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電気製品の安全性を取り巻く環境は劇的に変化。第三者認証「Sマーク」の意義と担う役割はさらに大きなものへ
編集部:竹内 純グローバル化、オンライン化で多難を極める電気製品の安全性
電気製品認証協議会(SCEA)は、2026年度定時総会を開催した。電気製品の安全性確保を図る民間の第三者認証制度である「Sマーク認証」の信頼性向上に向けた活動およびSマークの普及促進のための広報活動について、2025年度の取り組みと2026年度の計画について報告するとともに、総会後には懇親会が催された。
懇親会の冒頭に挨拶をした大崎博之会長は電気製品の安全性について、「電気製品というのは非常に便利なもの。しかしその一方、重大な事故が起こったときに電気製品が要因となったケースも少なくなく、今日、そうしたケースがさらに多くなっている。私たちが電気製品を使う機会も増え、さらにいろいろなシーンで様々な種類の電気製品を使うようになっている。例えば、モバイルバッテリーは非常に便利だが、エネルギー密度が非常に高く、使い方や製造上のちょっとした問題でも大きな事故になりかねない」と取り巻く環境が大きく変化していると指摘した。
さらに、「事故は他人事で自分は大丈夫だろうと思ってしまうことは誰にでもある。また、ネットで簡単に安価なものが入手できると、安全性にまで気配りせずに安易に購入してしまうことも珍しくない。なかなか難しい時代になってきたと思う」と話を続けた。
そのようななかで意義が高まる第三者認証Sマークを「消費者にとって安心できる電気製品を供給するのにより役立てていけるよう、さらなる普及を願っている。皆さんと連携して一生懸命に取り組んでいく。今後とも是非いろいろなアドバイスをお願いしたい」と力を込めた。
来賓として挨拶をした経済環境省 政治安全課課長 森本将史氏も「大崎会長からお話があったように、電気用品の安全の分野は非常に難しい課題が山積している。経済環境省 製品安全課においても2年前に法律の改正を行い、また目の前でもいろいろな課題に対処すべく鋭意検討を進めている」と述べた。
「私もいろいろなところで申し上げているが、この安全の問題に対しては、とてもではないがもはや役所だけでは解決できないフェーズに差し掛かっていると感じている。商取引がグローバルに、オンラインにと広がる状況のなか、関係者の皆様、そして消費者とも手を取り合って問題解決に取り組んでいくことが非常に重要。知恵を出し合いながら取り組んでいきたい」と課題への対処にはまさに一丸となった取り組みが不可欠となっていることを訴えた。
Sマーク啓発へ、小学校で家庭科出前授業も実施
定時総会においては2025年度の広報活動について幹事長代理・広報専門部会長 三浦佳子氏が説明した。
毎年実施しているSマークの認知度調査では、前年度の36.4%から38.9%へ2.5ポイントの上昇が見られたが、「電気製品を購入する際に銘板でSマークを確認したことがあるか」との設問に対して「ある」と回答したのは、それを大きく下回る22.7%にとどまった。
三浦氏は「予想された通りであり、Sマークを確認せずに購入していることが数字として表れている。単に認知度を上げればいいという問題ではなくて、なぜSマークが必要なのか。その意味まできちんと知っていただくことが私たちの最終目的」と語気を強めた。
Sマーク付き電気製品の店頭普及実態調査では、普及率は前年度の70.7%から68.7%へ、残念ながら2.0ポイントのダウン。物価上昇の影響を背景に、Sマーク未取得の低価格帯の海外製品が多く扱われた可能性もあるとの見方を示した。「中国をはじめとした輸入製品の国内市場への攻勢は強まっており、この先も注視していきたい」とした。
さらに、拡大するネット通販についても言及した。「“安かろう悪かろう”という言葉があるが、実際に得体のしれないものもたくさん売られており、安価だからと購入した電気製品で事故が起きている例も報告されている」と課題を指摘する。
ネット通販の主要事業者で構成するオンラインマーケットプレイス協議会(JOMC)との関係構築も進めているが、「思うように進んでいない」というなか、今年度は行政の力も借りることで状況を打開し、インターネット取引における課題解決に向けた実効性を高めていく構えだ。少なくともSマーク取得製品については、販売サイトにその旨を表示してもらうよう訴求しているという。
Sマークの認知拡大へ向け、広報活動に力を入れていく。認知度は年代別に大きな隔たりがあり、特に低い若年層に対しては、Xを活用してSマークの情報発信・拡散を狙った「SマークXキャンペーン」の実施や、YouTubeでの発信など、工夫を凝らした取り組みを展開する。
2025年12月11日には、全国小学校家庭科教育研究会の協力を得て、「電気製品の安全について家庭科で学ぼう!」をテーマにした「小学校家庭科出前授業」を、東京都練馬区立大泉第三小学校にて実施した。
クイズ形式にした電気製品の安全な使い方や教室に持ち込んだ電気製品からPSEマーク・Sマークを実際に探してみるなど、「楽しく学習することができた。実際に家電製品を見てSマークを確かめる活動はかなり興味を持って取り組んでいた。確かな学びにつながる」(同校 高野校長)と好評を博した。
電気製品の安全性向上に貢献するため、Sマーク認証のさらなる普及と持続的な定着を目指し、Sマーク認証のより一層の信頼性向上と普及促進に取り組むSCEA。消費者保護の観点から電気製品の安全性確保を図るため、電気用品安全法の補完的役割を担うSマーク認証を活用してもらうべく、行政機関や流通事業者への働きかけにも力を入れていく。
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