Unique Melody、BAドライバー6基搭載IEMとアンプをセットにした「PP6」
2012/12/13
8月7日から9日まで開催されていた香港オーディオショウでは、イヤホン関連の興味深いトピックが発表された。Unique Melodyからは、イヤホンと専用アンプが一体となったフラグシップ・ポータブルオーディオシステム「PP6 Pro&UM Raptor」が登場したほか、DITA、Forte Earsもプロトタイプ製品を展示し話題を集めていた。
Unique Melodyから公開された「PP6 Pro&UM Raptor」は、イヤホンのクロスオーバー(チャンネルデバイダー)を外部の筐体に入れることで、マルチアンプ駆動を実現したイヤホン再生システム。
イヤホン+専用アンプのポータブルシステムといえば、最近ではブリスオーディオの「FUGAKU」が記憶に新しいが、もともとUnique Melodyも2012年に6BAイヤホン+専用アンプのポータブルシステム「PP6」を発売していた。この度のPP6 Pro&UM Raptorは、以前のPP6からイヤホン/アンプ両方を強化した最新バージョンという位置づけとなる。
PP6 Pro&UM Raptorの特徴が、イヤホン/アンプの両方にクロスオーバーが入っていること、そしてアンプ側のクロスオーバーがデジタル・アクティブタイプであることだ。
専用アンプPP6 Proは無垢銅のハウジングで、3つのアクティブ・クロスオーバーを搭載。DSPのデジタル処理によって音声信号を3つの帯域に分割し、位相やゲインまで精密にそろえた上でイヤホンに送り出す。入力は3.5mmアナログだけでなく、USB Type-Cデジタル、LDACやaptXコーデックをサポートするBluetoothも装備。バッテリーは5,000mAhを搭載しているという。
イヤホンのUM Raptorは、片側あたり6種類/計10基ドライバーを搭載し、4つのパッシブタイプのクロスオーバーが内蔵されている。PP6 Proでデジタル処理された音声信号を、さらに細かく帯域分割していると想定される。
PP6 ProとUM Raptor間の接続ケーブルはブリスオーディオ製で、左右の信号を完全に分離して伝送する特注仕様。今回は外観展示のみだったが、イヤホン再生の未来を見せてくれるプロダクトとして期待したい。
シンガポールのDITAからは、新イヤホンのプロトタイプ「CLR-Destin」が初登場。フラグシップである「VENTURA」の技術を引き継ぎつつコストダウンを狙ったもので、ダイナミックドライバーのみを活用するDITAの理念も継承。リアバッフルが3基に変更し複雑な通気システムを簡略化したほか、筐体はアルミニウムで構成。鏡面仕上げでサファイアガラスでコーティングされている。
高域のブライトネスや明るさが印象的で、特にシンバルの華やかさなどは印象的。まだ試作機の段階で、これから最終的な音質調整をしていくとのこと。代表のダニーさんも会場入りして、来場者の声に熱心に耳を傾けていた。
マルチドライバーを搭載するイヤホンを展開するForte Earsも、プロトタイプ機を初披露。“Strength”(強度)という名前が記載されているが、これは開発中のコードネームで、最終的には「MACBETH」や「VIOLETTA(椿姫)」など既存モデルと同様、オペラから取った名前を予定している。
開発担当のリッカルドさんによると、ドライバー構成なども現時点では秘密だが、「これまで開発してきたイヤホンの美点を総合したもので、クラシックからヘビーメタルまで、さまざまなジャンルの音楽への対応を目指しました」とのこと。濃密な低域の充実を感じられた。秋の正式発売に期待。
またブリスオーディオは、上でも触れたポータブルオーディオシステム「FUGAKU」のブランド10周年記念アニバーサリーエディションを香港にて先行披露。
10周年記念に開発したケーブル「NISHIKI」の技術が投入されており、イヤホンケーブルのほか、アンプ部の内部配線材にもNISHIKIグレードを投入。また4.4mmミニケーブル「NISHIKI MINI」も標準で付属しており、トータルでNISHIKIの音としてチューンされている。
製品の開発担当者によると、より“シルキーな音色”を狙ったものになっているそうで、「ぜひ聴き比べをして音質の違いを感じてください!」とのこと。以前のバージョンを所有しているユーザーに向けたアップグレードプログラムも予定している。SoundWaveという代理店のブースで出展していたが、アニバーサリーモデルの試聴を求める列が途切れることなく続いていた。
同じ SoundWaveのブースでは、国内でも先日発表されたAcoustuneの新製品「HS2000Air」も展示。グリーンとゴールドの2色展開となっている。
ドライバーを内蔵する音響チャンバーと外部ハウジングを分離できるモジュラー設計はそのままに、外部ハウジングを軽量化。音響チャンバーも、ブランド独自の第5世代ミリンクスドライバーを搭載したアルミニウムチャンバーを新開発している。
モジュラー設計によってチャンバーだけ交換することができるので、カスタマイズして音質を追求できる“遊び心”もアピールしていた。