画像をキャプチャー。片手の親指をサムアップして保存といった流れで、スムーズな操作感を実現していた。

ブリリアントサービスが開発したシースルービューワー型のウェアラブルデバイス

体験を希望する来場者が行列を作っていた

オーディオビジュアル系では、ドルビー・ラボラトリーズが発表した、通常のステレオヘッドホンとモバイル端末の組み合わせで高品位なサラウンド音響が楽しめるヘッドホンサラウンドの新技術を公開した。

ドルビーが次世代のサラウンドヘッドホン技術を出展した

今回発表されたヘッドホンサラウンドの技術は映画館向けの「Dolby Atmos」がベースになっており、同様にオブジェクトと呼ばれる音響要素でサラウンド音場をミキシングしながら、立体的な音場表現や音源の移動を正確にコントロールするというコンセプトを継承する。今回の展示では技術名がまだ確定されておらず、「次世代の3Dヘッドホンサラウンドテクノロジー」としてデモによる紹介を行った。

これまでのバーチャルヘッドホン技術と比べて自然な立体音響を、一般的なヘッドホンとの組み合わせで実現したことが最大の特徴。同社でエンコード処理技術から、劇場・コンシューマーの再生環境まで”End to End”でのソリューションが提供できる強みもアピールする。特設デモ会場にはデコーダーを組み込んだ市販のタブレット、ゼンハイザーのヘッドホンが用意され、当技術によりデコードされた映画やFPSシューティングゲーム、音楽のデモコンテンツによるサラウンドが体験できた。デモを試聴して、サラウンド効果音の自然なつながり感、ハイト方向も含むサラウンド音源の定位感が極めてクリアに再現されていたことが深く印象に残った。ゲームの舞台も広々とした空間が再現できており、今後FPSなど仮想空間体験型のゲームサウンドを変革しそうな画期的な技術であると言えるだろう。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇


MWC2014の展示に集まった来場者の反応を見ても、ハードウェアやサービス単体での高機能やデザインだけで魅力をアピールできる時代はもはや終焉を迎え、次の世代では機器連携やクラウド、高速通信サービスとの連携などによって新たなユーザーエクスペリエンスをどのように打ち出していけるかが競争のステージに移り変わったようだ。ここバルセロナの4日間に起きた出来事は、今後のオーディオビジュアルの変革にも密接に関わりながら、遠くない将来に大きな影響を与えることになるだろう。

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