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深田恭子さんを“推進キャラクター”に任命

BS「新4K8K衛星放送」まであと1年、野田総務大臣らが普及への決意を語る

2017/12/01 編集部:小野佳希
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一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、2018年12月1日からの開始を予定している4K8K実用放送の正式名称を「新4K8K衛星放送」にすると発表。「新4K8K衛星放送開始1年前セレモニー」と題したイベントを開き、野田聖子総務大臣を始めとした関係各団体のトップが4K8K放送普及への決意を改めて語った。


「新4K8K衛星放送」とは、BS/110度CSで始まる新しい4K8K放送のことを指す。本日のイベントでは、今後の周知活動などに使用するロゴマークが披露されたほか、広報活動を行う“推進キャラクター”に就任する女優の深田恭子さんが登場するなどした。

深田恭子さんが推進キャラクターに

ロゴマーク

■4K8K新サービスのために現行BS放送の帯域再編も

A-PABでは、受信のための問い合わせなどに対応するためのコールセンターを本日12月1日から開設。受信方法や漏洩対策などについては「0570-048-001(ナビダイヤル)」で問い合わせを受け付ける。

新4K8K衛星放送の参加局

また、新4K8K衛星放送ではBS右旋電波で6チャンネルが開設予定だが、この帯域確保のために現在の2KでのBS放送の帯域を再編する必要がある。そのため例えば「レコーダーの設定を再編前のままにしていたため予約録画が正しく行われなかった」などのトラブルも考えられる。こうした帯域再編関連については「0120-480-004」の窓口で対応する。

なお、帯域再編は2018年1月初めから6月上旬までの期間での実施を予定。帯域再編の詳細スケジュールは下記の通り。

<帯域削減>2018年1月実施決定
NHK BS1/NHK BSプレミアム : 2018年1月14日(日)早朝(AM1時〜6時)
BS-TBS/BS朝日 : 2018年1月22日(月)早朝(AM1時〜6時)
BSフジ/BS日テレ : 2018年1月29日(月)早朝(AM1時〜6時)

<トラポン移動>2018年4月〜6月までの日程で調整中
BSジャパン(移動に伴う放送休止ch→BS TBS/BS朝日)
NHK BSプレミアム(移動に伴う放送休止ch→WOWOWプライム)
ディズニーチャンネル/BSアニマックス(移動に伴う放送休止ch→NHK BSプレミアム/BS日テレ/WOWOWプライム/BSフジ)
スターチャンネル(スター2/3)(移動に伴う放送休止ch→NHK BS1)

A-PABは、今後の1年間で体験イベントやポスター掲示、リーフレットの配布などの活動を通して周知広報活動を行う。現在市販されている4Kテレビおよび8Kテレビで新4K8K衛星放送を視聴するために別途でチューナー(※サービス開始にあわせて登場見込み)が必要になること、アンテナや宅内設備も新サービスに対応する必要があることなど、各種情報の広報を行っていくとした。

リーフレットの配布などで新4K8K衛星放送受信の注意事項を紹介

なお、NHKは本日12月1日から12月3日まで、一般視聴者向けの4K8K放送体験イベント「4K・8Kスーパーハイビジョンパーク」を新宿パークタワー3階のパークタワーホールにて開催。350インチスクリーンでの8Kスーパーハイビジョンや、シート型8K有機ELディスプレイでの8Kリビングシアター、体験型の8K VRアトラクション「東京VICTORY」など、様々なコーナーで8Kを体験できるようにする。

8Kスーパーハイビジョンシアター

CEATECなどでも参考展示していたシート型ディスプレイで8Kリビングシアターを演出

なお、350インチスクリーンでの8Kスーパーハイビジョン体験はNHK公式ウェブサイトからの事前申し込みが必要。期間中は紅白歌合戦やリオ五輪のダイジェストのほか、サカナクションの8Kライブ、NHK杯フィギュアスケート、デュトワ指揮N響演奏会8K生中継などのコンテンツを上映する。

