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MPEG-4 ALS対応も検討

ひかりTV、地上波番組の4K見逃し配信/4K IP放送開始を発表。HDR等への対応検討も

公開日 2015/04/09 13:00 編集部:小野佳希
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対応テレビも、サービスイン当初から対応していた「UD20」などシャープ“AQUOS”、「Z10X」などがアップデートで対応済みの東芝“REGZA”だけでなく、ソニー“BRAVIA”も「X9500B」などが今春対応予定であることなどを改めて紹介。パナソニック“VIERA”も「CX800/700」が今夏に、LGも「EG9600」などが6月中旬に対応予定であることに触れ、約40機種にまで対応機種が拡大することをアピールした。

今夏には約40機種がひかりTV 4K VODに対応

そのほか、ひかりTVの会員数が2015年3月末で301万会員となったこと、2016年3月末(今年度末)までに315万会員を目指すことを発表。多チャンネル放送の全チャンネルをHD化したこと、インターネット回線にほぼ追加料金なしでひかりTVも視聴できる光コラボレーションを開始したこと、そして日本で初めて商用での4Kサービスを開始したことなどの取り組みを振り返る。

301万会員を突破。今年度末までに315万会員を目指す

会員数の伸びについて板東氏は「事業開始から7年で300万会員を達成できた。IPTVサービス市場の開拓に成果を残せたのではないかと感じている」とコメント。

全チャンネルのHD化を達成。「我々にとってもSDのプラットフォームを破棄できるので効率性が上がるメリットもある」(坂東氏)

ひかりTVとぷらら光(インターネット回線)とのセット割引販売も開始
一方で、「ただ、100万会員から200万会員には2年間だったが、200万会員から300万会員突破まで3年かかっており、伸び率は低くなってきている」とし、「今後はNTT東西とコラボして会員数を伸ばしていくことが課題かなと思っている」と続けた。

また、今年度末までに315万会員という目標については「市場拡大もそんなに急でもなく、NTT東西のひかりコラボの影響も見極めたいという意味での最低目標設定」だと説明。「相当知恵を出さないと会員数は増えていかないだろうと思っている」と述べた。

そして、「今年の正月明けに今年度の目標を聞かれ、『今年は2・3・4(にさし)でいきたい』と言った。“2”は20周年という節目に新たにリスタートしたいということで、“3”は300万人会員突破が目標ということ。これは実際に実現できた。そして“4”は4Kサービスの本格展開ということ。12月に4K IP放送を開始すれば、おそらく4K VODと放送を両方持つ日本初のサービス事業者になれると思っている」と語って会見を締めくくった。

VODと放送の両方で4Kサービス提供へ

■Netflixは「たしかに脅威だが参入による市場拡大を歓迎」

以下、質疑応答の模様をお届けする。

Q.今秋から日本に参入するNetflixの影響をどう考えているか。

A.我々にとって脅威であるのは間違いない。ただ、参入によって市場が拡大されるのは歓迎すべきことだ。しかしhuluのときもそうだったが、日米でマーケットの性質が異なっており、そこは注意深く見る必要がある。ひかりTVは、VODではなく放送サービスや音楽配信、ショッピングなどもやっている総合サービスであり、映像だけで勝負するものではない。そうした強みを活かしてやっていけると思っている。

Q.現在、4K VODの利用数はどれくらいなのか。

A.具体的には非公開だ。ピーク時の同時接続数で言えば数百というレベル。まだまだこれからかと思う。ただ、プロモーションをしたときの反応は良い。メーカーも50インチ以上のテレビを極力4Kに切り替えていくという話もあるので、これからかなと思う。

Q.民放各局が見逃し配信を行う動きが加速しているが、これについてどう思うか。また、将来的には民放局も4Kで配信するようになるかと思うのだが、これに対しての意見も聞きたい。

A.個人的な感想では、同時配信は欧米ではもう普通。時代の流れとして、日本でもいずれそうなるのは時間の問題ではないか。そのときに、テレビ局が制作した4Kを配信することも当然考えられるが、日本では60pで4Kを配信しようとするとかなりの帯域が必要になる。そのため、(回線を限定しない)オープンなネットワークで高品質に4Kを流すのは難しいのではないか。我々のように専用網に近い形で流していかないと4Kの品質の良さを見せていくのは難しいのではないかと思っている。

Q.315万会員達成に向けて、店頭で体験できることが必要かと思う。4Kの高品質さや、それをひかりTVで見られることをどのように普及させていくのか。

A.たしかに、4Kの良さは言葉で説明してもわかりづらい。実際に体験してもらうことは必要だと思っており、販売店などでの店頭デモも極力やっている。つい最近はドコモショップにも4Kテレビを置いてひかりTVの4K映像を見てもらう取り組みも始めた。今後もいろんな取り組みを行っていきたい。

Q.光コラボについて、会員数増加にはあまりまだ影響はないのか。

A.この3月から始まったばかりで、月末の状況ではまだそんなに影響は出ていない。これからの状況を見てみないとなんとも言えないというのが正直なところだ。

Q.新しい4K映像制作体制について、機材調達のフローなど具体的な部分を聞きたい。また、機材提供以外の取り組みは考えられるのか。

A.具体的な部分はまだ言えない。メーカーとコラボして機材を提供してもらい、クリエイターからフィードバックされる情報を共有しながらうまく回っていく仕組みを作っていければと思っている。そのほかの取り組みについても具体的な話はないが、ひとつ気になっているのが、スマートフォンに4Kカメラが入ってきていることだ。スマホで簡単に4Kで撮れ、なおかつそれを4Kテレビで見られる。普通に4Kを見られる時代がそんなに遠くない未来に来る。その状況をどうビジネスに取り込んでいくのかというポイントもあるかなと思う。

Q.制作の仕組み。NTTぷらら自らがプロダクション的なことをもっとやっていく考えはあるのか。

A.個人的には非常にやりたいと思っているが、現実的にはまだまだ力不足。当面はテレビ局とのコラボレーションでやっていくのがいいのかと思っている。

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