7.1ch仕様。アトモス/DTS:X対応

マランツ、音質を磨いた“リビング対応”薄型AVアンプ「NR1609」。フォノ入力とシルバー色追加

編集部:小澤貴信

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2018年05月25日

パワーアンプ回路の心臓部となる電源回路については、そのキーとなるパーツについて「NRシリーズ登場以来」というアップデートを実施。ブロックコンデンサーは従来は中国系のブランドのものを用いていたが、NR1609では新たに開発されたというエルナー社製マランツカスタムブロックコンデンサー(6,800μF/63V×2基)を搭載。整流ダイオードは、従来が10Aのものを用いていたのに対して、本機では25Aという大電流容量のものを新規採用した。

キーとなる音質パーツをグレードアップ

これに合わせてアンプ回路もブラッシュアップされた

DAC回路については、昨年新たにAKM「AK4458VN」を採用するなど大幅な刷新が行われたが、今回はより高品位な薄膜型の高精度金属皮膜抵抗を採用した(従来モデルはカーボン皮膜抵抗)。

また、音質パーツのグレードアップに伴い、プリアンプ部、パワーアンプ部を再チューニング。エルナー社製のカスタム音質コンデンサーをプリアンプ/パワーアンプ部のカップリングコンデンサー、デカップリングコンデンサーに採用すると共に、品種や定数の見直しも行った。フィルムコンデンサーもこれらの変更に合わせて新規採用品が用いられた。

こうした音質向上アプローチによる効果を最大化するため、ノイズ対策も改めて徹底したという。この点について尾形氏は「(AVアンプの)デジタル回路はノイズの塊のようなもので、コンデンサー・コイル・抵抗を使ってノイズを下げるということを行いますが、その点について見直しを行いました」と述べた。

ノイズコントロールも一歩踏み込んで行い、音楽表現力を高めたとのこと

信号系・電源系の各デジタル回路、デジタル回路用電源部(SMPS)については、デカップリングコンデンサーを中心としたパーツの種類、容量、耐圧を最適化。デジタル回路基板には、エルナー社製のオーディオグレード表面実装コンデンサーを採用した。

シャーシについては、様々な形状のビスを使い分けてグランド・インピーダンスをコントロール。電源トランスなどの大型パーツに対しては、不要振動対策を実施して音質劣化の要素を排除していったという。

NR1609の筐体内部

これらのブラッシュアップにより、数値的な仕様は従来から変わらないものの「音楽の表現力が向上した」と尾形氏。きめ細かく表情豊かな音色、S/N感の向上による静寂感・空気感の再現力向上、奥行き感などさらに広い3Dサウンドイメージの再現を実現することができたと述べた。

2chステレオ再生の音質にも注力したAVアンプ

プレス向け説明会ではR1609のデモも実施。マランツ開発試聴室でのステレオ再生デモ、同社シアタールームでのマルチch再生デモが行われた。

マランツ試聴室に設置されたNR1609(写真右)

ステレオ再生デモでは、B&W「800 D3」をスピーカーとして組み合わせて、昨年モデル「NR1608」との比較試聴が行われた。デモはDAC周辺のブラッシュアップを踏まえて、同社SACDプレーヤー「SA-10」からの同軸デジタル入力をソースに行われた。

いずれのモデルも、800 D3をそれほどストレスを感じさせずに鳴らしてしまう駆動力には改めて関心させられるが、音のちがいは想像以上だ。女性ボーカル音源では一段上のクリアネス、ピアノなど楽器の音の純度の高さを印象付けられる。クラシック音源ではNR1609の方が音場がより澄みわたり、オーケストラの細部まで見えるようだ。現代的なジャズでは低域の解像感の向上が実感させられ、最低域のベースとキックドラムの音色も描き分ける。いずれの曲もクリアネスに加え、音の広がりや立体感の向上も明白だ。

B&W「800 D3」と組み合わせてデモ

一方でシアタールームのデモでは、あえてサブウーファーレスの4.0.2chシステムを用意。リビング用途などでは現実的とも言えるシステム、なおかつか絞り気味の音量レベルでも、イマーシブオーディオの長所を引き出す再現が可能なこともアピールされた。

デモンストレーションを通して高山氏は、センターやサブウーファーがあれば楽しみ方はさらに広がるが、2chを含む最小限の構成でも、音の広がりや移動感を表現できるだけのサウンドをNR1609が備えていることを強調していた。

サラウンド再生デモはセンターやサブウーファーなしであえて実施


アトモス/DTS:Xに対応。トップスピーカーは5通りの配置が可能

NR1608の仕様の概要は冒頭で触れたが、その他のサラウンド機能、オーディオ再生、機能などのポイントもまとめておきたい。

ドルビーアトモス/DTS:X対応については、最大で5.1.2ch再生が可能。ハイト/トップスピーカーは、フロントハイト、トップフロント、トップミドル、フロントドルビーイネーブルド、リアドルビーイネーブルドの5通りから選べる。トップスピーカーについては天井高を設定して精度を高めることも可能だ。ハイトスピーカー信号を含まないチャンネルベースのソースに対しては、Dolby SurroundやNeural:Xでアップミックスを行える。

2chも疑似イマーシブ化できるDTS Virtual:Xにも対応

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  • ジャンルAVアンプ
  • ブランドMARANTZ
  • 型番NR1609
  • 発売日2018年6月中旬
  • 価格¥90,000(税抜)

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