体験型の8K VRアトラクション「東京VICTORY」


将来的なタブレットでの活用を想定した13.3型8Kディスプレイの参考展示も

タブレットを動かすと連動して大型ディスプレイの360度8Kコンテンツが動く双方向デモ

■野田総務大臣らが新4K8K衛星放送への意気込みを語る

野田総務大臣は、「ネット配信の普及、それに伴う若者のテレビ離れなど、放送を取り巻く状況は大きく変わってきている」とし、新4K8K放送の普及には関係者全員での取り組みが必要だとあいさつ。

野田聖子総務大臣

「何よりも、4K8Kならではという魅力的なコンテンツが必要だ。そして、どんなコンテンツがあるのか、どんな対応機器があるのかといった情報提供の徹底もお願いしたい」とコメント。「総務省としても周知広報に取り組んでいく」とした上で、「放送業界関係者、メーカー各社など関係各所の方々には、国民視聴者に喜んでいただけるよう、国民目線に立った活動の強化をお願いしたい」と語った。

会場には各社の4K8K対応機器が展示されていた

A-PABの福田俊男理事長は「4K放送はこれまでもCATVやCSで視聴可能だったが、衛星基幹放送での新サービスによって、より身近にご覧いただける状況になる」と、提供開始まであと1年に迫った新4K8K衛星放送の意義を説明。

A-PAB 福田会長

一方で、4K放送の知名度こそ浸透してきているが、対応受信機の出荷状況は350万台程度に留まるなど実際の視聴者はそれほど増えていないと指摘。

「新サービス対応受信機は8Kチューナーが今月から、4Kチューナーは来年半ば以降の登場予定だと聞いている。視聴者に早く準備してもらうために、メーカー各社には対応機器を安く、早期に投入してできるようお願いしたい。また、放送事業者には数多くのピュアな4K番組を提供してほしい。その両輪が揃って初めて視聴者に訴求できると思う」と訴え、「国民的なムーブメントにするために、国にもより一層の支援もお願いしたい」と続けた。

新4K8K衛星放送アンテナも

NHKの上田良一会長は、「東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに最高水準の放送サービスを実現することを経営目標に掲げており、4K8K放送もその一環だ」とあいさつ。

NHK 上田会長

NHKではBSで4Kと8Kの2つのチャンネルを新たに開設する予定だが、「4Kチャンネルは、従来よりもたくさんの方に4Kを体験していただくチャンネルとして、選りすぐりのオリジナル4Kコンテンツなどで普及を進めていく」とコメント。

8Kチャンネルは「我々のフラグシップチャンネルと位置づける」とし、「来年は欧州に8K中継車を派遣し、ロシアW杯や舞台、コンサートなどのコンテンツを制作する予定だ。肉眼を超える超高精細映像と臨場感のある音響で、自信を持って世界一と言えるテレビの世界を楽しんでもらいたい」と述べた。なお、4Kチャンネルは音声を5.1chで、8Kチャンネルは22.2chで放送する予定。

民放連の井上弘会長も、「総務省、メーカー各社、放送業者各社がこれまで以上に連携して新しいメディアを立派にしていきたい」と意気込みをコメント。加えて「総務省が技術研究開発を行っているが、地上波での4K8K放送に、我々放送事業者としても期待している」と、さらなる未来への期待も口にした。

民放連 井上会長

そして電子情報技術産業協会(JEITA)の長榮周作会長は、CEATECやInterBEEにおける4Kや8Kへの取り組みに言及。「来年のCEATECとInterBEEでも、さらに充実した展示にしていきたい」と語ったほか、「2020年は世界最先端の4K8K映像を家庭で楽しめるようになるとともに、IoTサービスなども組み合わさることで新しい感動を覚えていただけるようになると思っている」とした。

JEITA 長榮会長

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