HOME > レビュー > 小型“だからこそ”選びたい、テクニクス「SB-C600」はアンプの個性を引き出すスピーカーだ

【PR】緻密な定位感と澄みきった音場感が魅力

小型“だからこそ”選びたい、テクニクス「SB-C600」はアンプの個性を引き出すスピーカーだ

公開日 2022/02/25 06:30 生形三郎
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
テクニクスが展開する “プレミアムクラス” のオーディオコンポーネントに、新たなスピーカー「SB-C600」が加わった。設置性のよいコンパクトなブックシェルフ型でありつつも、上位グランドクラス「SB-G90M2」でも採用され高い評価を得る「重心マウント構造」や、新設計を盛り込んだ同軸ユニット、流体解析による新形状のバスレフポート設計など、同社の最新技術がふんだんに盛り込まれた本格派のスピーカーとなっていることが特徴だ。

ここでは、同社ならではのこだわりが詰まったSB-C600を様々なアンプで駆動するとともに、同時発表となったネットワークCDレシーバー「SA-C600」や、同社の人気レコードプレーヤー「SL-1500C」と組み合わせて、その実力を検証してみた。


コンパクトなボディにテクニクスの技術の粋が結集した本格モデル

このスピーカーは、一見、1つのスピーカーユニットが取り付けられたシンプルなモデルに見えるが、中身はシンプルという言葉では片付けられない、テクニクスならではの高い技術力と音質ノウハウがぎっしりと詰まっている。その特徴は大きく3つある。

「SB-C600」

まず1つ目は、同軸スピーカーユニットだ。1つに見えるスピーカーユニットは、実は中心部が高域担当、その周りの黒い部分が中域・低域を担当する2ウェイタイプとなっている。これは同軸配置と呼ばれ、音を発する中心軸が同軸上に配置されることに由来する。この構造の良いところは、音の発音位置が同一点となることで、これによって、歌声や楽器の姿がピシッと定まった点から描き出される。上下左右の位置や広がりも含めて正確な描写ができることが最大の利点である。

新開発された同軸2ウェイユニット 「Advanced Phase Precision Driver」

これは上位機でも採用されているもので、今回、より正確な同軸性を確保するために、高域を担当するトゥイーターから出た音を反射・拡散させるフェーズプラグ部分を刷新したり、新たに低域を担当するウーファーのエッジ部分の形状を滑らかにしたりと、単なる同軸構造に留まらず、音波の位相の整合性までを高次に高めるリニアフェーズ思想を追求していることが大きなポイントだ。なお、トゥイーターとウーファーとで、振動板の素材がアルミニウムで統一されていることも、音色を統一する上で重要かつ注目の仕様だろう。

2つ目は、「重心マウント」と呼ばれるテクニクスならではのユニット取り付け技術だ。通常、ほとんどのスピーカーは、スピーカーユニットをエンクロージャー(スピーカー本体)に表面から取り付けることでユニットをマウントするが、この重心マウントは、エンクロージャー内部にスピーカーマウントバッフルを設け、ユニットを重心位置で固定・支持している。

ユニットを重心位置で固定・支持する「重心マウント構造」

これにより、ユニットの振動板が振幅したときのユニット自身の揺れが低減するとともに、振動板の上下左右のブレも抑制され、より正確な音の再現が実現できるというものだ。実はこの振動抑制が、表からは見えないものの、音質に大きな影響を及ぼす存在である。

「重心マウント構造」により音質に悪影響を与える振動を抑えている

3つ目は、流体解析に基づくバスレフポート設計だ。低域成分が放出されるバスレフポートは、一般的には、直管やフレア形状の出口を持ったものが多いが、厳密に見ると、この出口で風切り音などのノイズが発生するという問題があった。これを改善するために、流体解析技術を基に空気の流れを最適化してノイズの発生源となる空気の渦の発生を最小限に抑えたり、ポート表面に突起形状(フィン)を設けて空気の渦を細かく分散することで、ノイズ発生や空気の流れの抵抗を低減しているのである。これにより、大きな振幅が起きてもノイズ発生を抑えて、クリアでレスポンスの良い低域再生を追求するのだ。

バスレフポートはフロントに出口を配置。スピーカーターミナルはシングルワイヤリング接続に対応する

こういったこだわりの技術が詰まったモデルが、このSB-C600なのである。フラグシップモデルの「R1」と同一のリニアフェーズ思想に始まり、上位グランドクラスのヒットモデルSB-G90M2から受け継いだ「重心マウント」、そして、新開発のバスレフポートなど、コンパクトながらもテクニクスの技術の粋が結集した本格モデルであることがお分かりいただけるだろう。

明瞭な定位感と広大な空間描写が最大の魅力

それでは、本機を様々なアンプで駆動して、そのサウンドをチェックしていこう。

まずは、同時発表のネットワークCDレシーバーSA-C600と組み合わせてみる。音が出てまず驚かされるのは、歌声や楽器の定位の明瞭さと、描き出される音場空間の広さである。これぞ、同社が培ってきたリニアフェーズ思想による同軸ユニット技術の賜物だろう。

同じ “プレミアムクラス” のネットワークCDレシーバー「SA-C600」との組み合わせは、デザイン的にも好マッチングだ

とにかく、楽器の姿がスピーカー間の水平軸上に整然かつ明瞭に描き出されるのである。音域によって定位感が広がったり伸びたりせず、各楽器の姿が一点からピンポイントで表出する。そして、歌声に掛けられたリバーブエフェクトによる残響の余韻や、ホールに響き渡る演奏の余韻が、広い空間へと澄み渡るのだ。

音色のバランスとしては、明瞭で力強い高域描写が特徴で、楽器のアタック音や歌声の発声の立ち上がりが非常にクリアな描写だ。これも、先程の定位感の良さや広い空間描写を際立たせているものの1つだと推察する。低域方向は、大口径かつ独自形状のバスレフポートの恩恵か、量感溢れる低域が小気味よくダイナミックに繰り出される様が快い。

次ページ真空管アンプや小型デジタルアンプとの相性もチェック

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE