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【特別企画】開発者が技術の詳細を語る

テクニクス秘伝の技術を投入。“OTTAVA S”「SC-C50」のサウンドはワイヤレススピーカーの概念を覆す

聞き手・記事構成:生形三郎

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2019年03月08日
Technicsブランドから新たに登場した“OTTAVA S”「SC-C50」。“OTTAVAシリーズ”で最もコンパクトな一体型スピーカーである。

“OTTAVA S”「SC-C50」¥85,000(税抜)

SC-C50はワイヤレス機能を搭載し、PCM 384kHz/32bitやDSD 11.2MHzのハイレゾ音源から、Spotifyをはじめとする音楽ストリーミングまで再生可能。さらには設置場所に合わせて自動で音質を補正する「Space Tune」を備え、1台で幅広いソースや使用シーンに対応することが可能だ。Technicsブランドでありながら価格を8万5千円に抑えつつ、Technicsならではの上質なサウンドが堪能できるということにも注目したい。

今回、開発に携わったパナソニックの湯浅孝文氏と奥田忠義氏に、SC-C50の詳しい話をお伺いすることができたので、早速その詳細に迫ってみたい。

パナソニック株式会社 アプライアンス社 ホームエンターテインメント事業部 オーディオ・ネットワークビジネスユニット 商品技術部 電気設計課 湯浅孝文氏(左)、同 技術本部 デジタルトランスフォーメーション開発センター 開発第四部 第一課 奥田忠義氏(右)


「スマホ世代により良い音を届けたい」がコンセプト

ーー SC-C50は、10万円を切るTechnicsブランドとしては手頃な価格設定を実現しつつ、ストリーミングからハイレゾまで多彩なソースをワイヤレス再生できます。その上でCDプレーヤー機能もあえて省略してたり、リモコンも付属しなかったりと、先行したOTTAVAの各製品と比べてもより先進的なスタイルの製品と言えます。まずは、その開発コンセプトからお伺いできますか。

湯浅 近年、海外をはじめ日本国内でもストリーミングサービスで音楽を楽しむ方が非常に増えてきていることは調査結果にも表れています。さらにスマートフォンやタブレットが普及している現状も考慮して、これまでのOTTAVAのコンセプトをさらに押し進めています。

SC-C50は、スマートフォンに慣れ親しみ、さらにはストリーミングで音楽を聴く層に向け、よりライフスタイルに馴染んだよい音を提供する製品といえる

奥田 本機のひとつ前に登場した“OTTAVA f”「SC-C70」(関連ニュース)は、CDプレーヤー機能を備えたいわゆる「コンポ」の形でした。どちらかというとディスクで音楽を聴くことに慣れ親しんだ世代の方々に向けた製品に仕上げています。

対してこのSC-C50は、スマートフォンが生活の中心にあり、音楽もストリーミングで楽しむという30代〜40代を中心とした方々にもいい音を届けたい、ということをコンセプトに据えました。いわゆるBluetoothスピーカーは数多くありますが、「より良い音を、よりライフスタイルに馴染んだ形で」実現している製品は少なかったのです。ここを狙ってSC-C50を開発しました。

今回の取材では、SC-C50の分解モデルも用意いただき、いい音を実現したテクノロジーについて詳細を伺うことができた

ーー おっしゃるとおり、Bluetoothスピーカーで本格的なサウンドを楽しめるモデルはまだまだ少ないと思います。

奥田 SC-C70のユーザーへのアンケートを行ったところ、約半数の方がTechnics製品に初めて触れたという結果が出たことも大きかったです。ブランド認知を広げる意味でも、さらに手頃な価格の製品で、よりTechnicsの世界を広げめていきたいという思いがありました。

湯浅 上の世代の方々をターゲットに設定していたSC-C70に比べて、SC-C50では、もう少し若年層に広げていこうという狙いですね。


部屋のどこにいても良い音が聞こえるよう設計

ーー それではSC-C50について、どのような音を目指したのか、またそのためにどのような技術を用いたのか、伺えたらと思います。

湯浅 従来のオーディオシステムでは、スピーカーの正面で腰を据えて音楽を聴くスタイルが一般的でした。しかし、今回ターゲットと考えた若い世代や主婦層の方々は、家事や作業をしながらBGM的に音楽を聴くというケースも多いと思います。

スピーカーの正面だけでなく、部屋全体にいい音を届けることが音質面でのテーマだったと語る湯浅氏

そこで、スピーカーの正面だけでなく、広いエリアにまんべんなく良い音を届けることを狙った設計を目指しました。さらに、設置性の高いコンパクトな筐体としつつ、豊かなステレオ音場を味わえることも狙いました。

SC-C50の分解モデルを使って内部を徹底解説

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