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伊藤若冲作品テーマの8K番組など

NHK、新4K8K衛星放送は「開始を機に関心が大きく広がった」。1月の放送予定を発表

公開日 2018/12/20 17:01 編集部:小野佳希
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NHKは、1月に「若冲を発掘したアメリカ人」や大相撲初場所を8Kで放送すること、「花火師たちの頂上決戦 〜完全ドキュメント! 秋田大曲 全国花火競技大会〜」などを4Kで放送することを発表。あわせて、新4K8K衛星放送開始の12月1日・2日に実施した公開イベントの入場者数が116,000人となったことを発表した。


放送総務局長の定例記者会見で明らかにしたもの。新4K8K衛星放送の公開イベントの入場者数は上記の通り116,000人となったほか、視聴者からは「コンテンツを見たいので視聴方法を知りたい」「放送予定を教えてほしい」などの問い合わせが多いとのことで、「放送開始を機に関心が大きく広がったと受け止めている」とした。

そして2019年1月には、BS 4Kチャンネルで「花火師たちの頂上決戦」「江戸あばんぎゃるど」「空旅中国」などを放送。BS 8Kチャンネルでは1月は文化・芸術をテーマに番組を編成し、「若冲を発掘したアメリカ人」「落慶〜奈良・興福寺〜」「大相撲初場所」などを放送する。各番組の詳細は下記の通り。

■8K

<若冲を発掘したアメリカ人>
放送:1月14日(月・祝)10:00-11:00

動植物を独自の精緻な画風で描いた江戸絵画の巨匠・伊藤若冲。彼が日本で評価を得る前、半世紀以上前からその才能を見出し、コレクションを始めたアメリカ人がいた。カルフォルニア州に住む、ジョー・プライスさん、88歳。プライスさんがどのように若冲を見出し、その後、どのような部分に共鳴しながら、若冲の画をコレクションしていったのか、作品をたっぷりと紹介しながら見つめていく。

<落慶〜奈良・興福寺〜>
放送:1月17日(木)12:00-13:00

2018年10月、奈良を代表する名刹・興福寺の境内の中欧に、300年ぶりに中金堂が復活した。完成を祝う落慶法要は1万人を超える参列者を迎えて行われた。興福寺にとって室町時代以来という歴史的な大法要。天候にも恵まれ、白昼夢のような美しい光景を8Kで完全収録した。

鮮やかな衣をまとう僧侶と楽人はのべ200人。声明(しょうみょう)と雅楽の大音響のなか、金色に輝く鴟尾(しび)が現れ、天から散華が舞い散る。舞台では遣唐使がもたらした舞楽が舞われ、金糸銀糸がきらめく。「この世に現れた浄土」…天平や平安の人々を感激させた光景が、平成に現れた。

興福寺が守る唯識法相の教えは、玄奘三蔵(三蔵法師)がインドから中国に伝え、さらに遣唐使が日本に伝えたもの。その教えをいま、ドイツ人僧侶が受け継ごうとしている。その時空を超えた長い教えのリレーを描いた色鮮やかな柱、運慶の最高傑作とされる仏像を8Kでたっぷり見せる。番組ナレーションは、ドラマ「西遊記」で一斉を風靡した堺正章が、三蔵法師に扮して語る。

<8K大相撲中継>
放送:1月13日(日)-1月27日(日)16:00-18:00

大相撲初場所を8Kで生中継。取組前の力士の真剣な表情から、立ち会いのぶつかる音、張り手や完成まで、まるで国技館で観戦しているような臨場感で楽しめるとしている。

■4K

<花火師たちの頂上決戦 〜完全ドキュメント! 秋田大曲 全国花火競技大会〜>
放送:1月14日(月・祝)12:15-14:15

明治43年に第1回目が開催され、昨夏第92回大会が開催された「全国花火競技大会・大曲の花火」。全国から選びぬかれた花火師たちが、花火の技と美しさを競う、全国でも珍しい花火の競技大会。

競技は、1発の花火玉でいかに正確な円を夜空に描けるか、また、2分半の音楽に載せて300個ほどの花火と曲とシンクロさせながら打ち上げ、いかにひとつのショーを作り上げるかなど、4つの部門で争われる。

番組では4K収録された中継映像をふんだんに活用しながら、競技に挑んだ地元の花火業者や一晩のために全国からやってくる75万人の顧客をさばく大会主催者の舞台裏に密着。「大曲の一番熱い一日」をドキュメントする。ナレーションは秋田県出身で元乃木坂46の生駒里奈。

<シリーズ「江戸あばんぎゃるど」>
放送:1月14日(月・祝)16:00-17:30

アメリカ人独自の視点で再発見する日本美術の魅力。ちょっと不思議な美術ドキュメンタリー、2回シリーズ。明治時代、日本美術の価値が見失われた時代から戦後混乱期にかけ大量の作品がアメリカ人に買われ海を渡った。国宝級も含め10万点ともいう。マンハッタンの高層アパートで個人コレクターが所蔵する屏風が太陽を浴び輝く。

第1回「アメリカ人の愛した日本美術1万点」は、戦前戦後のコレクター6人の足跡と集めた作品に光を当てる。カラス90羽の飛ぶ姿を綿密に写した作者不詳の屏風、波しぶきを詳細に描く俵屋宗達「松島図屏風」、有名無名、様々な美術が超高精細4K映像で登場する。買い集めたアメリカ人は何に心を動かされたのか?

第2回「ガラスを脱いだ日本美術」は、アメリカで人々が自然光のもとで作品を楽しむ姿をヒントに、美術館のガラスケースから取り出し屏風を日本家屋に置き、時間や天気で変わる自然光のもと鑑賞。「家の空間を演出する調度品」という本来の姿を再発見する。

アメリカ人映画監督リンダ・ホーグランドとNHKの国際共同制作。1月14日に第1回、第2回を一挙放送。


<シリーズ 空旅中国>
放送:1月27日(日)19:00-20:00

中国の絶景を超高精細映像で満喫。4Kカメラ搭載のドローンが風のごとく自在に飛ぶ絶景の地、そこは4,000年を超える中国の歴史舞台でもある。「険しい峠を越えた始皇帝や歴代王朝の覇者」「西域の荒野を、国禁を破り仏典を求め越えた玄奘」、ドローンは偉人の足跡をたどり、彼らが大自然の厳しさと闘い突き進む道筋を飛ぶ。空からの視点でこそ堪能できる大自然と人間の格闘の物語。

玄奘の足跡をたどる回ではシルクロードに沿う断崖に次々と現れる巨大な仏像が、当時の中国での仏教の存在感を伝える。山岳地を進むと急斜面を埋め尽くす棚田が出現。歴代王朝が開墾し続けたその理由とは? やがて最果ての原野に万里の長城が延々と続く。国禁を破り、西をめざす玄奘は夜の闇を長城の壁伝いに歩いた。長城に残る悲話も発掘。

ナレーションは俳優の近藤正臣、桐谷健太ら。1月-3月に各回59分×4本のシリーズでの放送。89分のスペシャル版も放送する。

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