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クアルコム「aptX Adaptive」の詳細を聞く

Bluetoothの「音切れ無し」と「高音質」を両立させる新技術が登場、その仕組みとは?

2018/11/01 鴻池賢三
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OSの観点では12月にリリース予定の「Android 9.0 Pie」からサポートされる。つまり、Androidユーザーの多くは、aptX Adaptiveが利用可能な状態になるのだ。
iOSデバイスへの採用ついてMcClintock氏は言及を避けたが、Qualcomm社としては全てのサプライヤーに同技術の提供をオープンに提供する方針と言い、iOSデバイスについてはアップル社の判断次第という事のようだ。

ジョニー・マクリントック氏(写真奥)と鴻池賢三氏(写真手前)

他方、受信側、すなわちイヤホンなどのオーディオ機器は、aptX Adaptiveへの対応が必須で、新規購入することになる。具体的には、イヤホン/ヘッドホン/スピーカー向けSoC「QCC5100シリーズ」、スピーカー向け「CSRA68100シリーズ」を搭載した製品が対象。完全ワイヤレスイヤホン(TWS Plus)の一部でもaptX Adaptiveが利用できる見通しだ。

もちろん、スマートフォンでaptX Adaptiveが利用できるようになっても、従来のaptX、aptX HD、aptX Low Lattency対応製品は引き続き利用できる後方互換が確保されているので、今使っているオーディオ機器が無駄になることはないのでご安心を。



音途切れは音質以前の大問題。aptX Adaptiveでこの点が大きく改善されるのはユーザーとして有り難い。もちろん、電波状況が良い時はHDクオリティーで楽しめる音質面での優位性も嬉しい。

具体的にaptX Adaptiveのある1日を想像してみよう。自宅や郊外を歩行時はHD高音質で。そのまま満員電車に飛び乗っても自動的に接続性を優先され音途切れなし。さらに移動中、動画やゲームをスタートすると、aptX Low Lattencyに敵わないもののそれに迫る低遅延で違和感なく快適に楽しめる。しかもそれらは自動的に最適化され、ユーザーは切替操作などを気にする必要がない。

aptX Adaptiveの実用化は、ワイヤレスオーディオが「Just Work」で有線に置き換わる時期をも早めるに違い無い。対応製品の登場が楽しみである。

(鴻池賢三)

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