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開発者らが特徴を紹介

ダイヤより硬い素材のメリットとは? マクセルが新ハイレゾイヤホン“Graphene”の説明会実施

公開日 2016/08/25 20:19 編集部:小野佳希
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日立マクセルは、ダイヤモンド以上の硬度を持つグラフェンコート振動板を業界で初めて採用した新開発ドライバーを搭載し、ハイレゾ領域の周波数帯域再生にも対応したイヤホン“Graphene”「MXH-GD200」「MXH-GD100」について、メディア向け説明会を開催。製品の特徴や開発の狙いを開発者らが語った。

MXH-GD200

■“ダイヤより硬い”振動板のメリットとは?

上位モデルの「MXH-GD200」は、ステンレス合金とカーボン充填の高剛性ABS樹脂のハイブリッドボディを、一方の「MXH-GD100」では、高剛性アルミニウム合金とABS樹脂のハイブリッドボディを採用している点などが両機の違い。また、「MXH-GD200」ではグランド信号を分離した4芯ケーブルを採用してクロストーク低減を図るなどしている。なお「MXH-GD200」は11,800円前後、「MXH-GD100」は8,980円前後での実売が予想される。

MXH-GD100(ブラック)

MXH-GD100(ホワイト)

ただし、説明会に登壇した同社の河原健介氏は、両機が上位モデル/普及モデルという位置づけではないとコメント。「ハウジング素材と芯線を変えることで音の違い、それぞれの商品特徴を出している」とした。

日立マクセル ライフソリューション事業本部 マーケティング事業部 事業企画部 企画課 副主幹 河原健介氏

両機の違い

また、開発を担当した主任技師の芝仁史氏は、今回の2モデルの音作りについて「MXH-RF550のような音場重視というよりも、MXH-DBA900/700やMXH-DD600の系統に近い」と述べた。

日立マクセル ライフソリューション事業本部 マーケティング事業部 事業企画部 開発課 主任技師 芝仁史氏

新モデル2機種とも、新開発のドライバーに、ダイヤモンドより硬い硬度を持つ素材であるグラフェンでコーティングしたPET素材振動板を採用したことが大きな特徴。振動時に変形しない硬さを持つことで振動板の分割振動を抑制し、ひずみの少ないクリアな再生音を実現するという。

グラフェンでコーティングした振動板を採用

ドライバーは両機共通で10mm径のものを搭載

また、高域を延ばす音の伝播速度が速く、振動板全体が一体として音を再現するため、特に高周波数の再現性に優れることもグラフェンを採用したメリットだと説明。さらに、軽さも備えるため振動板を速く動かせ、優れたレスポンス特性にもつながるという。

グラフェン素材の解説

グラフェンは物性が数値として公開されていないため、ダイヤモンドをチタニウムなどと比べ、それよりも硬いグラフェンの特性をアピール

芝氏は、「再生周波数帯域の上限が70kHzだが、『それは人間の可聴帯域外の音だし、ハイレゾの定義である40kHzを超えて何か意味があるのか』と思う人もいるかもしれない。だが、実際に聴いてみると可聴帯域の解像度、音の立ち上がりのレスポンスや余韻にものすごく影響する」とコメント。「可聴帯域以上の周波数帯域再生をスペック上では謳っているが、実際は可聴帯域の音が優れているということだ。自信作なのでぜひ聴いてみてほしい」とアピールした。

両機を並べたところ

GD200のプラグ部とケーブル分岐部

■開発者が開発秘話を披露

芝氏はまた、ダイナミック型とBAのハイブリッドなど複合ドライバー製品を経て、金属コート振動板によるドライバー搭載製品を投入した近年の同社の製品開発の流れに言及。「(他社から供給を受けての)複合ドライバーでは様々な課題も出たのでドライバーの自主開発、および振動板の開発が必要と考えるようになった」と語る。

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