トップページへ戻る

レビュー

HOME > レビュー > レビュー記事一覧

公開日 2017/10/06 10:54
シンプル構成で高品位な音を楽しめる

【レビュー】大型スピーカーも楽々鳴らす。ティアック「NR-7CD」で作るコンパクトハイエンドシステム

角田郁雄

前のページ 1 2 次のページ

レコードの登場からハイレゾが普及した現在に至るまで、人は何らかのスタイルで音楽を楽しんでいる。オーディオの趣味では、CDプレーヤーやレコードプレーヤーなどを使用してセパレートアンプシステムを組む方もいれば、CDプレーヤーと高音質プリメインアンプなどを組み合わせてシンプルに楽しむ方もいることだろう。それぞれが幅広いスタイルで極上の音楽再生を求めて楽しんでいるのだ。

ハイレゾの普及と並行して世界のオーディオメーカーでは、24bit PCMやDSDの特性を生かすため、ダイナミックレンジが広く解像度の高いワイドレンジ再生にチャレンジした。今やこれらの技術は驚愕級のモデルのみならず、コンパクトなオーディオ製品においても、スケールダウンすることなく搭載できるようになってきている。

私自身、最近は高品位なスモール・オーディオで音楽を楽しむことも多くなっている。そうした中で、『大型ハイエンドモデル > スモールオーディオ』という固定観念を完全に消すかのような一つの製品に巡り合った。それは、ティアックのリファレンス・シリーズ初代DAC「UD-501」だ。現在では「UD-503」へと進化を遂げ、PCMは最大384kHz/32bit、DSDは11.2MHzまでに対応する。

リファレンス・シリーズ初代DAC「UD-501」

現在は「UD-503」へと進化

その内部は電源部を含め完璧なデュアル・モノラル構成で、高性能32bit型DACチップの旭化成「AK-4490」を2個採用し、お家芸と言える電流伝送強化型バッファー「ティアック-HCLD」をホットとコールド用に各2個、左右合計4回路を使用して出力する。「超高速/超高解像度DA・バッファー・モジュール」という印象だ。FPGAを巧みに使ったデジタル処理部で、アップサンプリング、フィルターなど機能が設定でき、10MHz外部クロックジェネレーターも接続できる。まさに「スモール・ハイエンド・DAC」なのである。現在はこのUD-503の技術を踏襲し、ICE Powerを搭載するプリメインアンプ「AI-503」までも登場させている。

プリメインアンプ「AI-503」

そして現在、さらに注目されるハイエンドモデルが登場した。それがReference 7シリーズのネットワークCDレシーバー「NR-7CD」だ(関連ニュース)。本機は、愛用機や最新モデルのスピーカーをシンプルなスタイルで楽しみたい方や、少しでもいい音で聴きたいという音楽愛好家にふさわしいモデルである。リビングや書斎などのプライベートルームに置いても絵になるデザインと、創業60周年を迎えたティアックが辿り着いた境地ともいえるその内容は、私も含め、筋金入りの熟練オーディオ愛好家でさえも欲しくなるほどだ。

ネットワークCDレシーバー「NR-7CD」

本体はきめ細かなヘアライン仕上げのアルミ・ボディを纏い、シンメトリーで洗練されたデザインが印象的である。アナログのパワーメーターを備え、左右に大型セレクタースイッチとボリュームノブ、センターにはCDディスクトレーと表示パネルを配置している。この美しいボディーは不要共振や振動を低減し、明瞭度の高い音場や音像を得るために、ステンレスの「ピンポイント・フット」で3点支持される。ボディーのスパイクをすり鉢状のディッシュで受ける方式で一体化されている。

ネットワークCDレシーバー「NR-7CD」

再生できるメディアはCD/USBやネットワークによるハイレゾ音源で、USBストレージやNASと接続できる(5.6MHz DSDと384kHz/32bit PCMに対応)。TIDALやQobuzなどのストリーミング再生にも対応するほか、ハイレゾ伝送を可能にするLDAC対応のBluetoothレシーバーも搭載し、手軽にiPadなどのモバイル・デバイスで高音質再生を楽しむこともできる。その他、同社のアナログ・プレーヤー「TN-570」「TN-550」や、他のアナログ出力機器を接続できるRCAアナログ入力を1系統装備する。同社スピーカー「S-300HR」とコンビを組めば、洗練されたティアックオンリーのハイエンド・システムを組むこともできる。

内部技術も実に素晴らしい。デジタルとアナログ回路は完全に上下にスチール板で仕切られ、2階建て構造となっている。まず下段には電源入力部、CDディスクドライブの再生制御部、USB/LAN入力が各1系統、同軸が2系統、光TOSのデジタル入力処理部、そしてRDOT-NEOを配置する。

ハイレゾやCD再生などを行った場合、RDOT-NEOがアップサンプリングやDSD化などの高音質処理を行って上部のアナログ回路に伝送される仕組みである。上段のアナログ回路も見事だ。1系統のアナログ入力は、デジタル音源とは別ルートで上段の後部の小さな差動変換回路(バランス伝送化)に入力される。

サイズ感からは想像できない、中低域に厚みある高解像度なサウンド

前のページ 1 2 次のページ

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 トライオード、シンプルかつ高音質を目指した真空管プリメイン「TRS-34」
2 柔軟な開発力で世界のネットワークオーディオ市場を牽引するLUMIN。コンパクトな最新エントリー機「D3」の魅力
3 『ゴジラ-1.0』だけじゃない! GWに観たい「最近サブスク解禁された話題作」まとめ
4 【moraアニソンTOP10】川崎発、狂犬ロックアニメ『ガールズバンドクライ』OPが人気急上昇!
5 エソテリック、上位一体型SACDプレーヤーをアップグレードした「K-01XD SE」「K-03XD SE」
6 AKG、国内初のANC対応完全ワイヤレス「N5 Hybrid」。ANCヘッドホン「N9 Hybrid」も同時発売
7 パナソニック、最新「ミニLEDバックライト液晶」ハイエンド・4Kビエラ。AI高画質エンジンも新世代
8 Google、タブレット端末「Pixel Tablet」ホルダーなしの単品販売を開始
9 パナソニック、初の専用Fire TV搭載の最上位・4Kビエラ「Z95A」。「マイクロレンズ有機ELパネル」刷新
10 新「iPad Pro」は“圧巻の高画質” 。「タンデムOLED」の威力を速報レポート
5/10 12:03 更新

WEB