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<新春インタビュー>オーディオ協会 校條会長が語る「ハイレゾ推進」と「OTOTEN」のこれから

公開日 2018/01/05 08:00 聞き手・構成:音元出版 永井光晴・徳田ゆかり
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お客様の体感の場を充実させていく

ーー これらを踏まえた、次回の音展が期待されますね。

校條氏 ここ2年ほどアナログレコードやプレーヤーが市場で受け入れられていますが、これを音展でもどんどんやってみてはと思っています。レコード会社やエンジニアの方々には、話を進めています。LPレコードのジャケットなども見せて、レコードを「見せる!聴かせる!」
機会をつくっていく。

今後はさらにお客様の体感の場を充実させる方策を進めていきたいと校條氏

それから、オーディオのアクセサリーコーナーをつくること。アクセサリーのちょっとした知識を、どんどんお伝えしてさしあげる。ケーブルを替えたり、インシュレーターを使ったりするとなぜ音がよくなるのかといった基本的なことを、評論家の方々の受け売りではなく、お客様自らが体感しながら納得できるように。「今さら」と思われがちですが、きめの細かいことをメーカーの技術者自身が直接、お客様に語りかけることからやることが重要です。

また、最近の若い方たちが何を聴いているのかといいますと、ゲーム音楽やアニソンなのですね。DJも人気です。若い方といっても子ども達でなく30代の大人達。すでに大人の新しい音楽として、これらのジャンルが大きくなっている。そういうものをどんどん取り入れたら面白いですね。ゲームメーカーさんからもハイレゾをやりたいという声をいただきました。

そして最近の若い方たちは、プロDJの機器を欲しがるといいます。音がいいとのことです。ゲーム音楽を聴いている方々にとって、ハイファイの機器ではなく、興味はそちらのベクトルなのです。世界で活躍するDJの方々の世界が広がっているのに、我々業界がそれをマークしていない。もう若い方の世界と業界との価値観が乖離しているわけです。ですからそこも、音展のテーマとしなければならないでしょうね。

文化は多様性があるものです。音楽を生で聴く、再生して聴く。家で聴く、屋外で聴く。ハイレゾがあり、ストリーミングがあり、アナログがある。クラシックがありポップスがあり、アニソンがある。多様性の中で成熟すれば、オーディオは文化としてもっともっと素晴らしいものになるはずです。そして「OTOTEN」ばかりでなく、全国エリアの「オーディオフェア」や専門店イベントともコラボして、お客様の体感の場を充実させる方策を進めていきます。

ーー 2018年の活動も、おおいに期待しております。本日はありがとうございました。


本記事は『Senka 21』2018年2月号からの転載です。Senka 21の詳細はこちら

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