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【インタビュー】Dolby Atmosの対応ソフトや今後の展開はどうなる? 米ドルビーの技術担当者に聞く

公開日 2014/08/21 19:55 ファイル・ウェブ編集部
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本日21日に開催されたDolby Atmos技術説明会の後、ドルビーラボラトリーズでサウンドテクノロジーリサーチ担当シニア・ディレクターを務めるブレット・クロケット氏にインタビューを行う機会を得た。同氏にDolby Atmosの技術概要や今後のロードマップなど、未だ明かされていなかった疑問をたずねた。

ドルビーラボラトリーズ アドバンストテクノロジーグループ リサーチサウンドテクノロジー シニアディレクター ブレット・クック氏

■Dolby Atmosのキーとなるコーディング技術「Spatial Cording」

ー Dolby Atmosに用いられている「Spatial Cording」について教えてください。劇場では最大128あるオブジェクトを10chにまでまとめているということですが、どのように圧縮を行っているのでしょうか。

ブレット氏 Dolby Atmos専用に作られたものです。その技術概要については基本的に企業秘密となっていますが、非常に高精度かつ高効率なコーディング技術です。Spatial Cordingを使えば、ロスレス7.1ch伝送に対して、平均して20%増のビットレートで、オブジェクト分のデータを伝送することができます。

シネマ用Dolby Atmosにミックスされたデータは非常に膨大ですので、これをSpatial Cordingを使って、家庭で実用に耐えうるビットレートにまで抑えているのです。ちなみにSpatial Cordingはホーム向けのコーディングです。

配信向けについては、通常のデータをドルビーデジタルプラスで伝送する際のビットレートが256kbpsから320kbpsとなっていますが、Dolby Atmosでも384kbpsに収まります。Spatial Cordingはそのくらい効率的なものなのです。

■対応するソフトのタイトル名は9月中にアナウンス予定

ー Dolby Atmosに対応するソフトの発売時期やタイトル名などは、具体的に決まったのでしょうか。

ブレット氏 具体的なタイトル名を現時点で明かすことはできませんが、9月中にはどんなタイトルが出てくるのかアナウンスすることができそうです。2014年中には、家庭でDolby Atmosのタイトルを楽しんでいただけると思います。

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■既存のBDもDolby Atmosシステムで楽しめる

ー Dolby TrueHDなどで収録された既存のBDソフトは、Dolby Atmos対応のAVアンプで楽しむことはできるのでしょうか。

ブレット氏 もちろん可能です。Dolby Atmos対応のAVアンプで、5.1chや7.1chで収録されたBDを「5.1.2」のスピーカー配置で楽しむために、「Dolby Surround」という機能を作りました。

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